貿易によりアジアの経済回復を加速させる方法
IMF Blog, November 19, 2021
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- 貿易によりアジアの経済回復を加速させる方法
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- Authors: Pragyan Deb, Julia Estefania-Flores, Siddharth Kothari, Nour Tawk
- Published: November 19, 2021
要旨
- 貿易自由化を再び推進することで持続的成長を活性化しパンデミック後の傷跡を最小化できる。
- 歴史的に貿易はアジアの経済成長と貧困削減の強力な推進要因であったが、ここ数年は貿易障壁を引き下げる勢いが鈍化している。
- 非関税障壁の緩和は、国内総生産を約1.6%押し上げ、パンデミックが残すと思われる傷跡の4分の1ほどを回復させる可能性がある。
貿易障壁の現状と測定
- アジアにおける貿易の関税障壁は全体的に低いが、非関税障壁は多くの新興市場国や発展途上国で依然として高い。
- 非関税障壁には、許認可要件、貿易や支払い、外国通貨の両替に関する制約などが含まれる。
- アジアの新興市場国や発展途上国の2024年のGDPは危機前のトレンドを6%下回るとIMFは示唆しており、これは年間約1兆ドルの損失に相当する。
- 近日発表されるIMFのワーキングペーパーは、1949年まで遡って159か国の貿易制限の包括的指標をまとめ、IMFの「為替制度および為替制限に関する年次報告書」の詳細な貿易障壁データを使用している。
- 長期的なデータでは、関税は過去半世紀で大幅に低下した一方、非関税障壁の低下幅は小さく、アジアの非関税障壁スコアは1960年代のおよそ20から1995年には15くらいに下がった後、ほぼ変わっていない。
実証的発見と経路
- 非関税障壁の引き下げは大きな経済的利益をもたらす可能性がある。
- 事例:1990年代初頭にスリランカが輸出許認可や融資、書類作成の要件撤廃を行った場合、短期的にGDPが約1%押し上げられる可能性がある。5年後にはそうした成長率は約1.6%にまで上昇する。
- 改善の主要な経路は純輸出の直接増加だけでなく、投資強化や生産性向上である。
- 専門化によるメリット
- 技術移転
- より生産性の高い企業への資源再配分
政策的含意と具体的改革領域
- パンデミックからの回復を促進する中で、政策当局者は経済改革を優先して成長を下支えし、パンデミックの傷跡を最小限にとどめる必要がある。特に新興市場国や発展途上国では重要性が高い。
- 推奨される貿易関連改革例:
- モノに対する障壁の引き下げ:輸出入の許認可要件や外国通貨をリリースするための過剰な書類作成、外国為替使用の制限の撤廃により事務的遅延を緩和し国際取引コストを削減する。
- サービスに対する制約の緩和:旅行、輸送、コンサルティング、国際送金などの分野で取引制約を緩和する余地が大きい。サービス貿易の今後の急成長に伴い大きな利益が期待される。
- 分配面の配慮:
- 貿易障壁の引き下げは中期的にGDPを押し上げうる一方で、改革に伴う再配分は勝者と敗者を生む可能性がある。
- 格差の影響を軽減する政策が不可欠。具体策として、最も深刻な打撃を受けた層を支援する資金的支援や労働者の再訓練制度などが挙げられる。
結論
- 各国がパンデミックの余波に直面するなか、貿易の開放性を積極的に取り入れることは有望な方策である。
- IMFの研究は、貿易障壁の削減によってアジアにおける成長の原動力を再び活性化できることを示している。
出典: IMFブログ記事「貿易によりアジアの経済回復を加速させる方法」