IMF に つ い て



IMFの公文書資料
(ファクトシート)

2002年8月

IMF公文書資料へのアクセス

開放性と透明性を高める努力の一環として、1999年3月、IMF理事会は公文書資料へのアクセスに関する規則を緩和しました。この結果、一般に公開される情報の範囲が格段に広げられました。これには5年以上を経た理事会文書と、20年以上を経たその他公文書資料が含まれますが、「限定」、「秘」、「極秘」として指定されたものは除外されます。一般的慣習にならって公開対象から外されているのは、①弁護人と依頼人間の権利により保護されている法的文書②加盟国及びその代表機関、中央銀行を含む外部関係先からIMFに提供された秘密文書類で提供者が公開に同意した以外のもの③個人的内容のファイル及び個人に関する医療その他の記録④IMF苦情処理委員会の文書及び議事次第です。

IMF公文書資料閲覧の申し込み

現在受付け可能なのはワシントンD.C.にある公文書館での閲覧だけです。公文書館を訪問するには最低でも10営業日前に電話、ファックス、Eメール、郵便のいずれかでの申し込みが必要です。お申し込みの際、調べたい項目について出来るだけ具体的にご説明いただければ、役に立つと思われる資料を見つけ出しご訪問時までに取り揃えておくことができます。受付後、記録文書係が受領確認とともに、あなたの研究主題に関する事前調査の結果と手続き全般を解説した公文書館利用に関するIMFの規定説明書をお送りします。

公文書館の閲覧室はワシントンD.C.の市街にあり、利用時間は月曜~金曜9:30 a.m.から5:00 p.m.までです。

連絡先:

The Archivist, International Monetary Fund

電話: +1 202-623-5950

ファックス: +1 202-623-7175

Eメール: archives@imf.org

郵送宛名:

International Monetary Fund

Archives and Records Management, Room CN-200

700 19th St., NW,

Washington, D.C. 20431

保管公文書の内容

1946年の設立以来、IMFがその公文書資料を幾つかのコレクションに分類して管理してきましたが、その内容は以下の通りです。

セントラルファイル・コレクション

「セントラルファイル」は広範囲のIMFの記録、すなわちIMFの組織、政策、手続き、重要な事業と活動などに関する通信文、覚書、理事会および事務局作成の文書から成っています。管理職と上級職員の作成文書と関連資料は組織としての記録の重要な部分を成しています。注意を要するのは「セントラルファイル」が中央登録簿として機能したことは一度もなかったという点です。それでも、IMFが長年行ってきた活動を分析するには最も豊かな情報源であると考えられています。経済や開発に関連する諸問題の様相をユニークかつグロ-バルな視点から示しているので、IMF加盟国、学術団体、20世紀後半の経済及び金融の発展に興味を持つ個人にとって興味深い資料となっています。この「コレクション」には政策の立案に関する情報が入っており、加盟国やその他の国際機関との関係も含め、IMFの姿勢、行動、関心事などを反映するものです。「セントラルファイル」の内容としては、加盟全184カ国の国別総合ファイル全巻、加盟国の経済情勢に関する協議を含む年次及び隔年次の加盟国とのサーベイランス(政策監視)に関する報告書(第4条協議及び最近の経済状況に関する事務局報告書)、加盟状況ファイル、IMFプログラムへの加盟国参加状況ファイルおよびIMFの使命に関係が深い経済問題に関する主題別ファイルなどがあります。また、同コレクションはブレトンウッズ会議で使われた書類の実物を収蔵しています。

写真及びAVコレクション

このコレクションは、スチル写真(ブレトンウッズ会議の写真も含む)と録音から成っており、理事、理事代理、専務理事、副専務理事、部長、局長の肖像写真、歴代理事会の集合写真、年次総会の写真、新規加盟国のIMF加盟式典その他特別行事関係の写真などがあります。録音には年次総会、暫定委員会(現在は国際通貨金融委員会)議事、その他の主要行事の録音テープがあります。

AV所蔵品の一部として、IMF公文書館は1946年から1962年の間に行われた、さまざまなスピーチや演説の写真記録を多数保持しています。年数を経ているため、それらのアルバムは最近CD上に復元されました。録音の大半は、フランスのパリで開催された、1950年度年次総会(第5回年次総会)のものです。初代専務理事カミユ・グット氏のスピーチや、第3代専務理事ペル・ヤコブソン氏のテレビ出演映像も入っています。

理事会文書

IMF理事会及びその委員会の文書で、収録され索引が付されたものとしては、会議の議題及び議事要約、政策文書、情報通達、加盟国訪問ミッションの報告書、財政、通貨、経済政策問題に関する論文などがあります。印刷物に加え、過去の理事会記録のマイクロフィルム版もあります。1959年から1983年までの理事会文書全部と、1946年から1958年までの理事会議事録の索引目録も調査の参考用に閲覧可能です。

1946年から1980年までの組織関係公文書資料

これはセントラルファイル・コレクションを補足するもので、各部署の記録の中から、証憑としての、または法的、歴史的な価値を基準に選ばれたものから成っています。これらは、IMFの実務担当部署の過去の活動を記録した文書で、統計データ、金融活動と政策に関する背景資料、IMFプログラム、加盟国その他相手先との関係などを含んでいます。

その他の情報ソース

「国連通貨及び金融会議」(1944年7月1~22日、米国ニューハンプシャー州ブレトンウッズにて開催)の会合がIMFと国際復興開発銀行(世界銀行)の設立に繋がりました。このブレトンウッズ会議に関連する最も包括的な資料が揃っているのは、米国公文書記録局(米国)、公共記録庁(英国)、同会議参加国の国立公文書館です。

IMF公文書館で入手可能なもの以外の情報ソースとしては、世銀・IMF共同図書館とIMF対外関係局があります。

IMF公文書資料を読んで理解を深められる項目

理事会文書とIMFの内部的作業資料類は、経済に関する研究と分析、歴史的研究、国際金融システムの進化に関する研究に役立つ、生の資料を得るのには恰好の情報源です。

含まれている論題は下記の通りです。

個々の加盟国との関係

官僚の研修を含む技術援助

IMFの財務構造と財務局の業務

固定相場制の崩壊

特別引出権(SDR)の創設

国際金融システム改革に関する20カ国委員会による作業

暫定委員会(現在の国際通貨金融委員会)

IMF協定の修正

返済期限超過債務と期限後返済

ラテンアメリカ金融危機の始まり

債務救済とブレイディ・プラン

ソビエト連邦消滅後のIMF加盟国構成のグローバル化と、移行過程におけるIMFの役割

IMFの資金基盤の活用とIMFのコンディショナリティー

IMFのファシリティーと関連政策

〇 スタンドバイ取極(SBA)

〇 拡大信用供与ファシリティー(EFF)

〇 輸出変動補償融資制度(CCFF)

〇 バッファーストック融資ファシリティー(BSFF)

〇 構造改革ファシリティー(STF)

〇 構造調整ファシリティー(SAF)

〇 拡大構造調整ファシリティー(ESAF)

〇 重債務貧困国イニシアチブ(HIPC)

IMFによる借入

〇 一般借入取極(GAB)

〇 新借入取極(NAB)

〇 オイルファシリティー

〇 補完的融資ファシリティー

公文書館のサービス

公文書館職員はリサーチャーにガイダンスを提供し、興味を持つ分野について深く調査出来るよう、関係資料を探し出すことができます。

公文書館への訪問は、訪問希望日の少なくとも10営業日以前に、郵便、ファックス、または電話で予約が可能です。申し込みにあたって、調査の主題に関する詳細な情報をお知らせください。申し込みを受領した公文書係は、調査主題に関連した資料の予備的な検索結果と手続き全般を説明した、公文書アクセスに関するIMF規則解説書を含めた通知を送ります。

事実関係の情報の要求に対しては公文書館職員が簡単な回答を提供できますが、さらに内容の濃い、または分析的な作業を要するものについては、リサーチャー自身に直接公文書館を訪問してもらうことにしています。

入館後、検索方法と閲覧室利用手順の説明を受けて頂き、お手伝い役の公文書館職員をご紹介します。

IMFの歴史と印刷された索引を含む参考書籍類は、閲覧室での使用が可能です。

ノートパソコンの持ち込みは許されており、データポートは研究室のものが使えます。

資料の量によっては、リサーチャーが探し出した資料のコピーを、公文書館職員が訪問後に郵送することも可能です。最初の50枚までは無料ですが、それ以上は1枚ごとに10セントお支払い頂きます。IMF公文書館は、調査研究者に郵送費を請求する権利を有します。