ウクライナ経済が戦争をどのように切り抜けているか
IMF News, December 20, 2022
Source details
- Canonical URL
- ウクライナ経済が戦争をどのように切り抜けているか
Other formats
Bibliographic details
- Published: December 20, 2022
戦争の経済的影響と回復力
- ロシアの侵攻でウクライナは多大な人的および経済的被害を受けた。
- 「われわれの推定によると、ウクライナは2022年にGDPの少なくとも3分の1を失う」との見解。
- 避難民の中には戻ってきた者もいるなど、ウクライナ人と企業は「本格的な戦争の当初のショックからすぐに持ち直し始めた」。
- 「ウクライナ経済は戦争に適応した。ウクライナ軍の支援に焦点を当てた新しい部門が生まれた。」
銀行システムの強靭性と対策
- 「銀行システムは強靭であり、...戦争が始まって以降、機能が制約されたことはない。」
- 危機対応として実施した措置:
- 資本の流出を食い止める措置。
- 固定為替制度の導入。
- その他の必要な措置。
- ほぼすべての銀行が業務を遂行し続けたため、資金調達と資本注入が可能となり、「政府は税収があり、社会保障の支払いをし、国際的な援助があり、軍隊を支援するために何十億グリブナと調達することができる。」
- 現在の優先プロジェクト:
- 銀行部門への電力供給確保。
- 「200の市や村にある1,000を超える支店のネットワーク」をシステム的に機能させるためのバックアップ電力、インターネット接続、キャッシュ供給などの運用ソリューションを開発。
- 停電時に携帯電話充電、暖を取る、温かい食事の提供、ATMを含む銀行サービスを提供する特別な拠点の設置。
- 店やガソリンスタンドの大規模なネットワークと協力して市民の現金アクセスを確保。
- 中長期での金融安定化作業:
- 診断とストレステストによる銀行評価を実施。
- 危機時に導入した規制(資本フローなどの経営上の制限)を、経済回復に応じて見直し、市場原理への回帰を目指す。
エネルギーインフラへの攻撃(エネルギーテロ)と対応
- 10月以降、エネルギーテロが悪化し、「ロケットやミサイル攻撃の波が9回発生」し、主要インフラが破壊された。
- これらの攻撃は「意図的なエネルギーテロ」であり、国民を寒さと暗闇に陥れる目的を持つ。
- NBUは「銀行ネットワークが機能し続けることに注力」しており、電力供給を最重要プロジェクトとしている。
IMFとの監視プログラム(PMB)と資金調達戦略
- IMFの「理事会が関与する監視プログラム(PMB)」に合意。
- PMBの意義:
- ウクライナの改革への志と準備態勢を示す重要な一歩。
- 「NBU」と「財務省」の間で財政、金融、その他の政策を調整し相互作用を促進する機会。
- 国際的なパートナーからの資金調達を可能にする重要な要素の一つとなる見込み。
- 予算資金調達の目標と合意事項:
- ウクライナは「少なくとも380億ドルという莫大な予算ニーズを外部資金で賄わなければならない」。
- 「中央銀行が来年の赤字を賄う資金調達を行わないことで合意」しており、これはマクロ経済の安定を守るため。
- ウクライナ政府、財務省、NBUは「ドナー連合や国内債券市場との協力、そしてIMFの支援を通じて予算を賄う予定」。
- PMBは「来春期待している高次クレジット・トランシュへの第一歩」となることが期待されている。
NBU総裁の個人的経験とリーダーシップ
- アンドリー・ピシュニー総裁就任に関する時間軸:
- 「総裁に就任して10週間」が経過した時点での発言。
- IMFとの交渉では「この2か月間の非常に困難な期間中、IMFチームが専門性を活かし集中的に取り組んでいる」ことに感謝。
- 聴覚障害に関する言及:
- 数年前に聴力を失い始めて以来、聴覚障害のあるウクライナ人の権利擁護者となった。
- 聴覚障害についての自己評価:「いかなる能力の喪失も、利点とは言い難いが、同時に自身の新しい部分を開拓することができる。...重点を絞り集中力を強化することができたと思う。」
- 中央銀行の「沈黙期間」概念と個人的利点について言及。
出典: ウクライナ経済が戦争をどのように切り抜けているか(2022年12月20日)