重い債務を負う企業に対し、政府は支援または再編の選択を迫られている
IMF Blog, February 24, 2022
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- 重い債務を負う企業に対し、政府は支援または再編の選択を迫られている
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- Authors: Ceyla Pazarbasioglu, Rhoda Weeks-Brown
- Published: February 24, 2022
概要と主要見解
- 回復に向けてのリスクを回避するため、政策当局者は生き残れる企業にサポートを集中し、そうでない企業の再編または清算に向けた準備を進めるべきである。
- 企業は、世界金融危機後の低金利時代に積み上げた記録的な債務を抱えたままコロナ禍を迎えた。社債は83兆ドルに上り、世界の国内総生産の98%に達した(2020年末時点)。2020年の増加額8.9兆ドルのうち、先進国や中国が90%を占める。
- 中央銀行がインフレ阻止のために利上げに動く中、企業の債務返済費用は増加することが予想される。コロナ禍の最中に深刻な打撃を受けた企業に対する財政支援を政府が縮小するにつれ、企業の脆弱さが露呈されるだろう。
企業脆弱性と制度の準備度(評価結果の要点)
- IMFの新しい指標は、支払不能および再編に関する各国の制度の準備度を評価するために使用された。対象は全ての大陸と発展段階を網羅し、世界GDPの91%、世界人口の84%を占める60か国。
- 指標は、先進国、途上国および低所得国について5つのサブ指標を含む代表的な視点を示す。
- 企業の脆弱性は、IMFの指標が危機に対する準備度に欠陥があると示す経済においてより顕著である。
- 経済情勢が悪化した時に社債が平均的な国よりも脆弱性の高い新興国経済の3分の2では、危機管理制度も平均より弱い。
- 脆弱な社債を持つ先進国の約40%は、危機下における支払不能に関する制度が平均よりも劣っている。
- 多くの国が支払不能に関する制度の強化を続けてきた。例として、ブラジル、フランス、インド、韓国、トルコ、米国では対象を絞った改革、ドイツ、オランダ、英国では広範な改革が実施されてきた。
政策原則(支援と再編の指針)
- 政策支援の枠組みは、具体的な市場の欠陥に対処するための明確な目的を設定すべきである。オーストリアやノルウェーの公的支援プログラムはこれに該当する。
- 支援設計にはガバナンスおよび透明性に関する強力なセーフガードを取り入れ、明確な出口計画をあらかじめ設定しておくべきである。
- 責任分担や債務再編計画は、民間債権者の情報やスキルへのアクセスを利用すべきである。1990年代半ばのメキシコ通貨危機やCOVID-19下のフランスが参考例である。
- 公的債権者は債務再編に積極的に参加すべきである。
- 支払不能に関する制度は案件の大幅な増加に対処するために準備しておく必要があり、国によって優先順位は異なる。
- 財政出動の余地が限られ、支払不能に関する制度が非効率的な国は、法廷外またはハイブリッドの再編をより利用すべきである。
- 中期的には法律および制度的枠組みを改善するため、より抜本的な改革を実施すべきである。
- 財政出動の余地がある国は支援を継続すべきだが、モラルハザードのリスクや「ゾンビ企業」に注意が必要である。
銀行のバランスシート、透明性、監督
- 銀行のバランスシートは健全性と透明性を保つことが重要である。
- パンデミックの経済的影響を軽減するための会計および規制適用の先送りは、銀行のバランスシートに反映されない隠れた不良債権の発生の可能性を増大させる。
- ソブリン債保有の増加とともに、銀行と政府のバランスシートはより密接に関わり合うようになり、これは債務危機と関連する現象である。
- 先送りの終了に伴い、資産内容の報告は透明性のある一貫した慣行に従い、効率的な監督と施行でこれを補助すべきである。
- 資産内容レビューの実施は、特に一連の先送りの後において、バランスシートの透明性を高め、経営危機に陥る企業の債務に対して市場を支援することができる。
- 同時に、コロナ禍で被った損失を吸収するための銀行の防衛を強化する必要があるかもしれない。
実務的助言と実施上の留意点
- パンデミックの最悪時に企業に金融支援を提供するという政府の判断は間違っていないが、当時は正確性よりスピードを重要視し、救済できる企業とそうでない企業の区別を行わずに迅速な支援を提供した。
- 今後は金融支援の正確性を高め、本当に支援を必要としている企業に対して効率的に提供すべきである。
- 深刻な打撃を受けた企業に対しては、再編や清算を行う準備を進めるべきである。
- 多くの重要分野に欠点があり、各国は一度に多くのケースへの対処を迫られる可能性があるため、準備のために残された時間は長くない。
セイラ・パザルバシオグ、ローダ・ウィークス・ブラウン、2022年2月24日