新型コロナウイルスと腐敗
IMF Blog, July 29, 2020
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- 新型コロナウイルスと腐敗
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- Authors: Vitor Gaspar, Martin Mhleisen, Rhoda Weeks-Brown
- Published: July 29, 2020
パンデミック下の腐敗リスク(要点)
- 腐敗は私的利益のための公職乱用であり、社会契約を損ない、政府の能力を弱める。
- パンデミックによってガバナンス強化の重要性が高まっている。理由は次の「3つの理由」に集約される。
- 第一に、政府の役割拡大に伴い腐敗の機会が増える。対策として、タイムリーかつ透明な報告、事後的な監査・説明責任の手続き、市民社会および民間部門との緊密な協力が必要。
- 第二に、財政の悪化に伴い、脱税や公的支出における資金の浪費・喪失を防止する必要がある。
- 第三に、危機は政府や制度に対する信頼を試す。腐敗の証拠は、危機対応能力を損ない、経済的影響の深刻化や政治的・社会的結束の喪失を招く恐れがある。
IMFのメッセージと融資条件
- IMFの基本的メッセージ: 「必要な支出はすべて行うべきだが領収書はとっておくように」。
- 緊急融資について:
- 喫緊のニーズに応えるべく迅速に融資を実行している一方で、緊急融資は新型コロナ関連支出を追跡するためのガバナンス強化措置がセットとなっている。
- 借入国は以下を約束している:
- (1)危機関連支出の独立的な事後監査を実施・公表すること。
- (2)受注企業およびその実質的所有者に関する情報を含め危機関連の調達契約を政府ウェブサイト上で公表すること。
- IMFでは、緊急資金がIMFのセーフガード評価の対象となるようにしている。
IMFのガバナンス重視の取り組みと評価(進展)
- ガバナンスと腐敗に対するIMFの注力は近年強化されている。
- 2018年に、IMFの各国との業務をより率直で、公平で、有効なものとするための強化された枠組みを採択した。
- 枠組み採択以降の18か月間で、IMF職員の報告書におけるガバナンス関連の言及は2017年と比べて倍以上となった。
- 2019年、IMFはそれまでの10年間の平均と比べて4倍の頻度で各国とガバナンスについての議論を行った。
- 具体事例:
- サーベイランスでリベリアの中央銀行のガバナンス、モルドバの金融セクター監督、メキシコの腐敗防止枠組みに焦点が当てられた。
- IMF職員は、ガバナンスと腐敗防止に関してより具体的な勧告を行っている。
- IMF支援の融資プログラムには、ガバナンス・腐敗防止改革に関する特定のコンディショナリティが付され、多くのプログラムでガバナンス向上が中核的な目標のひとつとなっている。
技術支援、診断、国際的評価
- 技術支援と研修の拡充分野:
- 税務行政、支出管理、財政透明性、金融セクター監督、腐敗防止制度、政府幹部職員の資産申告など。
- ガバナンス診断:
- 12か国を対象としたガバナンス診断の訪問団派遣を含め、法的枠組みに基づいてガバナンス上の弱点の詳細な分析を行い、優先順位を付した解決策を提案している。
- 任意評価の実施状況:
- オーストリア、カナダ、チェコ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、スイス、英国、米国の先進国10か国が、自国内の腐敗機会を制限する枠組みについて任意の評価を受けている。
- 本評価では以下の2点の実行度合いを測定することを目的としている:
- (1)外国公務員に対する贈賄の犯罪化と訴追。
- (2)外国公務員が腐敗によって取得した利益を自国の金融システムあるいは国内経済の中に隠蔽することの防止。
- IMFは加盟国に対して、年次の経済健全性診断の一部としてこうした点を任意で含めるよう強く促している。
要求される行動と政策的示唆
- 腐敗抑制に必要な要素:
- 政府の主体性、国際協調、市民社会や民間部門との共同の取り組み。
- 政治的意思と長期にわたる粘り強い改革の実行。
- 危機下・危機後の優先事項:
- パンデミックにより資源の浪費を許す余裕はなく、腐敗防止改革を進める適切な時期は「今」であるとの強調。
著者と専門的背景(執筆者紹介)
- ヴィトール・ガスパール
- ポルトガル国籍。IMF財政局長。ポルトガル銀行で特別顧問など歴任。2011~2013年にポルトガル政府の財務大臣。2007~2010年に欧州委員会の欧州政策顧問局長、1998~2004年に欧州中央銀行の調査局長を務めた。ノーバ・デ・リスボン大学で経済学博士号とポスト・ドクター学位を取得。ポルトガル・カトリカ大学でも学んだ。
- マーティン・ミューライゼン
- IMFの戦略政策審査局長。IMFの戦略的方向性と方針の設計・実行・評価を主導。G20や国際連合など国際機関との関係を統括。
- ローダ・ウィークス・ブラウン
- IMFの法律顧問兼法律局長。融資、規制、提言機能を含めIMF業務の法務的側面に関して助言。ハワード大学で経済学士号(最優等)、ハーバード大学ロースクールで法務博士号を取得。過去にIMFコミュニケーション局の副局長を歴任し、国際的な広報・法律分野での業務に従事。
出典: IMF ブログ記事「新型コロナウイルスと腐敗」
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