## 無リスク資本主義

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## Bibliographic details
- Authors: RAGHURAM RAJAN, LUIGI ZINGALES
- Published: June 13, 2023

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### 中核的主張と事件の要点
- アメリカ政府がシリコンバレー銀行（SVB）の保険対象外預金を保護した決定は、自由市場の規律を損なう可能性がある。
- 救済の主張は、25万ドルを超える預金が保険対象外であると周知されていたとしても、保護されていなければパニックが銀行システム全体に波及しただろうという点に基づく。
- 一方で、常に大口預金者が金融安定の名目で保護されるなら、彼らが保険料を負担しないことは不公平であるとの批判。
- 企業は、当座預金に必要最低限の資金を置き、流動性の高いマネー・マーケット・ファンド（MMF）などで余剰資金を管理することでリスクを軽減可能であったが、多くの企業が初歩的なリスク管理を実践していなかった。
- 事例：ストリーミング機器メーカーのロク社は、SVBに4億5,000万ドル超を預金していた。

### 救済の代替策とその影響
- ヘアカットの実施も可能であり、過去のFDICの介入事例に基づけば、保険対象外の預金者が被った損失は預金残高の約10％であったと推定される。
- ヘアカットを行い、必要ならば政府が包括的な暗黙の保証を後で発表すれば、FDICは200億ドルを節約し、リスクを取った者の一部が責任を負う原則を維持できた可能性がある。
- 現実には救済が行われ、SVBの株主は損失を被り、経営陣は解任されたが、大口預金者は政府によるルール変更で恩恵を受けた。

### 政治的影響力と既得権益
- 政府の決定は大規模なロビイングの影響を受けた。ベンチャーキャピタリストやヘッジファンドの声、政治家の支持が救済の追い風となった。
- 本件は、シカゴ学派的主張と矛盾を浮き彫りにする。市場の機能には明確で執行可能な財産権が必要とされる一方、規制は既得権益によって取り込まれやすい。
- 2019年のルール変更によりSVBのような銀行に対して業務の透明性低下と検査緩和を容認したことがFRBの事後検証報告書で認められている。
- 影響力の理解に基づき、企業の政治力を制限するために政治的影響力に基づいたより良い指標の開発が必要とされる。

### 資本主義の脆弱性と防衛すべき条件（著者が同書で特定した4つの条件）
- 第1の条件：非常に強力な既存企業が存在してはならない。各企業の力はあまり大きくないこと。
- 第2の条件：効果的な福祉制度。倒産による調整コストを緩和する明示的なセーフティネットが必要である。
- 第3の条件：既存企業を、非効率な企業を保護しない他国の企業と競争させることにより力を低下させる。国内市場の開放を維持すること。
- 第4の条件：自由で競争的な市場が不可欠であることについて一般の人々を説得すること。

### 現状評価と懸念
- 2008年以降の大規模な銀行救済やパンデミック時の給付は、周期的な銀行救済を不可避と見なす風潮を育んだ。
- 国際競争が弱まると、規制取込や縁故主義（クローニズム）を助長し、既得権益による非効率が固定化される恐れがある。
- 有権者が資本主義の利益配分に不満を持ち、競争（特に国境を越えた競争）を不公正と見なすことが、救済回避を困難にしている。
- SVBはアメリカで16番目に大きい銀行であったが、その顧客には強力な政治的つながりを持つベンチャーキャピタリストや企業が含まれていた。

### 政策含意と推奨
- 保険対象外預金者の行動が市場規律として機能するようにするため、安易な救済はモラルハザードを強化しうる。
- 救済を行う場合でも、ヘアカットや後日の包括的保証発表などによりリスク負担の一部を維持する設計が望ましい。
- 明示的なセーフティネットを整備し、個人への直接支援で政治的圧力を弱めることで企業救済の常態化を防ぐ。
- 国際競争の維持・促進により、既存企業の立法影響力を弱め、非効率な保護を防ぐ。
- 企業の政治力を評価・制限するための新たな指標の開発が必要である。

*出典: ラグラム・ラジャン, ルイジ・ジンガレス「無リスク資本主義」, ファイナンス＆ディベロップメント, 2023年6月*

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