短期流動性枠の新設 この危機におけるIMFの新しい支援ツール
IMF Blog, April 23, 2020
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- 短期流動性枠の新設 この危機におけるIMFの新しい支援ツール
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- Authors: Geoffrey Okamoto
- Published: April 23, 2020
新興市場国にとって試練の時 - 課題の整理
- コロナウイルスの世界的流行により、世界中で金融環境が劇的に引き締まっている。
- 新興市場国からは証券投資資金が前例を見ない規模(史上最大の約1,000億ドル)とスピードで流出している。
- 市場が実質、凍結状態に陥った国もある。
- 米ドル資金の需要が大きく増加し、新興市場国が急激な流動性不足に直面している。
- 主要な中央銀行がスワップラインを拡大し、ニューヨーク連邦準備銀行のレポ制度もドル流動性を供給しているが、すべての国に対応できるわけではない。
- 多くのIMF加盟の新興市場国で流動性が不足しており、スワップラインの期間終了後もしばらくは資本フローの突然の停止リスクに直面する国が多い。
- 国際金融のセーフティネットに重要な隙間が生じていることが明らかになっている。
流動性の安全策としての短期流動性枠(SLL) - 概要と設計
- IMFは短期流動性枠(SLL)という新しい融資制度を設けた。IMFの融資制度に新しい仕組みが加えられたのは、ほぼ10年ぶりである。
- SLLは信頼でき、更新可能な信用枠を事後のコンディショナリティなしで提供する。
- 対象は非常に強固なファンダメンタルズと政策枠組みを備えたIMF加盟国で、フレキシブル・クレジットライン(FCL)と同じ適格条件が適用される。
- SLLは国際収支上の特別なニーズに対応するために設計され、外的ショックの後に大規模ではない短期的かつ潜在的なニーズが資本収支の圧力に反映されている場合を想定している。
市場シグナルと期待される効果
- SLLを設定した国は、自国の強固な政策枠組みと制度をIMFが認めたというシグナルを市場に発することになる。
- SLLの設定は借入コストを低下させる可能性があり、ボラティリティが高い時に貴重な助けとなる。
- SLLは将来的な借入ニーズを減らす効果が期待される。流動性の小さな問題をより大きな問題に発展する前に解決できるためである。
- IMFは複数の国々が必要とするSLLの合計が500億ドルほどになると試算している。これは、IMFの融資財源1兆ドルのうちごくわずかな割合に相当する。
革新的な設計と低コスト - 仕組みの詳細
- SLLはリボルビング式での融資が可能で、12か月の間、借り入れと返済を繰り返すことができる。
- 利用のされ方は従来型の融資とは異なり、いくつかの点でクレジットカードのような機能を持つ(一定上限まで引き出し、借りた分を返済)。
- SLLは設定後、国が適格条件を満たし国際収支上の特別なニーズを抱え続ける限り、後継の取極が締結されうる点で更新可能である。
- 料金体系は8ベーシスポイントで、例として10億ドルの与信枠の設定に80万ドルの料金がかかる。
- 比較例:200億ドルの公的債務を抱える適格国がSLLを活用して借入コストを1ベーシスポイント下げられるなら、その国は200万ドルを節約できる。
- 現在の危機において、この200万ドルは債務返済ではなく、重要な医療や社会セーフティネットのニーズに充てる方が望ましい可能性がある。
国際協力と制度的意義
- SLLの創設は、他の流動性枠の活用が常にできるわけではない国々を支援するIMFの強い意志を示す。
- 緊急融資制度の強化や加盟国中の最貧国への債務救済を提供するためのIMFの改革を補完するものである。
- IMF理事会はSLL創設の提案について一致団結し、数日の間に承認を行った。
- この行動は、新型コロナウイルス流行の経済的影響と戦っている国々のニーズにこたえる上で、果断な国際的対応の重要性を示している。
出典: 短期流動性枠の新設 この危機におけるIMFの新しい支援ツール (IMF ブログ ページ)