各国は地球温暖化と同時に債務を抑えよ
IMF Blog, October 2, 2023
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- 各国は地球温暖化と同時に債務を抑えよ
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- Authors: Era Dabla-Norris, Ruud de Mooij, Raphael Lam, Christine Richmond
- Published: October 2, 2023
概要と課題認識
- 地球温暖化を食い止めるチャンスが急激に縮小している中で、多くの国が排出量削減の政策を追求している。
- 一部の国では、再生可能エネルギーへの公共投資や補助金を拡大するなど、歳出措置に大きく依存しているが、これらは大きな財政コストを伴う場合がある。
- 政府は「気候変動対策の目標」、「財政の持続可能性」、そして「政策の実現可能性」という政策上のトリレンマに直面している。
主要な所見(財政への影響)
- 気候変動対策の目標を達成するために歳出措置へ大きく依存し、その規模を拡大すると、2050年までに債務が対GDP比で45%から50%増大する可能性がある。
- 追加の歳入措置または歳出措置を講じない限り、先進国の公的債務は2050年までに対GDP比で10%から15%増加することが分かっている。
- カーボンプライシングを見合わせれば高いコストが生じ、1年遅れる毎に、公的債務が対GDP比で0.8%から2.0%増大する。
- 新興市場国における債務の増加幅は先進国と同程度になる見込みだが、歳入・歳出措置の寄与度が著しく異なる。
政策上の示唆(緩和策の最適組合せ)
- 単独の措置で気候目標を達成できるものは存在しない。カーボンプライシングは必要だが必ずしも十分ではない。
- 成功事例として、チリ、シンガポール、スウェーデンなどが挙げられる。カーボンプライシング計画を既に実施しているのは約50か国であり、導入を検討中の国は20か国を超える。
- カーボンプライシングを不可欠な要素としつつ、これを補完する他の緩和ツールを活用することが求められる(市場の失敗への対処、低炭素技術の革新と展開の促進)。
- 国際的な炭素価格の下限を設定し、関連する炭素収入の一部をグリーン移行を円滑化するために各国間で分配することが提案されている。
- 公平な移行のため、脆弱な世帯や労働者、コミュニティへの強固な給付措置が必要である。
財政運営と能力強化の方策
- 政府は歳出を効率化する必要がある。
- 課税ベースの拡大や財政機関の改善を通じて税収入を増やす能力を築くことが重要である。
- 気候対策の歳入政策と歳出政策を適切に組み合わせて優先付けることで、気候目標を達成しつつ財政コストを抑えられる可能性がある。
民間部門と国際的協調の役割
- 気候ファイナンスのニーズの大部分は民間部門が満たす必要がある。
- ドイツと米国の調査によれば、企業は2022年のエネルギー価格急騰に際して強靭性を発揮し、生産と雇用への影響は限定的だった。多くの場合、企業はエネルギー使用量を削減し、エネルギー効率に投資することで適応した。
- 新興市場国・開発途上国には、グリーン移行を支援する譲許的融資、知識の移転、定評のある低炭素技術の共有化が求められる。
- IMFの「強靭性・持続可能性トラスト」は経済の強靭性を強化し、改革を支援するための長期融資を提供している。
- 各国政府は、ナイロビ宣言やアフリカ連合のG20加盟など最近の声明の勢いを利用し、国際的な炭素価格の下限に関する現実的な取り決めを推し進め、開発途上国を支援すべきである。
出典: IMF ウェブページ「各国は地球温暖化と同時に債務を抑えよ」