{
  "title": "史上最大の「選挙イヤー」において世界に財政規律が必要な理由",
  "publication": "IMF Blog, April 17, 2024",
  "sourceUrl": "https://www.imf.org/ja/blogs/articles/2024/04/17/why-our-world-needs-fiscal-restraint-in-biggest-ever-election-year",
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  "summary": "債務が膨らむ中、各国政府は財政再建の方針を維持すべきだ。",
  "sections": [
    {
      "heading": "概要と現状認識",
      "content": "- 世界の経済・金融の見通しはこの6か月間で改善している。インフレ率は低下し、金融環境は緩和し、見通しに対するリスクは均衡がとれている一方で、多くの国が多額の公的債務と財政赤字に苦しんでいる。  \n- 最新の「財政モニター」では、各国政府に対して、目標からの逸脱を避けるとともに、バッファーの再構築と中期的な財政持続性の確保に重点を置くよう呼びかけている。"
    },
    {
      "heading": "財政トレンドと課題",
      "content": "- 財政政策は昨年、より拡張的なものへとシフトした。昨年世界全体で財政政策を引き締めた国は半数にすぎず、2022年の約70%から低下している。  \n- パンデミック発生から4年が経過した現在、利払い費を除く歳出はパンデミック前の予測に比べて、先進国では対GDP比で約3%ポイント、新興市場国では2%ポイント上回ったまま推移している。  \n- 名目金利の上昇は、大半の国で利払い費を押し上げた。世界の公的債務は2023年に対GDP比93%に接近し、パンデミック前の水準を依然として9%ポイント上回っている。  \n- この上昇は、米国と中国が主導しており、両国では債務が対GDP比でそれぞれ2%ポイント超と6%ポイント超拡大した。中国の成長鈍化は世界の成長と貿易を圧迫し、米国で国債利回りが上昇・不安定化すると世界の他地域で金融環境がタイト化しうる。"
    },
    {
      "heading": "選挙イヤーの影響",
      "content": "- 2024年には、世界人口の半分以上を抱える記録的な数の国で国政選挙が実施される。歴史的に選挙の年には政府が歳出を拡大し課税を軽減する傾向がある。  \n- 選挙のある年は選挙のない年に比べて財政赤字が予測を対GDP比で0.4%ポイント上回る傾向があるため、「選挙イヤー」の今年、各国政府は健全な財政を維持するために財政規律を働かせる必要がある。"
    },
    {
      "heading": "中期的見通しと必要な調整",
      "content": "- 中期的には財政が緩やかに引き締められると予測しているが、それでは多くの国において公的債務を安定化させるのに不十分である。  \n- 執筆章の試算では、現在の政策が続く限り、2029年になっても約3分の1の先進国・新興市場国と約4分の1の低所得途上国において利払い費を除く基礎的財政赤字が債務を安定化させる水準を上回り続けると示されている。  \n- 必要とされる追加調整の規模は国別にさまざまであるが、債務の対GDP比が上昇すると予測されている新興市場国の場合、求められる基礎的財政赤字の平均削減幅が対GDP比で2.1%ポイントになると推定されている。  \n- さらなる取り組みがなければ、財政政策がパンデミック前の正常な状態に戻るには何年もかかる可能性がある。人口転換やグリーン移行などの構造的課題に対処するための歳出圧力が一層高まっている一方で、多くの国では中期的な成長見通しの鈍化と高い実質金利により財政余地がさらに制約される可能性が高い。"
    },
    {
      "heading": "政策提言（短期〜中期）",
      "content": "- 各国は持続可能な財政を確保し、財政バッファーを再構築するために果断に取り組む必要がある。財政再建のペースは各国が直面する財政リスクとマクロ経済状況に合わせて調整すべきである。ソブリンリスクが高まり財政に対する信頼性が欠如する場合には、断固として対応する必要がある。  \n- 危機時の財政政策の遺産（エネルギー補助金を含む）については、段階的廃止を直ちに始め、最も脆弱な層を保護しつつ歳出の伸びを抑制するための改革を進めるべきである。  \n- 高齢化が進む先進国は、社会保障改革やその他の措置を通じて医療や年金に関する歳出圧力を抑制する必要がある。"
    },
    {
      "heading": "政策提言（歳入強化と制度改革）",
      "content": "- 中長期的には、歳入が歳出に見合うようにする必要がある。先進国では、法人所得税制の一環として過剰利益を標的にすることにより歳入をさらに増やすことができるであろう。  \n- 新興市場国と発展途上国では、課税ベースを拡大し、税制の設計を向上させ、歳入管理を強化することにより税収ポテンシャルを高めることができるであろう。こうした対策によって、理想的な状況においては、最大でGDPの9%に相当する追加税収が得られることがわれわれの研究で明らかになっている。  \n- 健全で持続可能な財政の基盤には、予算の計画と執行に対する中期的なアプローチが必要である。財政の透明性を強化し、ガブテック（GovTech）と呼ばれる現代的なテクノロジーの活用を拡大することは、すべての国に恩恵をもたらす。"
    },
    {
      "heading": "債務再編と国際協調",
      "content": "- 深刻な過剰債務に陥っている国にとっては、秩序立った適時の債務再編が重要である。G20共通枠組みやグローバル・ソブリン債務ラウンドテーブルにおけるものも含め、継続的な国際協調が効率的な債務再編プロセスの円滑化にとって不可欠である。\n\n本ブログ記事は、2024年4月「財政モニター」の第1章に基づく。\n\n---\n\n\n References\n\n- 財政モニター\n\nSource: https://www.imf.org/ja/blogs/articles/2024/04/17/why-our-world-needs-fiscal-restraint-in-biggest-ever-election-year"
    }
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    "Authors: Era Dabla-Norris, Vitor Gaspar, Marcos Poplawski-Ribeiro, Jiae Yoo",
    "Published: April 17, 2024",
    "世界の経済・金融の見通しはこの6か月間で改善している。インフレ率は低下し、金融環境は緩和し、見通しに対するリスクは均衡がとれている一方で、多くの国が多額の公的債務と財政赤字に苦しんでいる。",
    "最新の「財政モニター」では、各国政府に対して、目標からの逸脱を避けるとともに、バッファーの再構築と中期的な財政持続性の確保に重点を置くよう呼びかけている。",
    "財政政策は昨年、より拡張的なものへとシフトした。昨年世界全体で財政政策を引き締めた国は半数にすぎず、2022年の約70%から低下している。",
    "パンデミック発生から4年が経過した現在、利払い費を除く歳出はパンデミック前の予測に比べて、先進国では対GDP比で約3%ポイント、新興市場国では2%ポイント上回ったまま推移している。",
    "名目金利の上昇は、大半の国で利払い費を押し上げた。世界の公的債務は2023年に対GDP比93%に接近し、パンデミック前の水準を依然として9%ポイント上回っている。",
    "この上昇は、米国と中国が主導しており、両国では債務が対GDP比でそれぞれ2%ポイント超と6%ポイント超拡大した。中国の成長鈍化は世界の成長と貿易を圧迫し、米国で国債利回りが上昇・不安定化すると世界の他地域で金融環境がタイト化しうる。",
    "2024年には、世界人口の半分以上を抱える記録的な数の国で国政選挙が実施される。歴史的に選挙の年には政府が歳出を拡大し課税を軽減する傾向がある。",
    "選挙のある年は選挙のない年に比べて財政赤字が予測を対GDP比で0.4%ポイント上回る傾向があるため、「選挙イヤー」の今年、各国政府は健全な財政を維持するために財政規律を働かせる必要がある。",
    "中期的には財政が緩やかに引き締められると予測しているが、それでは多くの国において公的債務を安定化させるのに不十分である。",
    "執筆章の試算では、現在の政策が続く限り、2029年になっても約3分の1の先進国・新興市場国と約4分の1の低所得途上国において利払い費を除く基礎的財政赤字が債務を安定化させる水準を上回り続けると示されている。",
    "必要とされる追加調整の規模は国別にさまざまであるが、債務の対GDP比が上昇すると予測されている新興市場国の場合、求められる基礎的財政赤字の平均削減幅が対GDP比で2.1%ポイントになると推定されている。",
    "さらなる取り組みがなければ、財政政策がパンデミック前の正常な状態に戻るには何年もかかる可能性がある。人口転換やグリーン移行などの構造的課題に対処するための歳出圧力が一層高まっている一方で、多くの国では中期的な成長見通しの鈍化と高い実質金利により財政余地がさらに制約される可能性が高い。",
    "各国は持続可能な財政を確保し、財政バッファーを再構築するために果断に取り組む必要がある。財政再建のペースは各国が直面する財政リスクとマクロ経済状況に合わせて調整すべきである。ソブリンリスクが高まり財政に対する信頼性が欠如する場合には、断固として対応する必要がある。",
    "危機時の財政政策の遺産（エネルギー補助金を含む）については、段階的廃止を直ちに始め、最も脆弱な層を保護しつつ歳出の伸びを抑制するための改革を進めるべきである。",
    "高齢化が進む先進国は、社会保障改革やその他の措置を通じて医療や年金に関する歳出圧力を抑制する必要がある。",
    "中長期的には、歳入が歳出に見合うようにする必要がある。先進国では、法人所得税制の一環として過剰利益を標的にすることにより歳入をさらに増やすことができるであろう。",
    "新興市場国と発展途上国では、課税ベースを拡大し、税制の設計を向上させ、歳入管理を強化することにより税収ポテンシャルを高めることができるであろう。こうした対策によって、理想的な状況においては、最大でGDPの9%に相当する追加税収が得られることがわれわれの研究で明らかになっている。",
    "健全で持続可能な財政の基盤には、予算の計画と執行に対する中期的なアプローチが必要である。財政の透明性を強化し、ガブテック（GovTech）と呼ばれる現代的なテクノロジーの活用を拡大することは、すべての国に恩恵をもたらす。",
    "深刻な過剰債務に陥っている国にとっては、秩序立った適時の債務再編が重要である。G20共通枠組みやグローバル・ソブリン債務ラウンドテーブルにおけるものも含め、継続的な国際協調が効率的な債務再編プロセスの円滑化にとって不可欠である。",
    "[財政モニター](https://www.imf.org/ja/Publications/FM/Issues/2024/04/17/fiscal-monitor-april-2024?cid=bl-com-SM2024-FMOEA2024001)"
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