パンデミックによる経済的後遺症を治すためには迅速な対応が必要
IMF Blog, May 18, 2022
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- パンデミックによる経済的後遺症を治すためには迅速な対応が必要
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- Authors: Mehdi Benatiya Andaloussi, Lone Engbo Christiansen, Ashique Habib, Davide Malacrino
- Published: May 18, 2022
概要
- G20各国では回復が進んでいるが、前例のない衝撃により危機前の水準よりも経済見通しが後退するような後遺症が長期間続く可能性がある。
- 今年4月のIMF世界経済見通しで指摘された通り、経済成長と雇用のいずれにおいてもパンデミックに起因する損失は今後数年間にわたって大きい。
- 新興市場国はワクチンへのアクセスが相対的に悪く、パンデミック支援策も小規模であるため、より大きな損失を被りやすい。ウクライナ侵攻の発生がこれらの困難を一層悪化させている。
労働市場への影響(主要所見)
- 景気後退は景気低迷時に職を失った労働者に長期的影響をもたらし、失業期間の長期化によるスキル喪失が経済成長全体を後退させる。
- 先進国と新興市場国で労働市場回復の見通しが大きく異なる。
- 先進国:政策支援が手厚く、ワクチン普及もあり労働市場回復は堅調。
- 新興市場国:回復ペースが弱く、雇用率はパンデミック発生前の予測を依然下回る。
- 非公式労働(インフォーマルワーク)の動向:
- 危機ピーク時に非公式部門の労働者は激減。接触機会の多い業種・業態がソーシャルディスタンスの影響で打撃を受けたため。
- その後、ブラジル、インドネシア、メキシコ、南アフリカといったG20新興市場国の多くで非公式労働部門の立ち直りが公式部門をはるかに上回り、全雇用に占める非公式部門の割合は一部の新興国で2021年末までにパンデミック前の水準を上回った。
- 非公式労働者は多くの場合、公式労働者より賃金が低く、社会的セーフティネットの恩恵を受けにくい。非公式部門の拡大が継続すれば、これら労働者の収入を圧迫する可能性がある。
児童・生徒の学習損失(主要所見)
- 前例のない学校閉鎖により、特に新興市場国を中心に多くのG20諸国で学習が妨げられた。貧困家庭の子どもたちへの影響はより深刻。
- 既に学習への影響は表面化しており、例として米国では数学の成績が学年水準を下回る子どもたちの割合が増加。特に低学年と低所得世帯の子どもたちで顕著。
- IMFの研究:
- 現在の児童・生徒人口は今後数十年にわたってG20諸国の総生産年齢人口の40%近くを占める。
- IMFのシミュレーションでは、影響を受けた現在の児童・生徒全員が労働市場に参加する場合、G20先進国のGDPは長期にわたって基本シナリオから3%引き下げられる可能性がある。
- 学習損失が最も深刻な貧困世帯では将来的見通しが強く減退し、収入格差がさらに拡大する懸念がある。
その他の経路(企業債務・生産性)
- パンデミックの打撃が最も深刻だった産業分野では企業債務と脆弱性が増大し、これが将来の投資と生産性を圧迫して経済的後遺症を続かせる要因となり得る。
政策対応(推奨される行動)
- 総論:断固たる態度で迅速に対応すれば、後遺症を最小限に抑え、強力かつ包摂的な回復を促進する土台を構築できる。
- 教育分野:
- 学習損失を食い止める時間は短い。各国は失われた学習機会の規模を速やかに評価し、救済措置を講じる必要がある。
- 具体策例:補習授業の増加、学年の延長など。
- 労働・企業支援の段階的調整:
- 企業・労働者向けの支援策(信用保証や雇用維持対策など)は回復が進むにつれて規模を縮小することで、労働者と資源の生産性の高い用途への再配分を阻害しないようにする。
- 政策を雇用支援から、ターゲットを絞った求職プログラムや新たなスキル習得の研修支援など、労働者の適応支援へ移行する。
- 企業倒産・私的再生手続きの強化:
- 経営難企業が増加しても大規模経営破綻や投資低迷につながらないよう、企業倒産や私的再生の手続きを改善し、機能性の高いメカニズムを構築することが重要。
結論
- 課題は山積しているが、G20各国の政策当局者が適切なアクションを直ちに講じれば、ダメージを修復し、強力かつ包摂的な回復の基礎を確実に築くことが可能である。
出典: パンデミックによる経済的後遺症を治すためには迅速な対応が必要
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- Minimizing Scarring from the Pandemic