目的融資後評価(PFA)[1]は、返済残高が、クォータに基づいて、もしくはSDRの額で、しきい値を超えており、かつIMFが支援するプログラムやスタッフ監視プログラムがない国が受けることとなっています。PFAは、加盟国の政策のほか、中期的な健全性目標とマクロ経済枠組みの整合性、それによる加盟国のIMFへの返済能力に対する影響を評価します。

 

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目的

IMFへの返済残高が高く、かつIMFが支援するプログラムやスタッフ監視プログラムがない加盟国と、より緊密な連携を維持します。PFAは、これらの加盟国のIMFへの返済能力を評価することにより、究極的にIMFの資金を危険にさらす可能性のある状況や政策を早期に見つけ出すことを目的とします。リスクを早期に特定することで、加盟国がリスクに対処し、IMFへの返済に役立つ政策に関してIMFが助言する機会となります。 

基準

IMFに対する返済残高が以下のしきい値のいずれかを超えた場合、IMF専務理事が 理事会にPFAを推奨します。

  • IMFの一般資金勘定(GRA)からの融資、貧困削減・成長トラスト(PRGT)の受託国としてIMFからの融資、強靭性・持続可能性トラスト(RST)の受託国としてIMFからの融資、またはこれらの組み合わせの融資に関して、クォータの200%
  • GRAから融資に関して15億SDR
  • PRGTからの融資に関して3億8,000SDR 
  • RSTからの融資に関して返済残高が3億8,000万SDR

かつ、IMFが支援するプログラムまたはスタッフ監視プログラムがない国。

場合によっては、上記のしきい値達してもPFAは必要ありません。後継の融資取極か、 PCIPSISMPが 6か月以内に承認されると予想される場合、または加盟国の政策と対外ポジションが十分に強力でありPFAが正当化できないと判断された場合です

一方、返済残高が上記のしきい値を下回っている場合でも、PFAが必要になることがあります。これは、経済状況の展開によって健全な対外ポジションへの進展が危うくなる場合です

タイミング

融資プログラムの最終レビュー時に、国の返済残高が指定されたしきい値のいずれかを超えると予想され、後に続くプログラムが想定されていない場合、IMF理事会PFAの実施を決めます。ただし、理事会は、プログラムのレビューとは関係なく単独でPFAの実施を決定することができます

期間

IMFに対する返済残高が該当するしきい値を下回るか、新しい取極めや、PCI、SMPが承認されるか、理事会がIMFマネジメントからの早期終了の提案を受け入れるまで実施されます。

IMF理事会は、強力な政策が実施され、対外ポジションが健全であれば、残高がしきい値を下回る前であっても、PFAの中止に同意することができます

プロセス

各国は、IMFの政策助言サイクルよりも頻繁にIMFとの正式な協議を行い、マクロ経済政策と構造政策のほか、国の対外ポジションの健全性やIMFへの返済能力に影響を与えるリスクに焦点を当てます。通常、12か月間に一度、単独のPFAスタッフレポートが理事会に提出されます。


 

[1] PFAは2021年5月以前、「プログラム後モニタリング (PPM)」 と呼ばれていた。PPMは、網羅する範囲をより適切に反映するためにPFAへ名前が変更された。

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更新は 2024年5月でした