中南米とIMF
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- Authors: PABLO GARCIA-SILVA
- Published: June 4, 2024
歴史的背景と参加
- ブレトンウッズ会議では44の代表団のうち19の代表団が中南米とカリブ海諸国から参加。
- IMFが1947年にオペレーションを開始するまでに、中南米諸国の圧倒的多数が国際通貨基金協定に署名し、IMF初期加盟国の40%超を占めた。
- 80年を経て、一部の国は創設メンバーが夢見た以上の進展を遂げたが、他方で期待外れに終わった部分もある。
現状の成果と構造的課題
- 成果:
- 市場開放、成長、物価と金融の安定の達成に一定の進展。
- 1980年代以降、IMF支援プログラムはチリ、メキシコ、ブラジル、ジャマイカなど多くの国で効果を上げ、国内での強力なオーナーシップを付与。
- 中南米の中央銀行のいくつかは世界的な大ショックに耐えた後、金融緩和の道を順調に進んでいる。
- 構造的課題:
- 所得や機会における格差が依然として大きい。
- 治安問題、犯罪、社会的課題の深刻化。
- 歴史的な政治分断(米ソ冷戦の影響)が包括的成長のコンセンサス形成を妨げる。
- インフラ格差が経済多角化や地域統合の障害となっている。
地政学的リスクと「新たな冷戦」の影響
- リスクの性質:
- 地経学的分断や主要経済圏間の貿易・金融の混乱は、中南米諸国に壊滅的な打撃を与える可能性が高い。
- 第二の冷戦的な緊張は、国内政治や社会の混乱を引き起こす危険性がある。
- 緩和の論点:
- 今日の経済統合は1947年当時と異なり、保護主義への逆戻りの代償が明らかである。
- IMFのガバナンスが新たな世界情勢に適応し続けることが重要。
- IMFは権力者に真実を語り、破壊的な脱グローバリゼーションが中小国経済にもたらすリスクについて示すべき指針である。
気候変動と経済移行の課題・機会
- リスクと影響:
- 気候変動による劇的な影響は世界的に大きな負の影響をもたらす。
- 財政収入を化石燃料開発に大きく依存する国では、クリーンエネルギーへの移行が極めて痛みを伴う。
- 機会:
- リチウムや銅などの天然資源を持ち、再生可能エネルギーで比較優位性を持つ国には好機がある。
- 今後数年間はプラスの追い風が期待されうるが、実現には困難が伴う。
- 必要な対応:
- 気候変動対策資金を適切に管理するための健全な制度が不可欠。
- 水不足、気候変動による難民、エネルギー安全保障などの課題への対応が必要。
- IMFは技術支援や他のパートナー機関との融資を通じて各国の取り組みを支援することが求められる。
多国間主義の重要性と政策含意
- 多国間主義とIMFの役割:
- 中南米の持続的成長と経済の安定は、多国間主義とIMFの第1条に定められた中核的使命の達成にかかっている。
- IMFは第1条の目標を見失うことなく、さらにいっそう強化しなければならない。
- 国際的プレーヤーの重要性:
- 米国は国際金融構造を機能させ、西側世界での平和的繁栄を維持する上で大きな役割を果たしてきた。米国が国際主義から離脱すれば、グローバリゼーションにとって重要な歯車を失う恐れがある。
- 中国は中南米を含む国際貿易と世界情勢における主要な経済プレーヤーになっている。
- 米中両国による建設的なアプローチが、今後数十年間にわたって平和的な多国間主義を支えるために必要である。
- 行動の方向性(政策提言の要旨):
- IMFは中南米のニーズに応じて適応し続けること。
- 多国間主義を強化し、国際協力を通じて経済分断と気候リスクの影響を軽減すること。
- 各国は建設的な役割を果たし、制度強化と資源管理を進めること。
著者
- パブロ・ガルシア=シルヴァはアドルフォ・イバニェス大学ビジネススクール教授で、現在はIMF独立評価機関の外部評価を行うパネルの議長を務める。元チリ中央銀行副理事、IMF理事会理事。
出典: ファイナンス&ディベロップメント - セレクト記事, パブロ・ガルシア=シルヴァ, 2024年6月