デジタル通貨を慎重に管理することで、太平洋島嶼国の成長と平等を支援し得る
IMF Blog, March 26, 2024
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- デジタル通貨を慎重に管理することで、太平洋島嶼国の成長と平等を支援し得る
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Bibliographic details
- Authors: Bo Li, Anca Paduraru, Yong Sarah Zhou
- Published: March 26, 2024
概要
- 著者: 李波, アンカ・パドゥラル, ヨン・サラ・チョウ
- 公開日: 2024年3月26日
- 主題: 太平洋島嶼国地域におけるステーブルコインや中央銀行デジタル通貨(CBDC)等のデジタル通貨の潜在的役割と、その導入に伴う利点とリスクについての評価。裏付けのない暗号資産は通貨の定義に合致しないため議論から除外。
主な発見
- デジタル通貨や関連技術革新は、効率性、アクセス性、安全性の面で利点がある。
- 適切な設計と統治の下では、デジタル通貨は金融包摂や国境を越えたつながりの拡大といった政策目標の達成を支援できる。
- デジタル通貨により、これまで十分なサービスを受けられなかった人々が金融サービスや政府の支援を利用できるようになる可能性がある。
- 太平洋島嶼国は、小規模国家であり地理的に分散しているため、金融サービスのアクセス性や包摂性に関する課題を抱えている。
- 外国送金への依存が高く、コルレス銀行関係の弱体化は地域に強い影響を与える。
リスクと課題
- 適切な準備やセーフガードなしにデジタル通貨を導入すると、経済や金融市場が混乱する可能性がある。
- 混乱が長引くと、適切な対応能力を持たない国は深刻な金融安定性リスクに陥る可能性がある。
- デジタル通貨は資金洗浄やテロ資金供与に係る新たな脅威を生むことがあり得る。
- 多くの太平洋島嶼国では、デジタルインフラや(法制、規制および監督上の)制度的枠組みが未整備である。
- 研修、運用、技術発展等に係る開発コストを負担する余裕がない国が多い。
- デジタル通貨を受け入れるには、安定性、安全性、アクセス性の面で優れたインフラが必要である。
- サービスプロバイダーは持続的に収益を生み、コストを賄えるビジネスモデルを作り出す必要がある。
- 観光収入の割合が大きい国々では、観光客も使いたくなるような魅力を備えたデジタル通貨が求められる。
- サービスプロバイダーの義務、ユーザーの権利、監督当局等の責任と同様に、デジタル通貨の法的地位も明確化される必要がある。
政策上の検討と推奨
- デジタル通貨導入の決定は、制度的能力、自国通貨の有無、国内決済システムの成熟度等の通貨や金融に係る情勢を勘案して行うべきである。
- 自国通貨を持つ国は、ゆくゆくは今後数年でCBDCを導入できるようになるかもしれない。
- 銀行や決済サービス業界の成熟度に応じて、最適なデジタル通貨や設計が異なる可能性がある。
- 例: 二層構造のCBDC(中央銀行が発行し、運用を民間の仲介機関に委託するもの)は、自国通貨を持ち、銀行や決済プロバイダーが成熟している国にとっての最適解となり得る。
- 例: 自国通貨を持たない国では外貨ベースのステーブルコインが現実解となり得るが、これにはしっかりとした規制と監督が求められる。
地域的アプローチと支援
- 太平洋島嶼国は、関連リスクを管理しながら新たな形態のデジタル通貨や決済システムを導入する上で地域的アプローチを模索できる。
- 必要な連携・構築:
- 従来の国内決済システムの連携
- CBDC導入後の相互連携
- 多国間電子決済プラットフォームや地域ネットワークの確立・参画
- 知識共有の重要性: 各国の組織や開発パートナー、IMF等の国際機関との知識共有が考えられる。
- IMFの支援事例: IMFは太平洋金融技術支援センター(PFTAC)を含め、30年に渡る域内での研修や技術支援、および域外から関係者や上級政策当局者を招いて知見を共有してもらうといった方法で支援してきた。
研究への貢献者(反映された研究の貢献)
- タオ・スン、アルヴィンダー・バラス、ステファニー・フォルテ、キャスリーン・カオ、インチウ・リュー、マリア・フェルナンダ・チャコン・レイ、ピヤポーン・ソッドスリィブーン、チア・イー・タン、ボー・ザオ。
- 本記事は、IMF Departmental Paper: デジタル通貨の台頭:太平洋島嶼国への影響に基づく研究の貢献を反映。
出典: デジタル通貨を慎重に管理することで、太平洋島嶼国の成長と平等を支援し得る(2024年3月26日)