新型コロナ収束に向けた提案
IMF Blog, May 21, 2021
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- 新型コロナ収束に向けた提案
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Bibliographic details
- Authors: Kristalina Georgieva, Gita Gopinath, Ruchir Agarwal
- Published: May 21, 2021
概要と現状認識
- 世界保健機関(WHO)、世界銀行、Gaviワクチンアライアンス、アフリカ連合などが対策を強化している一方で、新規感染者数は過去最高水準にある。
- 経済復興には既に危険なほどの乖離が生じており、ワクチンや診断・治療の普及における富裕国と比較的貧しい国々との格差が拡大する恐れがある。
- 2021年4月末時点のワクチン接種状況:
- アフリカ:人口の2%に満たない。
- アメリカ:人口の40%以上が少なくとも1回の接種。
- ヨーロッパ:人口の20%以上が少なくとも1回の接種。
- パンデミック対策は経済政策であり、パンデミックの収束は経済の完全回復に不可欠である。
目標
- 世界中でのワクチン接種目標:
- 2021年末までにあらゆる国で人口の少なくとも40%にワクチンを接種する。
- 2022年上半期までに少なくとも60%にワクチンを接種する。
- 下振れリスクの追跡と対策実施。
- ワクチン接種率の低い地域では広範な検査と追跡、治療薬の備蓄、公衆衛生対策を徹底する。
費用見積りと資金調達
- 提案の実施にかかる費用は約500億ドル。
- このうち最低でも350億ドルを無償資金援助(グラント)とすべきと主張。
- ACTアクセラレータが算出した無償資金の不足分は220億ドルであり、追加で130億ドルの無償資金の拠出が必要と推定。
- 残り約150億ドルは国際開発金融機関の融資制度の活用や各国政府の負担で賄うことを想定。
期待される経済的効果
- パンデミックをより迅速に収束させれば経済活動の再開が早まり、2025年までに9兆ドルを世界経済に投入するのと同等の効果が得られる可能性がある。
- そのうち、世界GDPの累積増加分9兆ドルの40%を先進国・地域が享受する見込み。
- 追加的税収はおよそ1兆ドルに達する見込み。
主な対策(勧告)
- 「ワクチン接種目標の達成」
- COVAXに対して少なくとも40億ドルの無償資金を即座に追加提供する。
- ワクチンの原材料と最終製品の国境を越える移動を自由化する。
- 余剰ワクチンを直ちに寄付する。2021年に少なくとも5億コース(接種およそ10億回分)のワクチンを寄付できると予測。寄付は輸送コストを含めCOVAXを通じて実施すべき。
- 下振れリスクが一切実現しなければ、上記の1~3の対策で2021年末までにワクチン接種率40%、2022年上半期までに60%という目標を達成すると予測。
- 「下振れリスクに備える」
- 2022年初頭までにワクチン製造能力を接種10億回分増強するため、アット・リスク投資を行う(80億ドル)。これにより91の低中所得国における下振れリスクに対応。
- ゲノム・サーベイランスとシステミック・サプライチェーン・サーベイランスを強化し、緊急時対策を整備する(30億ドル)。国際機関、ワクチン開発・製造企業、主要国政府が参画すべき。
- 「ワクチン供給が不足する期間を乗り切る」
- 広範な検査、十分な治療、公衆衛生対策を徹底し、ワクチン接種体制の準備を進める(300億ドル)。
- ワクチンの実効的供給を増やすため、1瓶から接種可能な回数を増やす方策(正式に承認された場合に限る)を評価・実施する(20億ドル)。
- 必要な追加的対策には30億ドルかかる。
- これら4~7は下振れリスクに備え、ワクチン供給が不足している間の健康被害を抑えるために必要。
実施上の考慮点と補完関係
- 戦略には資金拠出やワクチン寄付のコミットメントに加え、先行実施と「アット・リスク」投資が必要。
- 本提案はG20のハイレベル独立パネルやG7のパンデミック準備パートナーシップ、「パンデミックへの備えと対応のための独立パネル(IPPR)」報告書を補完するもので、現在のパンデミックを制圧するために集中している。
- 実効性の確保には各国の協力が必要。
結論
- 世界全体で直ちに断固たる行動を起こし、比較的わずかな負担を引き受けることで、この保健危機から完全に脱却できる可能性がある。
新型コロナ収束に向けた提案