中東、中央アジアの排出量削減に対する財政政策の役割
IMF Blog, November 6, 2022
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- 中東、中央アジアの排出量削減に対する財政政策の役割
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- Authors: Jihad Azour, Gareth Anderson, Ling Zhu
- Published: November 6, 2022
概要
- 中東および中央アジアの32か国(ほぼすべての国)が、パリ協定の一環として温室効果ガス(GHG)の排出量削減を公約している。
- IMFの新たな研究は、同地域の排出削減への取り組みを評価し、達成のための財政政策オプションを特定している。
- 我々の試算によれば、外部支援の程度に応じて、2030年までに温室効果ガス排出量を13%から21%削減することを公約している。
- 言い換えれば、同地域では今後の8年間で、1人当たりの排出量を7%削減する必要がある。
主な発見(数値を含む)
- 対象国数: 32か国(中東および中央アジア、ほぼすべての国)。
- 2030年までの公約削減幅(現在のトレンド比): 13%から21%。
- 必要な1人当たり排出量削減: 7%(今後の8年間)。
- 政策オプション別の想定値・影響:
- 化石燃料の実効価格引上げ案: MENAPでは二酸化炭素排出量1トン当たり8ドル、CCAでは1トン当たり4ドルの炭素税を段階的に導入し、化石燃料補助金を段階的に撤廃することが想定される。
- 再生可能エネルギーへの公共投資案(2023年から2030年): MENAPで7,700億ドル、CCAで1,140億ドル(同地域の現在の国内総生産の5分の1以上)を増やすシナリオ。
- 再生可能エネルギーの事例:
- カタール: 世界最大の太陽発電所を開発、その800メガワットの発電能力は同国のピーク需要の約10分の1を満たす。
- ドバイ: 5,000メガワットの単一敷地の太陽公園を建設。
財政政策オプションとトレードオフ
- 化石燃料価格の引き上げ(炭素税 + 補助金撤廃)
- 効果:
- 同地域の2030年までの緩和目標を達成できる可能性がある。
- 歪みの減少、財政の強化、リソースの効率的な割り当てにつながる可能性がある。
- 短期的な副作用:
- 現世代がエネルギー転換の負担を引き受けるため、短期的には困難。
- 脆弱な家計や企業が特に影響を受ける。
- 税収や補助金削減による財政の潤沢化は副作用を緩和する可能性があるが、経済成長は一時的に鈍化し、インフレ率が上昇するかもしれない。
- 長期的利得:
- よりクリーンでエネルギー効率に優れ、競争力のある経済を将来世代に残す可能性。
- 再生可能エネルギーへの大規模公共投資(補助金削減を3分の2にとどめ、炭素税は課さない)
- 効果:
- 排出削減目標を達成できる可能性がある。
- 価格上昇がより小幅で、家計や企業にとって負担が小さい。
- 石油輸入国のエネルギー安全保障を改善し、雇用を増やし、経済成長を加速させる可能性。
- リスク・コスト:
- 残存する化石燃料補助金はエネルギー価格を歪め続け、エネルギー効率の改善を抑制する恐れがある。
- 公的支出の大幅増は財政の地位を悪化させ、マクロ経済の安定性を損ない、将来世代が利用できるリソースを減らす可能性がある。
- IMFの試算では、2030年の政府純負債はMENAPでGDPの12%増、CCAでGDPの15%増加する可能性がある。
政策上の示唆と推奨事項
- 各国は自国の状況と利用可能な予算資源に最適なオプションを選択すべきである。
- 早期に財政戦略を採用することが推奨される。理由:
- 経済的混乱の可能性を最小限に抑えつつ、時間通りに公約を達成するのに資する。
- 国内での一般公開、民間部門の適応、当局による副作用対策(社会セーフティネットの改善含む)のための十分な時間を確保できる。
- 他の政策や構造改革を推進し、より環境に優しい経済へのスムーズな移行を助ける。
- 世代間の負担配分という困難な決定に直面していることを踏まえ、財政戦略の組み合わせや段階的実施を検討すべきである。
中東、中央アジアの排出量削減に対する財政政策の役割