高齢化こそが真の人口爆弾である
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- 高齢化こそが真の人口爆弾である
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- Authors: DAVID E BLOOM, LEO ZUCKER
- Published: December 9, 2022
概要
- 世界人口は「2022年11月15日」に80億人のマイルストーンに達した。70億人から80億人に到達するまでに「僅か12年」しか要さなかった。
- もはや「最も厄介な課題」は急激な人口増加ではなく「高齢化」である。
- 高齢化への対応には、行動変化、人的資源とインフラへの投資、政策・制度の改革、技術革新を組み合わせた周到な準備が必要である。
現状とトレンド(主要な事実と数値)
- 新型コロナウイルス感染症の世界的流行では、直接的・間接的な関連死者数が「1,500万人」に及ぶと推計され、流行開始から2年間で世界の平均寿命を「約2年」縮めた(UN DESA 2022)。
- 国連の予測では、年間に人口が減少する国の数が「2022年の41か国」から「2050年の88か国」に増加すると示唆されており、中国も人口減少国に入っている。
- インドは「2023年」に中国を追い越して人口最大国になると思われるが、平均年間人口成長率は「2020年–40年で0.7%」と見込み、世界平均値の「0.8%」を下回る。
- 世界の平均寿命は「1913年の34歳」から「2022年には72歳」まで上昇し、今後も上昇が見込まれる。
- 国際連合とWHOが設立された時点では「15歳未満の児童の数は65歳以上の高齢者の7倍」だったが、両グループは「2050年までにほぼ同規模」になると見込まれている(Ataguba, Bloom, and Scott 2021)。
- 「2000年から2050年」までに、世界人口で「80歳以上のグループが全体に占める割合は4倍に拡大し、約5%」になると考えられている。
- 世界の各都市の人口率は「1950年に30%」だったものが「現在では57%」になっている。
- 世界人口の「96%を占める人々が今も出生国に居住している」。
健康・行動に関する推奨と現状
- WHOは「18歳から64歳の成人」に対して「1週間を通して150分から300分の中強度の有酸素運動」を推奨している。
- 「65歳以上の高齢者」に対しては、バランスと筋力トレーニングを「週3日」行い身体活動を増強することを推奨している。
- 世界で「4人に1人の成人」はこれらの標準を満たしていない(WHO 2020)。
- WHOの青少年向け推奨「1日60分」は、人口の「80%以上」が満たしていない(WHO 2020)。
- 提案されている取り組み例:
- 徒歩や自転車での移動を支援する政策、学校・地域・職場・医療システム・政府を巻き込んだインセンティブと安全な空間の提供。
- 健康な食生活の奨励(糖分、ナトリウム、飽和脂肪、カロリーの少ないもの)。
- タバコ消費や危険なアルコール摂取の抑制。
人的資本・インフラ・制度の優先事項(政策提言)
- リプロダクティブ・ヘルスを改善し、満たされていない家族計画のニーズを解消すること。
- 労働年齢人口の割合が低下しても「1人当たり経済成長率の持続」に焦点を定めること。
- 研修や技能プログラムを強化し、母親や高齢者など低参加率グループの労働参加を促進する。
- 初等中等教育への投資で必須技能を教え、革新者を養成する。
- 退職制度の改革:退職年齢に選択肢を増やし、退職に備えた個人の貯蓄インセンティブを高める。
- 長期介護システムの開発・強化、疾病の予防と早期発見の推進。
- 移民制限の緩和は実用的措置として求人数と労働人口のミスマッチを解消する可能性があるが、頭脳流出の懸念も存在する。
- インフラ投資は高齢者に配慮した健康的な空間創出に焦点を当てるべきである。
- 居住・商業施設でのクリーン燃料利用と換気の優れた建物。
- 公共交通機関の電動化や移動能力の低い高齢者の利便性を優先した都市計画。
国際移住と送金の役割
- 国際移住の余地は大きく、移住拡大は受入国の労働力不足を補う一方で出身国への送金増加により経済発展を支援する可能性がある。
- 世界銀行の試算:送金手数料が「2%」低下すると、低中所得国出身の国外出稼ぎ労働者にとって年間「120億ドル」の節約になると推計されている(Ratha et al., 2022)。
- 移住自由化は高技能労働者の国外流出(頭脳流出)を促す懸念がある。
技術革新とデータの重要性
- 医療技術(安全で効果的なワクチンや装着型モニタリングセンサー)、支援機器(ロボット)、情報技術(相互運用可能な電子カルテや集団レベルの高品質データ)は高齢化対応に大きな可能性を持つ。
- 量・質ともに優れたデータは高齢者の生活を理解し、改善政策を策定するために重要である。
- こうした開発へのインセンティブは将来的に高い効果をもたらす可能性がある。
パンデミックからの教訓と高齢化への応用
- パンデミックから学ぶべき点:
- 社会で最も脆弱な人々のケアの不備を特定する必要性。
- 在宅者をつなぐ技術の役割。
- 長期的な健康効果をもたらしうる仕事と家庭のバランスの再評価。
- 精神衛生の重要性の再認識。
- 高齢化とその課題は、社会が方向転換し再活性化するチャンスであり、最も重要なのは「準備を万全に整えること」である。
出典: ファイナンス&ディベロップメント セレクト記事「高齢化こそが真の人口爆弾である」(デビッド・E・ブルーム、レオ・M.・ザッカー、2023年6月)