## 長期にわたる究極の嵐に立ち向かうには

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## Bibliographic details
- Authors: THARMAN SHANMUGARATNAM
- Published: June 30, 2022

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### 主要な脅威の構図
- 現在は「長期的な究極の嵐」に突入している：地政学的問題、経済的問題、人類の存在を脅かす問題が相乗的に深刻化。
- 地政学的緊張：
  - 過去30年において、地政学的対立が激化するリスクが最大化している。
  - ウクライナ侵攻は過去の「軽い亀裂」とは異なり、より深刻で破滅的な結果を招く可能性がある。
- 経済：スタグフレーションの脅威
  - 経済成長の停滞と物価上昇が一定期間続くスタグフレーションが現実味を帯びている（1年前はテールリスクと見なされた）。
  - 先進国の中央銀行はインフレ抑制と軟着陸の両立という複雑な任務に直面。
  - 1970年代の高インフレを前例として参照するが、現在は人口の高齢化が進んでいる点で状況が異なる。
- 公共財の悪化とパンデミック再発リスク：
  - 気候変動、生物多様性喪失、水不足、海洋汚染、宇宙空間の混雑、感染症拡大が同時並行で進行。
  - 次のパンデミックはいつ起きてもおかしくなく、致死率が高まる可能性もあると科学者が警鐘。
- エネルギーと移行のジレンマ：
  - 短期的に化石燃料（石炭を含む）への依存が続く可能性がある一方で、低炭素エネルギーへの長期移行努力を倍加させる必要がある。

### 社会的影響と発展途上国の脆弱性
- 食料、家畜飼料、肥料、エネルギーの価格高騰が貧困国に甚大な打撃。
- 発展途上国の財政余力は限られ、過剰債務の問題や社会サービス改善の停滞が懸念される。
- 教育の悪化：
  - コロナ禍以前でも低所得国・中所得国の児童は半数以上が基本的な読み書き能力を10歳までに習得できていなかったが、現在ではその割合が70%に膨れ上がったと推計。
  - 女児は学習機会を大幅に奪われ、多数が学校に戻れず、何百万人もの少女が早婚を強いられている。
- 潜在的帰結：若年層への永続的な傷跡、女性の地位悪化、内戦や国間紛争のリスク上昇。

### グローバル・コモンズと資金動員
- 公共財への長期かつ高額な投資の必要性：
  - 発展途上国：きれいな水や教師の訓練など。
  - 先進国：老朽化した物流インフラの刷新など。
- イノベーションの機会例：低炭素型建築材料、最先端バッテリーや水素電解槽、1回接種で複数病原体に対する免疫を獲得する混合ワクチン。
- 資金動員の規模と構成：
  - 世界で二酸化炭素排出量実質ゼロを実現するには、今後30年で100兆から150兆ドルの投資が必要と推計。
  - 年間で換算すると3兆から5兆ドルという費用水準に相当するとの試算。
  - 民間資本は豊富だが、公共部門がリスク分担と枠組み設計を行い、官民連携で動員する必要がある。
- 技術と時間軸：
  - 2030年までに排出量を大幅に削減するためには実証済みのクリーンエネルギー技術の迅速な展開と大規模インフラ投資の誘引が必須。
  - 2050年までの排出量実質ゼロ達成に必要な技術の約半分は未だ試作品段階にある。政府による研究開発支援とデモプロジェクトが必要。

### 多国間主義と制度改革
- 多国間主義の重要性：
  - 効果的な多国間主義なしには新時代の課題に対処できない。
  - 多様な意見の包摂、ネットワーク化、効果的成果による信頼獲得が必要（参照：国連「Our Common Agenda」）。
- 既存機関の見直しとネットワーク化：
  - 根本的に再構築したり全く新機関を創る必要はないが、既存機関の使命を新時代に合わせて見直し、ネットワーク化する新たなメカニズムが求められる。
- ブレトン・ウッズ機構（IMFと世界銀行）の役割再定義：
  - IMFと世界銀行は設立以来の使命を現代のグローバル・コモンズ悪化に即して再定義すべき。
  - IMFはより強力で効果的な国際金融セーフティネットを管理する権限を付与され、主要中央銀行のように安定確保で中心的役割を果たすべき。
  - 世界銀行は貧困緩和に加えグローバル・コモンズを使命の中心に据え、直接融資からリスク保証等を用いた民間資本動員へ大胆に舵を切るべき。
  - 両機関は債務持続可能性や調達に関するコア基準を策定し、取り組みの分断を解消すべき。
- デジタル公共財とオンライン規制：
  - デジタル格差解消のためのインフラと政策枠組み、デジタルリテラシー向上が必要。
  - インターネットを民主主義にとって安全な空間にするため、偽情報や組織的な不信の拡散に対するグローバルな規則・基準の整備が欠かせない。
  - 欧州連合のデジタルサービス法や英国、シンガポール、オーストラリアの取組みが前進の例。
  - サイバー攻撃と国際平和・安全への影響にも対処が必要。

### 政策提言と優先事項
- 危機認識と備えを公共政策の中核に据える（金融バッファー強化の教訓の適用）。
- グローバル・コモンズへの投資を「他国支援」ではなく「双方に利益をもたらす投資」と位置付ける。
- パンデミック準備資金の公平配分は、各国にとって手の届く範疇であり、協力による節減効果は数百分の一まで達する可能性がある（G20ハイレベル独立パネルの見解の引用）。
- 官民連携の強化：公共部門がリスクを分担し、民間資本を誘引するためのインセンティブと枠組みを整備する。
- 米中を含む主要国間で新たな戦略的理解を共有し、気候・パンデミック安全保障・平和・世界金融危機回避といった共通利益に沿った協力基盤を築く。
- 二極化の回避：多極化の進展に対応し、さらなる二極化と分断を回避することを最優先に据える。

*出典: ターマン・シャンムガラトナム、ファイナンス＆ディベロップメント、2022年6月*

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