IMFと世界銀行の連携を拡大 IMF専務理事と世界銀行総裁の共同声明
IMF News, September 7, 2023
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- Published: September 7, 2023
世界が直面する主要課題と連携の必要性
- 世界は「気候変動による存亡の脅威とデジタル化への対応を、これまで以上に頻発する危機と増大した債務、多くの国での対応政策余地の縮小と地政学的緊張の高まりという情勢下で」直面している。
- 世界経済の成長は鈍化し、中期成長見通しは「過去30年余で最も低い水準」にある。
- 貧困削減に向けた取り組みが停止している。
- 世界は「地経学的分断、気候変動によって悪化した極端な自然災害、公的債務水準の上昇」に直面している。
- 急速なデジタル化と技術変革はリスクとチャンスを同時に生み、周到に設計され、適切に順序付けされた改革を伴うデジタル化とグリーン移行は「多大な経済的、社会的、環境的利益をもたらし、福祉と繁栄の増進を可能とする」。
IMFと世界銀行の役割分担と連携方針
- 連携は「加盟国の人々、企業、機関に具体的な利益をもたらす」ことを目的とする。
- 世界銀行は「持続可能な成長と構造変革の追求、クライアント国における実体的な共同作業など多様なスキルと経験」を有する。
- IMFは「マクロ経済と金融の安定を支援し、成長と持続可能性に資する経済状況を促進する能力」を有する。
- 取り組みは世界、地域、国レベルで「取り組みを緊密に調整し、資源を効率的かつ効果的に活用する」ことに重点を置く。
- 両機関は既存の協調枠組み(例:1989 年の「合意(Concordat)」、2007 年の「共同管理行動計画(Joint Management Action Plan)」)を踏まえ、協力を前進させる。
気候変動:協働の構造化と制度化
- 気候変動は「世界の平和、安全、経済の安定、発展に対する脅威」であり、すべての加盟国が「気候と開発の目標を整合できるよう支援する」必要がある。
- 世界銀行の施策・ツール:
- 「気候変動行動計画」
- 「国別気候・開発報告書(CCDR)」
- 開発政策融資、投資および成果融資プログラムによる資金提供
- IMFの施策・ツール:
- 4条協議の一環としてマクロ経済的に重要な気候問題への対応を含む新たな気候戦略
- 専門分野での技術支援の拡大
- 「強靭性・持続可能性トラスト(RST)」の設立(マクロ的に重要な気候変動改革を実施している脆弱な国に手頃な長期資金を提供)
- 協働拡充の具体措置:
- 新たな「世界銀行・IMF気候諮問グループ(Bank-Fund Climate Advisory Group)」の会議を公式化
- 同グループは「2か月ごとに会合を開き」、CCDRの結果、国レベルの気候分析作業、主要プロジェクトのパイプラインや政策ベースの融資(世界銀行のDPLとIMFのRSTからの融資)等を議論する。
債務脆弱性:共同対応と枠組み改善
- 債務脆弱性の高まりは連携強化と専門性活用を「改めて緊急に」求めている。
- 取り組みの方向性:
- 債務管理、透明性及び財政強化を支援する共同作業の強化
- 「共同の低所得国債務持続可能性枠組み」を改善して現在の課題をより良く説明
- 債務再編に取り組む債権者と債務者への支援を深め、世界ソブリン債円卓会議で立ち上げた取り組みを基礎に、共同枠組みのもとでの再編プロセスの改善にパートナーとさらに協力する。
デジタル移行:包摂的成長とリスク管理
- デジタル移行は「開発の最前線」にあり、経済成長を加速させ、国民をサービスや仕事に結び付ける機会を提供する。
- ギャップと課題:
- 「2022 年時点でも 30 億人近くの人が依然インターネットへのアクセスがなく、その大多数は発展途上国に居住」している。
- 国家間および国内でのデジタル製品利用の格差が残る。
- 世界銀行の役割:
- 新興国および発展途上国政府と連携し、規制とインフラ制約に対処
- 金融包摂と低コストの決済システム促進
- 政府のサービスと業務のデジタル化の支援
- IMFの役割:
- 金融システムの健全性と安定性を維持しつつ、新しい金融テクノロジーの幅広い利用を促進
- 金融セクターにおけるデジタル変革支援に重点
- 両機関の共同作業:
- 国境を越えた決済の改善策
- 「20カ国・地域(G20)が定めた国際決済の拡大のロードマップ」の実行支援
- 決済方法の革新による成長、貧困削減、雇用創出促進に資するリスク軽減策の実施
- 各国の歳入徴収と支出システムの有効性向上支援により、デジタル技術の恩恵を享受できるよう支援する。
資源動員と制度構築支援
- 世界銀行とIMFは「出資者やパートナーと協力して、今日世界が直面する複雑な課題に対処するために必要な多大な資源を動員する」。
- 資源動員は「国内と外部の両方の資源を必要とする」。
- 支援強化の方向:
- 効率的な公共支出と健全な債務及び財政運営を実現するための強力な税制政策及び行財政制度の構築支援を強化
- 強力な国内金融市場の発展を支援する取り組みを継続
歴史的文脈とコミットメント
- ブレトンウッズ機関は「1944 年に設立」され、過去「80 年間に世界経済が変化する中、世銀・IMFは加盟国のニーズに応えるための適応と緊密な連携を継続」してきた。
- 両機関は「加盟国のための成果に焦点を絞り」連携を強化していく意向を明確にしている。
出典: クリスタリナ・ゲオルギエバ(IMF専務理事)とアジェイ・バンガ(世界銀行グループ総裁)の共同声明(プレスリリース No. 23/305、2023年9月7日)