大災害抑制・救済基金
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- Published: August 30, 2023
CCRTの概要
- 大災害抑制・救済基金(CCRT)は、壊滅的な自然災害や公衆衛生災害に見舞われた最も貧しく脆弱な加盟国に対して、債務救済に充てる無償資金を提供する制度である。
- IMFへの債務返済の負担を軽減することで財源を確保し、加盟国が災害によって生じた大きな国際収支上のニーズを満たす助けとしたり、被害の抑制や回復に充てたりすることができる。
設立の経緯と財源
- CCRTは2015年4月に前身であるPCDR基金を拡大し、エボラ出血熱などの急速に流行が拡大する感染症を対象に含めて設立された。
- 2020年3月にIMFは新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受けた最も貧しく脆弱な加盟国に対する即時的な債務救済支援を提供するため、CCRTの改革を採択した。
- CCRTの設立当初の財源は、前身の大災害後債務救済基金(PCDR)と多国間債務救済イニシアティブによる資金調達の残高である。
- 新型コロナのパンデミックを受けて、2020年4月にIMFは緊急の資金調達活動を開始し、CCRTが2年間債務返済のための資金援助を提供する財源と、将来のニーズに応じるための十分な資金を確保した。
- 最初の資金調達目標は10億SDR(14億米ドル)であり、これまでに18のIMF加盟国およびEUが合計約6億SDR(約8億米ドル)を拠出した。
- 更新は 2023年3月である。
救済対象となる国(適格性基準)
- CCRTの援助は貧困削減・成長トラスト(PRGT)下で適格性を有し、一人当たり所得が国際開発協会(IDA)のオペレーショナル・カットオフ値未満の加盟国が利用できる。
- 自然災害による救済資格基準(いずれかを満たす場合):
- 人口の3分の1が直接的な影響を受け、当該国の生産能力の4分の1超が失われたと推定される場合、もしくは
- GDPの100%を上回る被害を被ったとみなされる場合。
- 公衆衛生災害(伝染病・パンデミック)に関する救済資格基準(いずれかを満たす場合):
- 生命を脅かす伝染病が加盟国の複数の地域に影響を及ぼし、他国へ感染拡大する可能性がある、もしくはすでに感染が広まっている、そして深刻な経済的混乱を招いている場合。
- 「深刻な経済的混乱」とは、加盟国の実質GDPが累積で10%以上失われた場合、もしくは歳入減と歳出増が累計でGDPの10%以上に相当する場合を指す。
- 加盟国は、生命を脅かす感染症の世界的流行がIMFの加盟国全体に深刻な経済的混乱をもたらし、十分な追加的無償資金の提供と返済負担の軽減を通じて最も貧しく脆弱な加盟国を支援するための協調的な努力が正当化される国際収支のニーズが生じている時にも、CCRTの救済資格を得ることができる。
CCRTが提供する援助の内容
- 自然災害の場合: 加盟国はIMFへの債務返済について債務フローの救済を災害発生後の2年間受けることができる。
- 公衆衛生災害の場合: CCRTに十分な財源があれば、加盟国は最初の決定から最長2年間、今後のIMFへの返済に充てる資金を無償で事前に受けることができる。
- 実質的かつ長期的な国際収支上のニーズが生じ、債務救済によって確保された財源がこうしたニーズを満たすために不可欠な場合には、IMFへの返済を完全に免除することも可能である。通常、これは非常に高い水準の債務を抱える加盟国に限られる。債務残高の救済は、加盟国の債権者による協調的な債務救済努力とCCRTの財源が利用可能であることが条件である。
CCRTによる支援の実績(主な数値と事例)
- 2020年4月14日から2022年4月13日の2年間で、IMFへの返済義務がある合計31のCCRT適格国が6億9,000万SDR(9億2,700万米ドル)の債務救済を受けた。
- 2021年12月、IMF理事会は新型コロナウイルスのパンデミックに関連する支援のための最終ラウンドの第5次トランシュを承認した。
- エボラ出血熱の影響を受けた3か国(ギニア、リベリア、シエラレオネ)は2015年2月と3月にCCRTから約1億ドルの援助を受けた。
- ハイチは2010年7月に前身の大災害後債務救済基金から約2億7,000万ドルの援助を受け、これによりハイチのIMFへの債務が全額免除された。
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