気候目標を達成するために、世界はさらなる政策的野心、 民間資金、革新を必要としている
IMF Blog, November 27, 2023
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- 気候目標を達成するために、世界はさらなる政策的野心、 民間資金、革新を必要としている
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- Authors: Simon Black, Florence Jaumotte, Prasad Ananthakrishnan
- Published: November 27, 2023
現状の評価と主要な発見
- 地球の気温上昇を1.5~2℃に抑え、2050年までに排出量実質ゼロを達成するには、二酸化炭素およびその他の温室効果ガスを2030年までに、2019年と比較して25~50%削減する必要がある。
- 現在の世界的コミットメント(各国が決めた目標に反映されるもの)は、2020年代末までに排出量をわずか11%削減するに過ぎない。
- 現行政策はコミットメントと一致しておらず、同じ政策を続ければ世界の年間排出量は2030年までに4%増加し、2035年までに上昇気温が1.5℃目標を超える累積レベルに達する見込みである。
- 低炭素技術の特許出願は2010年に出願総数の10%に達して以降、減少している。主要技術の新興市場国および発展途上国への普及も十分な速さではない。
必要な野心と政策変更(排出削減目標と手段)
- 公平なアプローチとして、各国は一人当たり国民所得に応じた排出量削減目標を設定するべきである。具体例として:
- 気温上昇を2℃以内に抑えるには、2030年までに各グループがそれぞれ排出量を39%、30%、8%、8%削減する必要がある(高所得国、高中所得国、低中所得国、低所得国)。
- 気温上昇を1.5℃未満に維持するには、高所得国と高中所得国がそれぞれ60%と51%の削減を実現する必要がある。
- 大規模な政策変更が必要であり、その中心は堅固な炭素価格である。具体的目標値として、2030年までに世界平均で少なくとも1トン当たり85ドルまで引き上げることが理想とされる。
- 炭素価格は脆弱層を支援するための歳入を生み出し得る。炭素価格付けがもたらす歳入の約20%で、最も貧しい30%の世帯を十二分に補償できる。
- 化石燃料補助金は有害であり、過去最高の年間1兆3000億ドルという明示的な財政コストを生んでいる。各国はこれらの補助金を廃止する行動を取るべきである。
- 世界レベルでは、炭素価格付けが国の経済的競争力を弱める懸念を和らげるための協力が必要。主要排出国間での進歩的合意(例として中国、欧州連合、インド、米国間)が成立すれば、世界の温室効果ガス排出量の60%以上をカバーし、他国に強いシグナルを送る可能性がある。
気候ファイナンス(投資と資金フロー)
- 2050年までに排出量実質ゼロを達成するには、2020年に9000億ドルだった低炭素投資を、2030年までに年間5兆ドルに増やす必要がある。
- このうち、新興市場国および発展途上国(EMDE)は年間2兆ドルを必要としており、この額は2020年から5倍に増えた。
- 先進国が毎年1000億ドルを提供するという約束を果たしたとしても、低炭素投資の大部分は民間部門から提供されなければならない。
- 新興市場国および発展途上国では2030年までに、気候ファイナンスに占める民間部門のシェアを全体の40%から90%に拡大しなければならない。
- この拡大には、以下の障壁を克服するための幅広い政策ミックスが必要である:外国為替および政策リスク、資本市場の発展の遅れ、投資可能なプロジェクトの少なさ。
- 政策対応例:的を絞った経済政策とガバナンス改革により資本コストを下げる、民間資本と公的資金・ドナー資金を組み合わせるブレンドファイナンス(ファースト・ロス資本、信用補完、保証など)でグリーンプロジェクトのリスクプロファイルを緩和する。
- プロジェクトの透明性と比較可能性の向上、分類の標準化、気候関連の開示要件の強化といった世界的政策も投資家の低炭素選択を支援する上で不可欠であり、ここでも国際協力が重要である。
革新と技術普及の拡大
- 2030年までに排出量を半減させる必要があるが、その削減の80%は現在利用可能な技術で実現可能である。
- しかし2050年までの実質ゼロ達成には、現在開発途中の技術やまだ発明されていない技術が必要とされる。
- 低炭素技術の普及を加速するために、固定価格買取制度や排出量取引スキームといった気候政策が有効であり、これらはグリーンイノベーションと投資フローを促進し、低炭素技術が国境を越えて普及する助けとなる。
- 一部の国々では貿易障壁の低減により、低炭素技術の輸入を20~30%加速できる。保護貿易措置を避けるための協力も重要である。
IMFの支援と国際協力の必要性
- 気候政策がマクロ経済政策と交差する分野では、IMFが支援可能である。
- IMFの強靭性・持続可能性トラストは、脆弱な中・低所得国が気候変動などの脅威に対処するための無理のない条件での長期融資を提供する。
- この400億ドルのトラストはすでに11か国のプログラムをサポートし、その2倍の数のプログラムが現在開発中である。
- IMFはより幅広い加盟国向けに、経済分析、政策助言、能力開発、データ提供に気候のレンズを加えて支援する。マクロ経済および金融部門の政策は、低炭素で強靭な成長と雇用に向けたグリーン移行の機会を活用するために必要不可欠である。
- 最後に、いかなる国も単独では気候変動に立ち向かえないため、国際協力がかつてないほど重要であり、協調的な行動を通じてのみ健康な地球を次世代に引き継ぐことができる。
出典: IMF ウェブ記事「気候目標を達成するために、世界はさらなる政策的野心、 民間資金、革新を必要としている」