## 信頼の基盤

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## Bibliographic details
- Authors: AGUSTIN CARSTENS, JON FROST, HYUN SONG SHIN
- Published: September 9, 2022

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### 概要
- 公開: 2022年9月
- 主題: デジタル革新（暗号通貨、DeFi）が通貨と決済を変容させる一方、構造的欠陥が存在するため、中央銀行が提供する「信頼の核」を基盤に、中央銀行デジタル通貨（CBDC）などの公共インフラを活用して豊かで多様な金融エコシステムを構築すべきであるという主張。
- キー概念: プログラマビリティ、コンポーザビリティ、トークン化。暗号資産は有用な技術要素を示したが、現状では社会に十分に資する通貨システムの要件を満たしていない。

### 暗号資産の構造的欠陥（主な所見）
- ノミナルアンカーの欠如
  - 多くの暗号資産は確固たるノミナルアンカーを欠く。
  - ステーブルコインは米国ドルなど主権通貨に対する価値維持を目指すが、安定的でない事例が顕在化している（例: 2022年5月の「テラ USD」の暴落、最大規模のステーブルコイン「テザー」の裏付け資産に関する疑念）。
  - ステーブルコインは中央銀行が提供する信頼を「借り入れ」ようとしている、すなわち中央銀行マネーが存在しなければ自らそれを生み出す必要がある。
- 断片化とスケーラビリティの問題
  - ブロックチェーンなどの自由参加型（Permissionless型）分散型台帳技術は需要増に適応可能だが、匿名バリデータへの手数料・利用料に依存することで取引混雑を招き、スケーラビリティを阻害する。
  - 例: イーサリアムのネットワークは取引限度に近づくと手数料が飛躍的に上がり、過去2年にわたりユーザーは他のブロックチェーンへ移行しDeFiの断片化が進行（図1参照）。
- ガバナンス・説明責任と市場インテグリティの欠如
  - 暗号資産は概して規制を受けていない部門であり、参加者は社会に対して説明責任を負わない。結果として不正行為、窃盗、詐欺が頻発し市場インテグリティに懸念を投げかけている。

### 中央銀行の役割 — 「木と森」の比喩（主張と機能）
- 中央銀行は通貨システムにおける信頼の核（頑丈な幹）を提供する唯一の立場。
  - 主権通貨の発行者としての役割。
  - 決済の最終段階のファイナリティを提供する務め。
  - 決済システムの円滑稼働および民間サービスの規制・監督を通じたインテグリティ保護の責任。
- 民間プロバイダーは枝に相当し、家計と企業へのサービス提供で競争する。
- グローバルには「健康な森」として国家間で連携する必要がある（図2参照）。

### CBDCと公共インフラ（政策的提案と実用例）
- ホールセール型CBDC（銀行および信用度が高い機関に限定）
  - 提供可能な技術力: プログラマビリティ、コンポーザビリティ、トークン化。
  - 実用例: トークン化された決済とトークン化された所有権移転を単一取引として同時決済するような不動産取引等。
- リテール型CBDC（家計・企業向けのデジタルキャッシュ）
  - 即時決済システムと共に運用することで、決済コスト低減と金融包摂を促進。
  - 実例: ブラジルの即時決済システム「ピックス」は、わずか1年でブラジルの成人の3分の2に普及。業者は平均して取引代金の0.2％の手数料を支払うが、これはクレジットカード決済にかかるコストの10分の1である。
  - 多くの中央銀行は銀行口座を持たない人により良いサービスを提供するため、包摂性あるリテール型CBDCの設計に取り組んでいる。
- クロスボーダー連携
  - 中央銀行は、銀行や決済サービスプロバイダーが複数通貨建ての中央銀行マネーで直接取引を実行できるよう、グローバルレベルで連携し各々のホールセール型CBDCを接続可能。
  - 実装手段: 信用度の高い当事者に限定される許可型（Permissioned型）分散台帳技術を用いることができる。
  - 実証: 国際決済銀行のイノベーションハブが10か国の中央銀行と連携して行った調査では、国境を超えた決済を迅速、低コスト、かつ透明性の高いものにすることが可能であると示された（移民の送金コスト低減、国境を超えたeコマースの活性化、グローバルバリューチェーン支援などの効果）。

### 結論と政策含意（要点）
- デジタル技術は通貨システムの明るい未来を約束するが、公共の信頼の核（中央銀行マネー）を活用することで、民間部門は最適な新技術を採り入れ豊かで多様な金融エコシステムを促進できる。
- 公益を優先する中央銀行の役割を維持しつつ、ユーザーのニーズを民間イノベーションの最重要要素とすべきである。
- 必要なインフラ: ホールセール、リテール、クロスボーダーレベルでの新たな公共インフラの整備。

*出典: ファイナンス＆ディベロップメント（2022年9月）「信頼の基盤」*

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