## すでに存在した金融脆弱性が新型コロナで悪化

_IMF Blog, May 21, 2020_

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**Canonical URL:** [すでに存在した金融脆弱性が新型コロナで悪化](https://www.imf.org/ja/blogs/articles/2020/05/22/blog-gfsr-covid-19-worsens-pre-existing-financial-vulnerabilities)

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## Bibliographic details
- Authors: Tobias Adrian, Fabio Natalucci
- Published: May 21, 2020

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### 概要
- 新型コロナウイルス感染症（COVID-19）は、低金利や低ボラティリティーが続いたこの10年間に蓄積された金融面の脆弱性を浮き彫りにし、悪化させている。
- IMFの「国際金融安定性報告書（GFSR）」第2－4章は、国際金融市場におけるリスクの高い箇所、新興市場国、銀行という3つの潜在的に脆弱な部分に焦点を当てる。
- 現在進行中のマイナス成長が予想以上に長期化・深刻化した場合、金融環境のタイト化が脆弱性を通じて増幅され、金融危機につながる可能性がある。

### 高リスクの企業信用市場（ハイリスク企業信用）
- 世界金融危機以降、高リスク市場が急速に拡大。
- 脆弱性要因として：
  - 借り手の信用の質低下
  - 貸出審査条件の緩さ
  - 投資ファンドにおける流動性リスク
  - 市場間の関連性の強まり
- 明るい点：
  - 投資家が高リスク市場に投資する際、他で借り入れた資金を用いることが少なくなった。
  - 銀行もレバレッジドローンや高利回り債への依存度を下げている。
  - 私募債市場やローン担保証券市場では固定的な投資の比率が高まり、特定の商品分野で投資家の取り付けリスクは減少。
- シナリオ分析の所見：
  - 銀行の損失は一部の大銀行で大きくなるかもしれないが、全体としては吸収可能と考えられる。
  - ノンバンク部門の損失はより大きくなり得る。ノンバンクが融資面での役割を強めていることから、ノンバンク損失は信用供給を阻害し、景気後退の長期化・深刻化につながる可能性がある。
- 市場動揺の観察：
  - 3月末までのわずか2、3か月の間に、リスク資産市場の相場は世界金融危機時に見られた下落幅の3分の2ほど下落（その下落幅の一部はその後回復）。
  - 高リスクの信用市場間の相互関連性が市場の混乱につながった模様。
  - 現金需要が資産売却需要を引き起こし、ミューチュアル・ファンドから大量の資金が流出（最近になって流出の減少や反転の動きも見られる）。
- 政策提言（高リスク企業信用市場向け）：
  - 政策当局は大胆に行動し、新型コロナによる状況悪化を抑制し、企業向け信用の流れを支えるべき。
  - 規制当局は資産運用担当者に慎重な行動と流動性管理手段の最大活用を促すべき。
  - 危機終息後、市場機能不全の原因と根本的脆弱性を包括的に評価すべき。
  - ノンバンクを規制・監督の対象に含めるかどうかを検討することが政策課題。
  - ノンバンク機関に対するマクロプルーデンス規制の枠組みを発展させ、マクロプルーデンス手段を拡大する必要。

### 不安定な資本移動への対応（新興市場国）
- パンデミック以降、新興市場国では1,000億ドルを上回る資本流出が発生し、その規模は対GDP比で世界金融危機時の2倍近くに達している。
- 資本流出はその後収まっているが、資本の動きの振り幅が大きくなると不安定なポートフォリオ資本移動の管理が困難となり、金融安定性のリスクとなる。
- 低金利の長期化が借り手・貸し手のリスク志向を高め、高リスク資産市場へのポートフォリオ投資を押し寄せさせ、債務の蓄積や価格上昇をもたらした。
- 分析の示唆：
  - 流出入の急増期に国際的金融環境への感度が高まる。
  - 株式や現地通貨建て債券については資本受入国のファンダメンタルズ（例：経済成長、対外的な脆弱性、国内金融市場の厚み等）の変化が限界的により大きく影響する傾向。
  - 厚みが不十分な現地通貨建て債券市場で外国投資家の市場シェアが大きい場合、債券利回りの変動が特に大きくなりやすい。
- 政策提言（新興市場国向け）：
  - 為替相場での自国通貨安を容認することで国外からの圧力を管理すべき。
  - 外国為替が無秩序に変動する場合は、当局は外国為替市場への介入を検討すべき。
  - 資本流出が著しい場合は、資本移動を一時的に管理する必要があるかもしれない。
  - 国債管理政策の責任者は、国外資金調達が制約された場合の非常時対応計画を策定しておくべき（長期にわたって資金調達が阻害されうることを念頭に）。

### 銀行部門：低金利は低収益？
- 世界金融危機以来、いくつかの先進国では銀行の収益性の低さが常に大きな課題となっている。
- 極端な低金利により、銀行の資金利鞘は圧縮されてきた。
- IMFの分析では、新型コロナの喫緊の問題が解消した後も、低金利の長期化によって銀行の収益性には向こう数年、下落圧力がかかる見込みである。
- シミュレーション結果：
  - 先進国9か国を対象にしたシミュレーションでは、資産額で見た場合、各国の銀行の大部分で2025年に利益が資本コストに達しないと予測される。
- 政策上の課題と選択肢：
  - 銀行が収益を生めなければ、家計・企業への融資など金融サービス提供が難しくなり、与信が不足する恐れがある。
  - 危機関連の当面の課題が解消すれば、手数料収入の増加やコスト削減で圧力を軽減できる可能性はあるが、完全な緩和は難しい。
  - 収益回復のために過剰なリスクを取ることは将来の課題を生む可能性があるため回避すべき。
  - 政策担当者は金融安定性と金融機関経営の健全性を保持しつつ、経済活動を支えるバランスを早急に取る必要がある。
  - 配当の支払いや株式の買い戻しの制限を含め、自己資本を維持・強化するための多様な戦略を検討する必要がある。
- 監督・規制の対応：
  - 金融部門を管轄する当局は、低金利の潜在的影響を意思決定やリスク評価に反映させるべきである。
  - 資本計画評価やストレステストの実施に“lower-for-longer”シナリオを導入し、ビジネスモデルの強さを評価する必要がある。
  - 監督当局は注意深い姿勢を維持し、銀行部門の強靱性を低下させかねない過剰なリスクの蓄積を回避すべきである。

*出典：国際通貨基金（IMF）ブログ記事「すでに存在した金融脆弱性が新型コロナで悪化」*

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## References

- [国際金融安定性報告書（GFSR）](https://www.imf.org/en/Publications/GFSR/Issues/2020/04/14/global-financial-stability-report-april-2020)

_Source: https://www.imf.org/ja/blogs/articles/2020/05/22/blog-gfsr-covid-19-worsens-pre-existing-financial-vulnerabilities_
