world-economic-outlook-update-july-2021
World Economic Outlook, March 2021
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- Published: March 18, 2021
概要と主要メッセージ
- 2021年4月の「世界経済見通し(WEO)」予測以降、経済見通しをめぐる各国間の差はさらに拡大している。
- ワクチンへのアクセスが世界経済の回復を二分する主要な断層線として浮上している。
- ワクチンを利用できる国々(ほぼすべての先進国)では本年後半に経済活動のさらなる正常化が期待できる一方、ワクチンアクセスが限定される国々は感染の再拡大や死者数増加に直面する可能性が高い。
- 現在感染者数が非常に少ない国々でも、他地域でウイルスが流行している限り回復は確実ではない。
成長率予測と改訂
- 世界経済は2021年に6.0%、2022年に4.9%の成長を遂げると予測されている。
- 世界全体の2021年の成長率予測は2021年4月WEOの数値から変わっていないが、相互に相殺し合う修正がなされている。
- 新興市場国・発展途上国についてはアジアの新興市場国を中心に2021年の見通しが下方修正されている。
- 先進国の見通しは上方修正された。
- 2022年の予測が0.5%ポイント上方修正されているのは、先進国、とりわけ米国の予測が上方修正されたことに主に起因している。
物価動向と金融政策の示唆
- 最近の物価上昇圧力は、主としてパンデミックに関連した異例の動きと一時的な需給ミスマッチを反映している。
- これらの混乱が一巡すれば、不確実性は高いままでも物価上昇率は2022年には大半の国でパンデミック以前のレンジを回復すると見込まれる。
- 一部の新興市場国・発展途上国では、食料価格の上昇などに関連して物価上昇率が高い水準となることが予想される。
- 中央銀行への示唆:
- 概して一時的な物価上昇圧力を無視し、基調的な物価ダイナミクスがより明らかになるまでは引き締めを回避すべきである。
- 金融政策見通しに関する中央銀行の明確なコミュニケーションがインフレ期待を形成し、金融環境の時期尚早なタイト化を防ぐ上で鍵となる。
- ただし、一時的な圧力がより持続的なものに変わるリスクがあり、中央銀行は先制的な対応を求められる可能性がある。
下方リスクとシナリオ
- ベースライン予測を取り巻くリスクは下向きである。
- 主な下方リスク要因:
- ワクチンの普及が予想よりも遅れるとウイルスのさらなる変異を可能にする。
- インフレ期待が予想よりも速く上昇した場合に先進国で金融政策見通しの見直しが行われることで金融環境が急速にタイト化する可能性。
- 新興市場国と発展途上国がパンデミックの悪化と外部金融環境の悪化という二重の打撃に見舞われる場合、回復が後退し世界経済の成長率がベースラインを下回る可能性。
多国間行動と政策提言
- 多国間行動は各国間の格差を縮小し、世界経済の見通しを改善する上で非常に重要である。
- 当面の優先事項は世界全体で公平にワクチン接種を進めること。
- 提示されている提案とその効果:
- 世界保健機関(WHO)および世界貿易機関(WTO)、世界銀行によって承認されたIMF職員による500億ドルの提案は、パンデミックを終息させるために明確な目標と実践的な施策を現実的な費用で提示している。
- 資金調達上の制約を抱えている国々は国際流動性へのスムーズなアクセスが必要である。
- IMFが提案した6,500億ドルの特別引出権(SDR)一般配分は、すべての国の準備資産を増強し流動性の制約の緩和に資する。
- 気候変動対応についても、各国は温室効果ガス排出削減のために共同の取り組みを強化する必要がある。
- 協調的かつ正しく方向づけられた政策が実施されれば、すべての国が持続的な回復を享受する未来となり得る。一方で、多国間行動が不十分であれば、回復が進む国とそうでない国との断層が広がる未来が現実化する可能性がある。
world-economic-outlook-update-july-2021 — IMF web landing page
Content in this bundle
- 世界経済見通し(WEO)改訂見通し; 世界経済回復の断層線 亀裂の広がり; 2021年7月