世界の公的債務、見た目以上に悪い可能性も
IMF Blog, October 15, 2024
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- 世界の公的債務、見た目以上に悪い可能性も
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- Authors: Era Dabla-Norris, Davide Furceri, Raphael Lam, Jeta Menkulasi
- Published: October 15, 2024
要旨と主要統計
- 世界の公的債務は非常に高い水準にある。
- 今年末までに1,000兆ドル、対世界GDP比で93%を超えると見られている。
- 2030年には同100%に達する見込み。
- これは、2019年(コロナ禍前)の水準を10%ポイント上回る。
- 30以上の国を対象とした分析では、未確認債務の40%が各国政府の偶発債務や財政リスクに起因する。
- 未確認債務は従来から平均で対GDP比1~1.5%の規模があり、金融ストレス発生時には急激に増加する。
リスク要因 — 債務見通しが予想より悪化する理由
- 歳出圧力の大きさ:高齢化、医療、グリーン移行、気候変動への適応、地政学的緊張による防衛やエネルギー安全保障などの支出増加。
- 債務予測の楽観バイアス:過去の経験では、5年先の債務残高対GDP比の実現値は平均で予測を10%ポイント上回る場合がある。
- 大規模な未確認債務:多くは国有企業の損失に関連し、平均で対GDP比1~1.5%程度の規模。
「有リスク債務」枠組みとシナリオ
- 新しい「有リスク債務」枠組みは、典型的な点推定にとどまらず、債務見通しに対するリスクの定量化とリスク源の特定を可能にする。
- 枠組みの結果:世界の公的債務は最悪のシナリオの下では3年後に対GDP比115%に達し、現在の予測を20%ポイント近く上回る可能性がある。
- 悪化の要因には、成長の低下、金融環境の引き締め、財政の悪化、経済的・政治的不確実性の高まりが含まれる。
- システム上重要な国(例:米国等)における政策の不確実性の高まりに伴う波及効果が、他国の借入コストを押し上げる脆弱性を高めている。
財政再建の必要性と規模
- 現行の財政再建(平均で2029年までの6年間にGDPの1%)は、完全に実施された場合でも、多くの国で債務の大幅な削減または安定化に十分ではない。
- 平均的な国において債務の安定化の可能性を高めるには、同期間に累積で対GDP比約3.8%の引き締めが必要とされる。
- 中国や米国のように、債務の安定化が見込まれていない国では、必要となる努力はそれよりもかなり大きくなる。米中両国は他国に比べてはるかに豊富な政策の選択肢を有している。
人々に焦点を当てた調整の設計
- 大規模な財政再建は、適切に設計されなければ総需要の低下を通じてGDPの大幅な損失を招き、脆弱層に悪影響を及ぼし、格差を拡大する可能性がある。
- 財政措置の選択はトレードオフを伴う:
- 投資削減はGDPの損失を最大化し、長期的成長を損なう。
- 社会給付削減は脆弱な世帯を直撃し、格差を拡大する。
- 国ごとに最良の組合せは異なるが、指針の例として:
- 先進国:社会保障改革、支出の優先順位見直し、税収の引き上げ(課税水準が低い場合)。
- 新興市場国・発展途上国:社会的セーフティネットの強化、公共投資を確保しつつ課税ベースの拡大と歳入当局の能力強化。
実行のタイミングとペース、財政ガバナンス
- スピードの重要性:慎重かつ持続的なペースでの調整は、より急激な引き締めと比べてGDPと格差に対する負の影響を約40%抑制できるとの分析結果。
- ただし、過剰債務リスクが高い一部の国では前倒しの調整が必要になる場合がある。
- 調整には以下を伴う強力な財政ガバナンスが必要:信頼性のある中期枠組み、独立財政機関、健全なリスク管理。
- 未確認債務削減には、財政リスク評価の強化、国有企業の偶発債務の注視、詳細かつタイムリーな債務統計の公表が有効。
結論
- 高水準の公的債務は広範な懸念事項である。公的債務が制御可能と見られる一部の国でも債務リスクが上昇している。
- 現在の再建計画は、債務を確実に安定化または削減するには十分ではない可能性が高い。
- 適切に設計された慎重な財政調整は、債務リスクを軽減し、公的債務の見通しを改善し、社会に対する負の影響を緩和するのに役立つ。
出典:IMF「財政モニター」関連の要旨(2024年10月15日)