世界経済の低迷、高インフレ、分断の進行 G20による強力な行動要す
IMF Blog, July 17, 2023
Source details
- Canonical URL
- 世界経済の低迷、高インフレ、分断の進行 G20による強力な行動要す
Other formats
Bibliographic details
- Authors: Kristalina Georgieva
- Published: July 17, 2023
見通し:課題がある中での底堅さ
- IMFは4月に、世界経済の成長率が2022年の3.4%から2023年は2.8%へと減速すると予測。
- 世界成長の大部分、つまり70%超は、アジア太平洋地域によってもたらされると見られている。
- 直近の高頻度指標はまだら模様を示す:G20諸国全体で製造業が弱含み、サービス業は底堅い。
- 先進国では労働市場に力強さが見られる一方で、金融引き締め政策により金融の脆弱性が露呈。
- IMFは世界経済の中期的な成長率を3%前後と予測しており、これは2000~2019年の平均である3.8%を大きく下回る。
インフレへの対処と成長の促進
- 世界の総合インフレ率はピークに達したと見られ、特にインドではコアインフレ率も若干低下しているが、多くのG20諸国ではインフレ率が中央銀行の目標を大きく上回ったままである。
- 金融政策に関する示唆:
- 金融政策が経済活動に波及していることを示す初期の兆候がある。
- ユーロ圏と米国では銀行の貸出基準が厳格化している。
- インフレが持続的に目標に戻るまで金融政策の方針を維持することが不可欠。
- 金融セクターのリスクを注意深く監視し、明確な中央銀行のコミュニケーションと金融セクターの監督が必要。
- 財政政策に関する示唆:
- パンデミック関連の異例の支援後、財政引き締めによりディスインフレを支え、バッファーを再構築し、債務の持続可能性を高める。
- 脆弱な人々を支援するためには一時的かつ的を絞った対策が必要になるかもしれない。
- 財政健全化は、余裕がある場合には成長を促す投資を保護する必要がある。
共同行動の重要性と最近の前進
- 債務再編の進展:
- 6月にはザンビアの債務再編で大きな前進が見られた。これはG20の共通枠組みにとって重要なマイルストーンである。
- この合意により、2022年8月に合意された13億ドルのIMF取極の一環としてさらなる資金が利用可能になる。
- チャド向けの債務再編の前進や、グローバルソブリン債務ラウンドテーブルを通じた信頼と理解の向上にも依拠。
- SDRの融通と貢献:
- G20はプレッジ額が1,000億ドルに達したことを発表。これはIMFが2021年に実施した史上最大となる6,500億ドルのSDR配分を受けたG20目標の達成を示す。
- フランスと日本はSDRの融通分を自国に対するSDR配分の40%に引き上げた。中国は34%に引き上げた。
- 2020年以降、PRGTに対して約290億ドルのSDRがプレッジされており、IMFの低所得国向けのゼロ金利の金融支援を拡充するのに役立っている。
- RST(強靭性・持続可能性トラスト):
- RSTに対してすでに約420億ドルのSDRが提供されている。
- 9か国の加盟国がRSTによる資金供与の承認を受け、さらに数十か国が申請済み。
- RSTのプログラムは気候改革を支援:例としてコスタリカでの財政計画への気候関連検討事項統合、セーシェルでの金融機関向け気候関連リスク管理強化。
- ルワンダとバルバドスでは、RST資金が国際開発金融機関の支援を補完し、民間投資を含む民間部門からの追加的な資金を呼び込むことが期待されている。
脆弱国に対する支援の必要性
- 多くの脆弱な新興市場国や低所得国は、複数のショックや根本的な移行の難局に直面している。
- 気候変動はこれらの国々が最も脆弱である一方で、問題の発生にはほとんど寄与していないという不均衡が存在。
- 生活費危機や高金利はより多くの国を過剰債務に陥れ、開発の展望を脅かす。
- 経済の分断化が進めば、グローバル経済統合の恩恵を受けられなくなり、高成長や数十億人の生活水準向上の機会が損なわれる恐れがある。
- 対応資金と機関の役割:
- IDA(国際開発協会)やIMFなどの強力な多国間機関は、今後数か月から数年にわたり支援を提供する上で極めて重要。
IMFの改革と財源強化
- 最優先課題は第16次クォータ見直しを迅速かつ成功裏に完了すること。
- IMFのクォータ資源全体の規模を拡大し、強固な国際金融セーフティネットを支える必要性を強調。
- 譲許的資金の補充:
- PRGTへの資金拠出の完了が必要。
- 大災害抑制・救済基金(CCRT)の増資により、各国が大規模なショックに見舞われた際の債務返済猶予を提供。
- IMFの融資ツールキットの改革を模索:
- 予防的融資の調整など、加盟国のニーズにより良く応えるための変更を検討。
- 気候変動が債務の持続可能性にどう影響するかの説明方法や、気候関連ショックに見舞われた国を対象とするIMFの支援強化の検討。
G20の重要な役割と求められる行動
- ショックが起こりやすく、気候変動や過剰債務、貿易摩擦、経済的分断といった根本的な移行期にある世界では、国際的な政策当局者に対する期待は高い。
- すべての国を成長と繁栄に向けた持続可能な軌道に戻すために、今すぐ協力して行動を起こす必要がある。
- 国際金融アーキテクチャーの目的達成には、十分な財源と代表性を有するIMFを中心に据えたG20の強力なリーダーシップが求められる。
- グローバルな対応は、世界が直面する課題の大きさに見合ったものであるべきである。
出典: IMF(該当ページ)
Content in this bundle
- g20-surveillance-note