底堅さ増す回復
World Economic Outlook, July 2017
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- Published: July 19, 2017
世界見通しの概要
- 世界産出の成長率は2017年が3.5パーセント、2018年は3.6%と見込まれている(世界全体の成長見通しに変更は無かったが、各国の寄与度はいくぶん異なる)。
- 2016年の世界経済成長率は現在は3.2パーセントと推定される。
- 世界全体の成長は金融危機前の平均を下回っており、多くの先進国・地域や一次産品輸出国の新興国・地域および途上国・地域で同様である。
循環と高頻度指標
- 循環的な景気回復が続いている。
- 2017年第1四半期の成長率はブラジル、中国、メキシコなどの大きな新興国・地域やカナダ、フランス、ドイツ、イタリア、スペインなど一部の先進国・地域で4月のWEOの予測値を上回った。
- 世界貿易と鉱工業生産の伸びは2016年終わりと2017年初めの非常に速いペースから鈍化したが、依然として2015年と2016年の水準を大幅に上回っている。
- 購買担当者指数(PMI)は製造業およびサービス業ともに堅調維持を示唆している。
一次産品とインフレ、金融市場
- 原油価格はアメリカの高止まりする在庫と供給の増加を反映して下落している。
- 消費者物価指数は2016年後半の一次産品価格高騰の影響が薄らぎ、総じて低下。大半の先進国・地域では中央銀行の目標を大幅に下回っている。コア・インフレは概して安定。
- 先進国・地域における長期債利回りは3月以降低下していたが、6月下旬から7月上旬にかけて反発。
- 米連邦準備理事会(FRB)は6月に短期金利を引き上げたが、市場は依然としてアメリカの金融政策正常化が非常に緩やかな道のりと見ている。
- ユーロ圏国債スプレッドは選挙不確実性の低下と景気回復で大幅に縮小。
- 6月末時点で、米ドルの実質実効レートは3月以来約3.5パーセント下落。
国別・地域別の主要見通し
- 世界(2017年): 3.5パーセント(2016年は3.2パーセント)
- 世界(2018年): 3.6%
- 先進国・地域(2017年): 2パーセント
- 先進国・地域(2018年): 1.9パーセント(2017年4月のWEOより0.1パーセントポイント低い)
- 新興国・地域および途上国・地域(2017年): 4.6パーセント
- 新興国・地域および途上国・地域(2018年): 4.8パーセント
- 中国: 2017年は6.7パーセント、2018年は6.4パーセント(2017年の予想は0.1パーセントポイント上方修正、2018年は0.2パーセントポイント上昇修正)
- インド: 2016年の成長率は7.1パーセント(2017年4月予測と変わらず2017年と2018年にさらに加速すると予想)
- アメリカ: 2017年は2.3パーセントから2.1パーセントへ、2018年は2.5パーセントから2.1パーセントへ下方修正
- カナダ: 2017年第1四半期の成長率は3.7パーセント(これを受け2017年の成長予測を上方修正)
- メキシコ: 2017年の成長予測は1.7パーセントから1.9パーセントへ上方修正
- ブラジル: 2017年は第1四半期の堅調を反映して上方修正、2018年は下方修正
- サハラ以南アフリカ: 2017年と2018年に成長率は上昇する見込みだが、この地域の一人当たりGDPは2017年にかろうじてプラス成長に回復し、地域の3分の1の国々はマイナス成長にとどまる見込み
リスク(短期・中期・下振れ要因)
- 短期のリスクは概ね均衡しているが、中期的には下振れに傾いている。
- 上振れリスク:
- ユーロ圏で政治リスクの低下に伴う景気循環的な回復のさらなる持続性。
- アメリカでの財政刺激策導入が国内需要と生産をベースライン以上に押し上げる可能性。
- 下振れリスク:
- 政策の不透明感が長引き、市場バリュエーションや非常に低いボラティリティーを背景にした市場調整の可能性。
- 中国のさらなる支援的政策への傾倒が中期的な成長の下振れリスクを高める(信用伸びが力強い中)。
- 予想より急速な金融政策正常化が世界金融環境を引き締め、新興国・地域への資本フローを逆転させる可能性。
- 一次産品価格の下落が一次産品輸出国のマクロ調整を一層複雑にする。
- その他の顕著なリスク:
- 政策をめぐる不確実性の長期化(例: アメリカの規制・財政政策、イギリスのEU離脱交渉)。
- 金融不安(中国の信用急増抑制の失敗、先進国の銀行脆弱性、金融規制緩和のリスク)。
- 内向きの政策(保護主義の台頭)が世界供給チェーンと生産性に悪影響を与えること。
- 地政学的緊張、国内政治不和、ガバナンスや汚職に起因するショック。
政策的含意と推奨
- モメンタムの強化:
- 各国は景気局面に応じて異なる金融・財政政策スタンスを採るべき。
- 需要が弱くインフレが過度に低い先進国・地域では金融と(実行可能な範囲での)財政支援を継続すべき。
- 他国では金融政策を緩やかに正常化し、財政は潜在供給力拡大を支援する改革に集中すべき。
- 財政再建が必要な国は成長に配慮した措置を実施すべき。
- 新興国・地域は為替レートが緩衝機能を果たすことを許容すべき。
- 力強くバランスのとれた成長の実現:
- 民間セクターのバランスシート修復と公的債務の持続性確保が重要。
- 黒字国と赤字国は過剰な経常収支不均衡を是正すべき。
- 高度かつ包摂的な長期成長:
- 生産性向上と投資促進のための順序立てられた構造改革、労働参加におけるジェンダーギャップ縮小、技術変化や貿易で打撃を受けた人々への積極的支援が必要。
- 低所得・途上諸国への指針:
- 一次産品輸出国はマクロ不均衡是正に向けた相当の調整が必要。
- 成長が堅調な時に財政基盤を強化し、外貨準備を積み増して将来のショック耐性を高めるべき。
- 国際協力と多国間主義:
- 円滑に機能するマルチラテラルな枠組みが重要であり、ゼロサム政策追求は避けるべき。
- ルールに基づく貿易システムの維持と、変化に適応するための国際的な対話と協力が必要。
出典: https://www.imf.org/ja/publications/weo/issues/2017/07/07/world-economic-outlook-update-july-2017
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- 回復は底堅い
- 世界経済見通し改訂見通し(2017年7月) - 底堅さ増す回復