G20の優先政策課題―ひとつの地球、ひとつの家族、ひとつの未来
IMF Blog, February 28, 2023
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- G20の優先政策課題―ひとつの地球、ひとつの家族、ひとつの未来
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- Authors: Kristalina Georgieva
- Published: February 28, 2023
世界経済の見通し
- IMFの最新の予測では、世界経済の成長率は今年、2.9%に減速し、2024年には3.1%に若干持ち直すと予想している。
- 勢いの大半は新興市場国と発展途上国によってもたらされ、こうした国の成長が今年の世界経済の伸びの約5分の4を占めると予測している。
- インドだけで15%以上寄与すると見ている。
ひとつの家族 ― 脆弱な人々と債務の課題
- 貧困・食料安全保障の状況
- 食料価格は若干落ち着いたものの、79か国で過去最高の3億4,900万人もの人々が深刻な食料不安に直面している。
- 生活費の高騰により多くの世帯が家計のやりくりに苦慮しており、暖房や調理のための燃料を買う余裕のない人々が何百万人もいる。
- 債務と脆弱性
- 低所得国の約15%が過剰債務に陥っており、さらに45%が過剰債務に陥る高いリスクを抱えている。
- 新興市場国の場合には、約25%の国々が高いリスクにさらされ、デフォルト同然の借入スプレッドに直面している。
- IMFのこれまでの支援実績(パンデミック以降)
- 迅速に実行された緊急融資約340億ドルを含め、94か国に対して2,720億ドル以上を提供した。
- 加盟国の準備資産を増強するために、6,500億ドルという歴史的な特別引出権(SDR)配分が実施された。
- 新設の「食料ショック融資枠」によって、食料安全保障危機による影響を最も大きく受けた国を対象に資金への迅速なアクセスが提供されている。
- 方針提言(財政・金融)
- 財政措置は時限的で、最も支援を必要としている人々の保護にしっかり焦点を合わせること。
- 的を絞った措置と合わせて、バッファーを再構築し債務の持続可能性を確保するために徐々に財政を引き締める必要。
- インフレ率を目標に戻すために金融引き締めに関する方針を維持すること。
- 財政政策と金融政策の足並みを揃えることの重要性。
- 金融市場における突然の価格調整を回避するための明確なコミュニケーションが不可欠。
- 債務再編と国際協調
- 「連帯」は債務再編のためのより良いメカニズムを意味する。G20の「共通枠組み」の下でチャドは昨年末に債権者との間で合意に達し、ザンビアとガーナも債務再編に向けて前進しているが、基本ルールの明確化とプロセスの効率化が必要。
- IMFと世界銀行、そしてインドが議長国を務めるG20は、新たな「世界ソブリン債円卓会議」を招集し、官民双方の債権者と債務国が協力するための地固めを行う。
ひとつの地球 ― 気候変動とグリーン投資
- 気候変動は人類の存続にかかわる脅威であり、集団としてでなければ闘うことができないという認識。
- パリ協定の実行とレジリエンス強化のためには、数兆ドルをグリーンプロジェクトに振り向けるのに資する政策が必要。
- 可能な政策手段
- よりスマートな規制や価格シグナル。
- 低炭素投資にインセンティブを与えるよう的を絞った補助金。
- より多くの民間資本の動員につながる金融イノベーション。
- IMFの役割
- 助言と金融支援を組み合わせて、経済と金融の安定性に対する大きな気候変動関連リスクを軽減する取り組み。
- 強靭性・持続可能性トラストを利用している第一陣のパイロット諸国は、IMFが脆弱な国々における適切な政策の策定や気候に配慮した投資を促す環境の整備に貢献していることを実証。
- 国際開発金融機関や民間部門などと連携し、投資リスクの軽減に取り組んでいる。
- グリーン補助金と貿易・技術共有
- 初期段階技術への「グリーン補助金」は有用であるが、無駄な支出や貿易摩擦を回避し、技術が発展途上国と共有されるよう慎重に設計されるべき。
- 保護主義に陥ることの回避が重要。保護主義は貧しい国の新技術やグリーン移行へのアクセスを困難にする。
ひとつの未来 ― デジタルの進歩と包摂
- デジタル技術が公正で包摂的な未来にとって重要となる可能性。
- デジタルの利点例
- デジタル税務行政による税収上およびコンプライアンス上の利点。
- オンライン調達を通じた透明性向上による汚職対策。
- デジタル公共財政管理システムの説明責任による社会契約の強化。
- インドの「統合決済インターフェース(UPI)」の事例
- 先月だけで、インドのこのデジタル公共インフラによって、80億件以上の取引が処理された。
- このシステムは、農村地域に暮らす4億人の人々が旧来の押しボタン式の携帯電話を用いて参加することを可能にしている。
- 中央銀行デジタル通貨(CBDC)
- 多くのIMF加盟国がCBDCの評価を積極的に進めており、決済の強靭化や金融包摂の向上などの利益が期待される。
- インドもCBDCの詳細な評価を実施しており、他国の参考となる可能性。
- 暗号資産と規制
- 一部の大手暗号資産取引所の破綻は市場の健全性とユーザー保護に関する懸念を高めた。
- 金融規制の強化や国境を超えて等しく適用されるグローバル基準の策定が必要。
- IMFの暗号資産に関する取り組みはマクロ金融政策に焦点を当てている。
- 能力開発の方針
- IMFの能力開発業務は、誤りを回避しつつ利点を最大化することを信念としており、加盟国全体にとってベストプラクティスを伝えることを目標としている。
行動の呼びかけと結論
- 地政学的緊張が高まる中でも共通の基盤を見出し、「ゼロサム政策」を避ける必要。
- 政策当局者は、適切な対応策を講じ、われわれ全員が乗る船を安全な港に導く勇気を持つことが求められている。
出典: クリスタリナ・ゲオルギエバ, 2023年2月28日, G20の優先政策課題―ひとつの地球、ひとつの家族、ひとつの未来