「IMFアジア太平洋地域経済見通し」シンガポールでの公表記者会見の冒頭あいさつ
IMF News, April 30, 2024
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- Published: April 30, 2024
要旨
- アジア太平洋地域は、強靭な経済成長と急速なディスインフレが合わさっていることが特徴的である。
- 成長率は、前回予測から上方改定されたものの、2023年の5%から2024年には4.5%へ減速する。アジア太平洋地域は世界最大の活力を維持し、世界経済成長の約60%が同地域の貢献によるものである。
成長の原動力
- ASEAN諸国の大半:底堅い国内消費が原動力。
- 中国や特にインド:強力な公的投資が原動力。
- 太平洋島嶼国:観光業の急激な増加が原動力。
インフレとデフレリスク
- 域内全域でディスインフレが進行しているが、その速度は一様ではない。
- 国別状況:
- オーストラリアやニュージーランド:インフレ率が目標を上回っている国がある。
- 新興市場国や日本:インフレ率が中央銀行の目標値に近い水準にある国がある。
- 中国やタイ:デフレリスクがある国がある。
中国のリスクと地域への波及
- 中国は上振れと下振れリスク両方の源である。
- 不動産部門のストレスに対処し、内需を喚起することを目的とした政策は、中国および地域全体に役立つだろう。
- しかし、過剰な生産能力を助長する部門別の政策は、中国および地域全体にとって痛手となる。
- 地経学的分断化は依然として重大なリスクである。
金融政策・為替政策上の含意
- アジアの中央銀行は、国内の物価安定にしっかり注力し続けるべきである。
- 米連邦準備制度の金利面での行動が予期される中、自国の政策決定が過剰に依存することを避けなければならない。
- アジア諸国は、為替レートの変動に以前よりも対処できる体制が整っており(金融摩擦の減少、マクロファンダメンタルズと制度的枠組みの改善)、為替レートがショックに対するバッファーとして機能し続けることを許容すべきである。
財政政策と金融監督
- 財政再建の進展は、高債務の利払い負担を軽減し、中期的な構造課題に対処するために必要となる財政余地を再構築すべく、喫緊の優先事項である。
- 金融政策引き締めの企業や家計のバランスシートへの影響に関連するリスクの蓄積に対し、監督当局は今後も目を光らせるべきだ。
産業政策のリスク
- アジア太平洋地域および世界全体で増えてきている産業政策は、分断化を助長する恐れのある貿易の歪みなど、意図せざる結果をもたらす可能性がある。
クリシュナ・スリニバーサン、アジア太平洋局長、シンガポール、2024年4月30日