コロナウイルス感染症流行の潜在的影響 今わかっていること、できること
IMF Blog, March 10, 2020
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- コロナウイルス感染症流行の潜在的影響 今わかっていること、できること
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- Authors: Kristalina Georgieva
- Published: March 10, 2020
わかっていること(主要所見)
- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は急速に流行している。
- IMF加盟国の3分の1以上が直接影響を受けており、この感染症は地域限定の問題ではなく全世界的な問題である。
- 事態はやがて沈静化するが、どれだけ早く沈静化するかは不明である。
- ショックの性格:
- 供給面:感染者と死者の発生による混乱、封じ込め努力による移動制限、サプライチェーンの制約、融資の引き締めによる事業コスト増加が供給の乱れをもたらす。
- 需要面:不確実性の高まり、予防的行動の増加、封じ込め努力、金融コスト増加による支出能力の低下が需要を落ち込ませる。
- 影響は国境を越えて波及する。
- 経済損失の構成(これまでの経験に基づく見積り):
- 約3分の1が人命喪失、職場閉鎖、検疫などの直接的コスト。
- 残り3分の2が消費者心理の冷え込み、企業活動の収縮、金融市場のタイト化などの間接的コスト。
- ポジティブな点:世界金融危機前と比べ金融システムの耐性が高まっている。
- 最大の課題は不確実性への対処である。
- 2020年の世界経済成長率は昨年のレベルを下回る見込みだが、どれほど下回るか、どれだけ長期化するかは予測困難であり、感染の広がりと対策の適時性・有効性に依存する。
- 医療体制や危機対応能力が弱い国々では対応がより困難であり、需給回復を加速させるための国際的連携メカニズムが求められる。
国レベルでの対応(優先順位と措置)
- 最優先事項(1番目):
- 最前線の医療関連支出を確保して人々の健康と安心を守り、病人を看護し、ウイルスの感染拡大を減速させること。
- 医療関連措置強化の緊急性と、医療用品を確実に生産して需給を釣り合わせる必要性の強調。
- 2番目の優先事項:
- マクロ金融政策措置を講じて需給ショックに対処する可能性。
- 目指すべきは、経済的影響を短期化し軽減するための悔いの残らない措置。
- 措置は適切なタイミングで行い、最も深刻な影響を受けている産業・企業・世帯に対象を絞るべき。
- 需要が全般的に落ち込む場合は、追加の政策対応で需要を下支えし、十分な信用供給を確保することが求められる。
- 第3の優先事項:
- 金融安定性リスクを相殺するために十分な流動性を確保すること。
- 全体方針:
- 状況は急速に変化しており、必要に応じてより強力で連携した対応を取る準備が必要。
- G7からは適時性と有効性を備えた措置を講じるためのさらなる協調の用意に関する声明が出された。
IMFの支援(手段と資金規模)
- IMFは加盟国支援の体制を整備している。
- 用意している融資・支援額:
- 迅速な支払いが可能な緊急融資制度の下で、約500億ドルの融資を用意。
- そのうち100億ドルは、ラピッド・クレジット・ファシリティ(RCF)を通じて、最も貧しい加盟国向けに無利子の融資として用意。
- 脆弱性の高い加盟国に関する懸念:
- 医療体制整備が進んでいない、政策余地が不十分、交易条件ショックにさらされる一次産品輸出国、その他波及効果に特に脆弱な加盟国が多数存在。
- 脆弱な国々では、ウイルスの経済コストや人的コストの増加により資金調達ニーズが急速に高まる可能性がある。
- IMF職員は脆弱な国を特定し、状況悪化時の資金調達ニーズを試算中である。
- IMFの総融資力と追加手段:
- 加盟国からの協力により、IMFは合計で約1兆ドルの融資力を有している。
- 低所得国向けには、最大で100億ドル(適格加盟国クォータの50%)の緊急融資の用意があり、この融資は迅速に提供でき、完全なIMF融資プログラムの設定なしに利用可能。
- 他の加盟国は、ラピッド・ファイナンシング・インストルメント(RFI)を通じて、約400億ドルの緊急融資を利用可能。
- 大災害抑制・救済基金(CCRT)は、支払期限がきた対IMF債務を救済するための贈与を一括で提供する用意がある。
- CCRTの資金状況:
- 2014年のエボラ出血熱流行時に効果が示されたが、10億ドルを超える資金が必要となる可能性がある中、提供可能額はわずか2億ドル強であり、CCRTは現在資金不足の状態である。
- IMFはCCRTへの完全な資金補充を加盟国に求めている。
- 総括:
- IMFは加盟国、特に最も脆弱な国々の支援に全力を尽くす意向であり、支援のためのツールを有しており、パートナー機関と緊密に連携している。
出典: コロナウイルス感染症流行の潜在的影響 今わかっていること、できること