{
  "title": "IMFブログ 暗号資産を国の通貨に採用するのは早計だ",
  "publication": "IMF Blog, July 28, 2021",
  "sourceUrl": "https://www.imf.org/ja/blogs/articles/2021/07/26/blog-cryptoassets-as-national-currency-a-step-too-far",
  "canonical": "https://www.imf.org/ja/blogs/articles/2021/07/26/blog-cryptoassets-as-national-currency-a-step-too-far",
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  "summary": "新たなデジタル形式のマネーは、決済を安価かつ迅速化し、金融包摂を推進し、レジリエンスを高め、決済プロバイダーの競争を促進し、国境を超える送金を円滑にする可能性がある。しかし、その実現は簡単な話ではない。",
  "sections": [
    {
      "heading": "概要",
      "content": "- 新たなデジタル形式のマネーは「決済を安価かつ迅速化し、金融包摂を推進し、レジリエンスを高め、決済プロバイダーの競争を促進し、国境を超える送金を円滑にする可能性」がある一方で、実現には「相当な規模の投資」と「官民の役割の明確化」など難しい政策選択が必要であると指摘する。\n- 一部の国が「暗号資産を国の通貨（法定通貨）にする」選択肢を検討しているが、著者らは「ほとんどのケースではリスクとコストが潜在的メリットを上回る」と評価している。\n- 執筆者: トビアス・エイドリアン、ローダ・ウィークス・ブラウン（2021年7月28日）"
    },
    {
      "heading": "暗号資産の特徴と他のデジタルマネーとの相違",
      "content": "- 暗号資産は「暗号化技術を使って民間が発行するトークン（代用通貨）」であり、「それぞれ独自の通貨単位」がある。\n- 価値変動の極端さの例:\n  - ビットコインは4月に「6万5000ドル」の最高値を記録したが、2カ月後には「半値以下に急落」した。\n- 中央銀行が検討する中央銀行デジタル通貨（CBDC）は「中央銀行の債務という形でデジタルマネーを発行」する点で暗号資産と本質的に異なる。\n- 民間発の決済手段（東アフリカや中国の携帯送金、裏づけ資産を用いるステーブルコイン等）も別のカテゴリとして存在する。"
    },
    {
      "heading": "暗号資産を法定通貨にした場合に想定される影響（主要リスク）",
      "content": "- マクロ経済の安定性\n  - 物価設定が現実通貨と暗号資産の双方で行われると、家計・企業はどちらを保有するかの選択に多大な時間・資源を費やし、生産的活動が損なわれる可能性がある。\n  - 課税・歳出で通貨単位がずれると、政府の歳入は為替リスクにさらされる。\n- 金融政策\n  - 中央銀行は外国通貨の金利を設定できないため、暗号資産の広範採用は通常期待される金融政策の効果を与えない。\n  - 結果として「国内物価はきわめて不安定になる可能性」がある。\n- 金融の健全性・マネーロンダリング対策\n  - 暗号資産は「不法に入手された資金の洗浄、テロ組織への資金供給、脱税」に利用される可能性がある。\n  - FATFは仮想資産とサービスプロバイダーの規制基準を設定したが、「実施状況には国によるばらつき」がある。\n- 法的・包括性の問題\n  - 法定通貨には広く利用可能であることが求められるが、多くの国で「インターネットアクセスや技術」が不足しており、公平性と金融的包摂の問題が生じる。\n  - 法定通貨の地位や通貨単位を変更するには「金融法制に複雑で広範囲にわたる変更」が必要で、法制度上の齟齬を防ぐ必要がある。\n- 銀行システムへの影響\n  - 銀行や金融機関は暗号資産価格の大幅な変動にさらされる可能性がある。\n  - 例として、ビットコインが法定通貨に指定された場合、銀行の外貨やリスク資産に対するプルーデンス規制の維持が不確かになる。\n- 消費者保護と技術リスク\n  - 暗号資産の価格変動、不正、サイバー攻撃により家計や企業が富を失うリスク。\n  - ビットコインのように法定発行者がいない場合、償還は困難である。\n- 環境への影響\n  - 採掘型暗号資産は「取引を認証するコンピュータ・ネットワークの電源として膨大な電力を必要とする」ため、環境に重大な影響を及ぼす可能性がある。"
    },
    {
      "heading": "暗号資産を法定通貨とするケースの実務的考察",
      "content": "- 暗号資産が普及しにくい状況:\n  - 物価上昇率や為替レートが安定し、制度の信頼性が高い国々では暗号資産は普及しにくい。\n  - 家計や企業にとって、暗号資産は「価格設定や貯蓄の手段」としてのインセンティブがきわめて低い。\n- 比較対象としての国際準備通貨:\n  - 比較的安定していない国々でも、ドルやユーロといった国際的に認知された準備通貨を使うほうが暗号資産採用より魅力的である可能性が高い。\n- 暗号資産は「支払い手段として一時的に普及」しても、「価値の保管手段にはならない」ことが想定される — 受領者はすぐに現実通貨と交換するだろう。"
    },
    {
      "heading": "政策的含意と推奨される対応",
      "content": "- 総論: 暗号資産を国の通貨に採用する試みは「近道として賢明ではない」。\n- 推奨される対応の方向性（要旨）\n  - 暗号資産を支えるテクノロジーの利点（低コストで包摂的な金融サービス）を無視すべきではないが、これらを活用するには政府が自らの体制を強化する必要がある。\n  - 新たなデジタル形式のマネーを取り入れる際には、以下を維持することが重要:\n    - 金融の安定性\n    - 効率性\n    - 公平性（金融包摂）\n    - 環境の持続可能性\n  - 規制・監督・法制度の整備、マネーロンダリング対策の徹底、消費者保護の強化が不可欠。\n\n出典: IMFブログ「暗号資産を国の通貨に採用するのは早計だ」\n\n---\n\n\n References\n\n- デジタルマネー\n- デジタル通貨\n- 携帯電話で送金できる\n\nSource: https://www.imf.org/ja/blogs/articles/2021/07/26/blog-cryptoassets-as-national-currency-a-step-too-far"
    }
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    "[Markdown version](/ja/blogs/articles/2021/07/26/blog-cryptoassets-as-national-currency-a-step-too-far/index.md)",
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    "[Bundle manifest](/ja/blogs/articles/2021/07/26/blog-cryptoassets-as-national-currency-a-step-too-far/bundle-manifest.json)",
    "Authors: Tobias Adrian, Rhoda Weeks-Brown",
    "Published: July 28, 2021",
    "新たなデジタル形式のマネーは「決済を安価かつ迅速化し、金融包摂を推進し、レジリエンスを高め、決済プロバイダーの競争を促進し、国境を超える送金を円滑にする可能性」がある一方で、実現には「相当な規模の投資」と「官民の役割の明確化」など難しい政策選択が必要であると指摘する。",
    "一部の国が「暗号資産を国の通貨（法定通貨）にする」選択肢を検討しているが、著者らは「ほとんどのケースではリスクとコストが潜在的メリットを上回る」と評価している。",
    "執筆者: トビアス・エイドリアン、ローダ・ウィークス・ブラウン（2021年7月28日）",
    "暗号資産は「暗号化技術を使って民間が発行するトークン（代用通貨）」であり、「それぞれ独自の通貨単位」がある。",
    "価値変動の極端さの例:",
    "中央銀行が検討する中央銀行デジタル通貨（CBDC）は「中央銀行の債務という形でデジタルマネーを発行」する点で暗号資産と本質的に異なる。",
    "民間発の決済手段（東アフリカや中国の携帯送金、裏づけ資産を用いるステーブルコイン等）も別のカテゴリとして存在する。",
    "マクロ経済の安定性",
    "金融政策",
    "金融の健全性・マネーロンダリング対策",
    "法的・包括性の問題",
    "銀行システムへの影響",
    "消費者保護と技術リスク",
    "環境への影響",
    "暗号資産が普及しにくい状況:",
    "比較対象としての国際準備通貨:",
    "暗号資産は「支払い手段として一時的に普及」しても、「価値の保管手段にはならない」ことが想定される — 受領者はすぐに現実通貨と交換するだろう。",
    "総論: 暗号資産を国の通貨に採用する試みは「近道として賢明ではない」。",
    "推奨される対応の方向性（要旨）",
    "[デジタルマネー](https://www.imf.org/en/Publications/fintech-notes/Issues/2019/07/12/The-Rise-of-Digital-Money-47097)",
    "[デジタル通貨](https://www.imf.org/external/pubs/ft/fandd/2021/03/what-are-central-bank-digital-currencies-mancini-griffoli.htm)",
    "[携帯電話で送金できる](https://www.imf.org/external/pubs/ft/fandd/2021/06/online/digital-money-new-era-adrian-mancini-griffoli.htm)"
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