成長促進のためのより賢い支出
IMF Blog, October 7, 2025
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- 成長促進のためのより賢い支出
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- Authors: Era Dabla-Norris, Davide Furceri, Zsuzsa Munkacsi, Galen Sher
- Published: October 7, 2025
主要事例と導入部
- ルワンダの20年間の実績:
- ほぼすべての世帯が携帯電話と初等教育にアクセス。
- 人口の半数以上が電力を利用。
- 5人に1人が清潔な飲料水と衛生サービスを享受。
- 電力消費量は3倍に拡大。
- 寿命は20年延びた。
- 公的支出を1人当たり150ドルから420ドルへと増加させて達成。
- 成果の要因:支出の効率化により限られた財源で高い成果を実現。
「より賢い支出」とは
- 既存支出の配分改善:
- 大半の国で、総支出に占める成長促進につながる公共支出の割合がこの20年で2%ポイント低下。
- 教育の公共支出は総支出の約11%。
- 多くの国で公務員人件費が総支出の4分の1を占める平均水準。
- 支出の技術的効率性の向上:
- 公共支出量を一定に保ちながら、達成可能な最大産出量を高めること。
- 例:カナダは年間1人当たり約2,500ドルを教育に支出。これは他の先進国に比べて300ドルほど少ないが、成人の平均就学年数は13.7年で世界第2位。
大きな経済的利益(試算と効果)
- ベストプラクティス採用による影響:
- われわれの分析では、支出の価値を平均で3分の1高められる可能性。
- 既存の財源をより効率的に支出し、より良く配分することで長期的にGDPを押し上げる推計:
- 新興市場国と発展途上国:11%の押し上げ。
- 先進国:4%の押し上げ。
- 支出の再配分効果(支出規模:GDPの1%を移転):
- 政府消費からインフラ投資へ移す場合(約25年間):
- 先進国ではGDPが約1.5%押し上げられる。
- 新興市場国と発展途上国では3.5%押し上げられる。
- 同規模を教育制度の改善等の人的資本へ振り向ける場合:
- 先進国では約3%のGDP増。
- 新興市場国・発展途上国では6%のGDP増。
- 投資の効率性を10%高めると、GDPの伸びがさらに1.4%押し上げられる。
- 分配面:こうした支出の再配分は所得格差是正にも寄与しうる。
改革の実施 - 障壁と有効な手法
- 制度的障壁:
- 多くの国で教育、医療、社会保障向けに最低拠出水準を法律で設定。
- 公務員給与や年金の変更が困難。
- 世界的に支出の約3分の1が実質的に固定されており、先進国で硬直性が最も高い。
- 有効な手法と実例:
- 多年度財政計画:
- エストニアとスウェーデンは新たな支出を将来的に相殺する義務付けを活用し、硬直性を緩和。予算配分を過去実績とより緊密に関連付け。
- 透明性・プロセス強化:
- 腐敗対策、法の支配の強化、予算の透明性向上、競争的な調達プロセス、公共投資管理の改善、財政のデジタル化。
- 例:トーゴでは2016年にすべてのプロジェクトを対象とした費用効果分析と多年度計画を導入した後、投資の効率性が5%ポイント高まった。
- 社会支出の持続可能性確保策:
- 退職年齢を平均寿命と連動させる。
- 疾病予防を強化して将来の医療費を抑制。
- 公的部門の賃金を市場のベンチマークに合わせ、給与管理を強化。
- 注記:公的部門の賃金がしばしば民間部門の賃金を10%以上上回っている発展途上国がある。
- 支出見直しと目標の設定:
- 明確な目標を掲げ、予算決定と関連付けて支出の見直しを行うことで節減の余地と効果を特定可能。
- 例:スロバキアでは見直しにより公共支出を7%削減する余地があることが明らかになった。
政策的示唆(推奨行動)
- 既存の財源をより効率的に使い、成長と包摂を高めるために:
- 成長効果が小さい政府消費からインフラ投資・人的資本投資へ段階的に配分を移す。
- 投資の効率性を測定・改善し、目標として少なくとも10%の効率化を追求。
- 多年度財政計画や費用効果分析を導入して硬直性を緩和。
- 透明性、競争的調達、公共投資管理、財政デジタル化を強化。
- 社会支出の持続可能性を確保するための制度調整(退職年齢の連動、疾病予防、公務員給与の市場連動)。
- 予算決定と連動した明確な目標設定で無駄を削減し、資源配分の優先順位を明確にする。
出典:成長促進のためのより賢い支出(2025年10月7日)