各国がワクチン接種を急ぐ中でも政府支援は重要
IMF Blog, January 28, 2021
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- 各国がワクチン接種を急ぐ中でも政府支援は重要
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- Authors: Vitor Gaspar, Raphael Lam, Paolo Mauro, Mehdi Raissi
- Published: January 28, 2021
概要と現状認識
- 新型コロナウイルス感染症のパンデミックは多くの国で加速しており、不確実性は非常に高い。
- 迅速かつ広範なワクチン普及、最も脆弱な家計や本来健全な企業の保護、持続性と包摂性のある回復の実現には、政府の断固たる行動が必要。
- ワクチン接種は人命を救い、最終的にはあらゆる国で納税者が納めたお金を節約する世界的な公共利益であり、国際協調で製造・低コスト普及を図ることがきわめて重要である。
- 不確実性がきわめて高いため、政策は経済とパンデミックの状況変化に柔軟に対応し、必要に応じて適切に変化させるべきである。
財政支援の規模と内訳(主要統計)
- 世界全体の財政支援は2020年12月末時点で14兆ドル近くに達した。
- 2020年10月以降、約2.2兆ドル増加した。
- 内訳:
- 追加支出あるいは歳入の見送り(規模はそれより少ないが): 7.8兆ドル
- 政府保証、融資、資本注入: 6兆ドル
- 2021年1月の「財政モニター・アップデート」で各国の取り組みを俯瞰。
地域別の特徴と課題
- 先進国・地域:
- 財政措置は多年度にわたり実施される(2021年以降もGDPの4%を超える)。
- 支出の増大と歳入減少を反映して、財政赤字と政府債務が最も大きく伸びた。
- 新興市場国:
- 政府支援は初期対応に偏り、対策の大部分が期限を迎えつつある。
- 景気後退による税収の落ち込みが、財政赤字拡大の主な原因。
- 低所得国:
- 資金調達が制約され、福祉制度が未成熟であるため、財政政策による対応はより限られる。
- 貧困増加や栄養不良などパンデミックの影響が長引くおそれがある。
- 世界的債務水準:
- 政府債務の世界平均は、2020年末で対GDP比98%近くに達する。
- パンデミック以前の同時期の予測値は同84%だった。
政策的示唆と優先事項
- 支援の継続性:
- 政府支援は回復が本格化するまで継続する必要がある。
- 政策当局者は短期的支援の拡充と、長期的に債務を管理可能な水準に維持することのバランスを取るべきである。
- 債務水準が高く資金調達が厳しい国々では、歳入と歳出に関する信頼性のある多年度財政枠組み(中期的な財政ポジションを強化する方略を含む)を策定することがきわめて重要。
- 低所得国に対する追加支援:
- グラント(無償資金)、譲許的融資、債務支払猶予イニシアティブ(DSSI)の延長、あるいは一部のケースでは債務再編などが必要となる見込み。
- 債務処理のための共通枠組みの迅速な運用開始と、適格債務国の拡大が不可欠。
- 回復をグリーンで包摂的にするための優先措置:
- 医療制度(ワクチン接種を含む)、教育、インフラへの投資。財政余地のある国々が協力して環境配慮型の公共投資を強化することが世界的成長を促進する。プロジェクトには民間セクターの参画が理想的で、気候変動の緩和とデジタル化促進を目指すべき。
- 採用への補助金、職業研修や求職プログラムの改善を通じた再就職支援と職種転換支援。
- 格差と貧困を抑制するため、社会的保護制度を強化する。
- 公平性を高め、環境保護のインセンティブを付与するよう税制を見直す。
- 無駄な支出を削減し、歳出プログラムの透明性を高め、ガバナンスの実践方法を改善することで、財政支援の恩恵を最大限引き出す。
最終的な結論
- 各国政府は、ワクチン普及をめぐる時間との闘いに勝利し、経済状況の変化に柔軟に対応し、よりグリーンで公平で持続性のある回復に向けた準備を進める必要がある。
著者と寄稿者(役職・経歴の概要)
- ヴィトール・ガスパール:
- ポルトガル国籍でIMF財政局長。
- IMFで勤務する前にポルトガル銀行で特別顧問など政策関連の要職を歴任。
- 2011~2013年にポルトガル政府の財務大臣。
- 2007~2010年に欧州委員会の欧州政策顧問局長、1998~2004年に欧州中央銀行の調査局長を務めた。
- ノーバ・デ・リスボン大学で経済学博士号とポスト・ドクター学位を取得。ポルトガル・カトリカ大学でも学んだ。
- 林衛基:
- 財政局のシニアエコノミスト。
- 格差、政府間関係、財政ルールに関連する財政問題に現在は研究の焦点を当てている。
- 過去にアジア太平洋局の中国担当と日本担当のチームで勤務。
- 世界金融危機の際にはアイスランドに対するIMF融資プログラムに参加した。
- カリフォルニア大学で経済学博士号を取得。
- パオロ・マウロ:
- IMF財政局副局長。
- 現職以前はIMFのアフリカ局、財政局、調査局で様々な管理職を歴任。
- ピーターソン国際経済研究所でシニアフェローを務め、2014~2016年にはジョンズ・ホプキンス大学ケアリー・ビジネススクールの客員教授。
- 共著に『World on the Move: Consumption Patterns in a More Equal Global Economy』、『Emerging Markets and Financial Globalization』、『Chipping Away at Public Debt』の3冊がある。
- メディ・ライシ:
- IMF財政局のシニアエコノミスト。
- 2010年からIMFで勤務を開始し、多国間サーベイランスの複数の問題や、イタリア、インド、メキシコなどを対象に業務を行ってきた。
- ケンブリッジ大学で経済学博士号を取得。研究分野はマクロ計量経済モデル、マクロ経済と財政のつながり、政府債務の問題。
出典: IMF(ページ本文の内容)
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- Extraordinary G20 Finance Ministers and Central Bank Governors’ Meeting — Statement (November 13, 2020)