パンデミックとその先に向けたIMF融資
IMF Blog, September 18, 2020
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- パンデミックとその先に向けたIMF融資
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- Authors: Robert Gregory, Huidan Lin, Martin Mhleisen
- Published: September 18, 2020
概要
- 新型コロナウイルスがもたらした未曾有の不確実性と経済への深刻な影響を受けて、IMFは状況に応じた変更を融資制度に加え続けている。
- IMFは現実的な目標を立て、各プログラムの信頼性を維持し、各国の主体性を促すことを目指している。
- 約80か国に対して資金面での支援を行っている(主に緊急融資と予防的融資ツールを通じて)。
- 30を超える国々が金融セーフティーネットを再構築しパンデミックの余波に対処する上で、IMF支援プログラムに関心を示している。
- 今回のパンデミックは「100年に一度」の規模と表現される。
マクロ経済の安定化(当面の焦点)
- 支出の優先順位付けを重視:
- 保健医療などの社会的支出の優先化。
- 最も影響を受けている企業・世帯に対する流動性支援と所得支援。
- 金融政策:
- インフレリスクに注意しつつ可能な限り緩和すべき。
- 金融セクター政策:
- 健全なバランスシートを維持しつつ信用収縮の回避を追求。
- 伝統的政策だけでは不十分な場合がある:
- 既存の規制枠組みに組み込まれた柔軟性を最大限に利用する可能性。
- 非伝統的金融政策をさらに活用する余地。
- 一方で財政ファイナンスのような措置は、政策決定と制度構築で得られた前進を台無しにする恐れがある。
- プログラムのモニタリングにおける重点の変化:
- 緊急融資を対象にするものも含め、中央政府の借入といった従来の具体的で測定可能な条件よりも、支出措置の質とガバナンスにより大きな重点を置いている。
- 理由:
- 新型コロナ流行によるかつてない不確実性のため、経済政策の立案が以前より難しく、目標設定が急速に陳腐化する恐れがある。
不確実性への対処
- プログラムとサーベイランス(政策監視)における継続的な協議:
- 各国当局とIMF職員が定期的に悪化シナリオと適切な政策対応について話し合うことが重要。
- 債務リスクと措置:
- 債務水準の上昇に伴い、過剰債務に脆弱な国が増えている。
- 債務持続可能性が不透明な場合、債務処理の必要性や範囲が明確化するまでは政府債務の償還期限を延長することが有用となりうる。
- 償還期限の延長は格付け引き下げやクレジットイベント認定といったコストを伴うが、市場アクセス喪失の根本的問題を解決することで最終的に投資家にとって利益となりうる。
- 償還期限の延長は重要な財源を解放し、外貨準備への圧力を軽減することにより、緊縮や金融引き締めの必要性を低下させる可能性がある。
- 予防的融資ツールの役割:
- 多くの国はIMFから融資を受けずに対応可能かもしれないが、不測のショックに対する保険を必要とする可能性がある。
- そうした国々に対して、IMFの予防的融資ツールは低コストで市場アクセスを改善する魅力的なオプションとなる。
- 状況改善に応じて、これらツールの活用を段階的に減らすことができる。例として、フレキシブル・クレジットライン利用中の国は短期流動性枠へ移行することが可能。
「ニューノーマル」に向けた構造調整の支援
- 融資の段階的シフト:
- 不確実性の後退に伴い、政策余地を回復し債務脆弱性を低減させるべく、IMFの融資は徐々にシフトする。
- 成長を促進する改革への重点移行:
- 景気回復が確固となり、危機の影響が明らかになれば、IMFプログラムは成長を促進する改革へ重点を移し、持続可能な回復を支援する必要がある。
- 構造改革の例:
- 従業員の採用・離職を容易にする改革は、パンデミック初期の封じ込めには必須ではないが、構造変化、デジタル技術、気候変動への適応に重要となりうる。
- 国際協力と政策分野:
- IMFは構造政策の実施に向け他の国際金融機関と協力する。
- 構造政策には保健医療、債務管理、社会的保護、融資のガバナンス改善、将来の公衆衛生・気候危機に対する強靭性の向上が含まれる。
- IMFの役割:
- 各国政府と中央銀行の強靭性と機動性を支える取り組みに対し、IMFはパートナー機関とともに国際レベルで応える努力を続ける。
- IMFの融資ツールを効率的に活用することが今後も重要な役割を果たす。
著者紹介(要旨)
- ロバート・グレゴリー:
- IMF戦略政策審査局の副室長で融資方針を担当。
- 欧州局でアイスランド担当、モロッコとナイジェリアの業務を担当した経歴。
- キャリアはアクセンチュアで開始、イギリス財務省とバークレイズ銀行でも勤務。イギリス政府への出向で貿易政策業務に従事した後、IMFに帰任。
- 林慧丹(フイダン・リン):
- IMF欧州局のエコノミストでユーロ圏の金融政策とマクロ経済見通しを担当。
- ポルトガルと韓国を担当した経験あり。
- 研究は中国、ユーロ圏、アメリカのマクロ経済・金融問題に焦点。コロンビア大学で経済博士号、北京大学で経済学士号。
- マーティン・ミューライゼン:
- IMFの戦略政策審査局長として、IMFの戦略的方向性と方針の設計・実行・評価を主導。
- G20や国際連合など国際機関との関係を統括。
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