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日本-IMFアジア奨学金プログラム・ニューズレター
JISPAセミナー:「アベノミクス:三本の矢は成功するか?」
2014年9月30日
vol 7. 2014年 12月
当ニューズレターはJISPA創設20周年を記念する2013-14学年度、年4回にわたり、JISPAの最新イベント、同窓生や現在の奨学生に関する特集記事をお届けします。JISPAは日本の大学院で経済学や公共政策関連分野の研究を望む、アジア太平洋地域諸国の経済関連省庁の幹部候補生に奨学金を供与しています。
最新号JISPA ニューズレター第7号では、2014年9月から11月までのJISPA の活動の中より、2014年9月30日に行われたJISPA セミナーと歓迎レセプションを特集します。また、成功を収めた同窓生の一人である、カザフスタン預金保険基金副会長のサウレ・シェノル氏のキャリアパスを紹介します。また、現役奨学生の代表として、ミャンマー中央銀行のタン・タン・ソエさんにもご登場いただきます。
JISPA ニュース
JISPAセミナーと歓迎レセプション::2014年9月30日に、IMF アジア太平洋地域事務所(OAP) のシニア・エコノミストであるガネリ氏は「アベノミクス:3本の矢は成功するか?」と題して、JISPA 奨学生と指導教授を招待してのプレゼンテーションを行いました。このプレゼンテーションは、2014年の日本とIMFとの第4条協議の概要を説明したもので、参加者の関心を集め活発な質疑応答につながりました。奨学生および教授たちは、特に金融部門、労働市場およびアベノミクスの「第3の矢」である成長戦略の一つの構造改革に焦点をあてて、質問およびコメントを行いました。
セミナー終了後、2014年新規奨学生(16カ国36名)のための歓迎レセプションが開催されました。財務省、関係大使館、各国中央銀行の東京駐在事務所の代表も出席し、奨学生の学業開始にあたりその成功を願いました。財務省国際機構課長の土谷晃浩氏は来賓挨拶を行い、奨学生がそれぞれのプログラムを無事終了することを願うとともに、人的ネットワークの構築を勧めました。インド財務省のアシスタントアドバイザーで、政策研究大学院大学の新規JISPA 奨学生であるシェウィータ氏が奨学生を代表してスピーチを行い、日本で研究する機会を得たこと対して日本政府とIMFに感謝するとともに、仲間の奨学生たちにこの経験を最大限に活用するよう呼びかけました。
続く
同窓生ニュース
もちろん、JISPAプログラムのもとでは、学生たちは基礎的な学術の範囲を取得する優れた機会を得ます。これ以外にJISPAは常に、知識と専門技術を共有する世界的な拠点となっています。学生はこのすべての機会を活用するべきです。また、ネットワークづくりが非常に重要であることを思い起こしたいと考えます。大学や修士プログラムで確立した絆は、結局は職業生活においても最強であることが多いのです。
サウレ・シェノル氏はカザフスタン預金保険基金副会長を11年間務めています。同氏は1996‐97年度のJISPA奨学生であり、埼玉大学大学院政策科学研究科(GRIPSの前身機関)の卒業生です。インタビューは以下のとおりです。
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現在、留学中のJISPA奨学生
JISPA での研究を通じて獲得した知識と技術を効果的、効率的に活用しようと考えています。そして、自国の経済部門や金融部門の発展プロセスとマクロ経済政策分析に参加したいと思います。同僚や他の政府職員と知識を分かち合い、自国の発展を促進したいと考えています。
タン・タン・ソエ 氏は現在ミャンマー中央銀行から留学休暇を取って参加しています。同氏は国際大学で研究している2013‐15学年度の奨学生です。読書とダンスが好きです。
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セミナーに対する奨学生のコメント: 9月30日にJISPAのセミナーに参加しました。「アベノミクス:3本の矢は成功するか?」と題して、ジョバンニ・ガネリ氏が講演しました。私たちJISPA 奨学生にとって、このセミナーに参加して専門家の見解について学ぶことは非常に光栄なことでした。アベノミクスは、世界中のエコノミストの大きな注目を浴びています。それは、日本が数十年に亘る低成長とデフレーションに対処するために、財政政策、金融政策および成長戦略という3本の矢を導入したからです。このセミナーでガネリ氏は、アベノミクスの実施前と実施後の日本経済の明確な変化を提示しました。また、消費、投資、インフレーション、輸出の4つの重要な問題を提起し、それぞれの問題に明確な解決策を出しました。最後に、日本は長期にわたって財政出動や金融緩和策を継続することはできず、持続的な成長のためには、中期的には財政の再建とコーポレートガバナンスの改革が必要だと提言しました。

JISPA の修士プログラム修了後、カザフスタン国立銀行に復帰し、国際収支局に勤務しました。これはJISPA プログラムに参加する前に所属していた部署です。私は主に関連する問題の学術研究に専心していたことを考えると、JISPA の修士プログラムは、この分野を総合的に取り扱う上で本当に助けになりました。日本でのJISPA プログラム修了後、マレーシア国立銀行でのインターンシップの機会を与えられました。
もちろん、JISPAプログラムのもとでは、学生たちは、基礎的な学術の範囲を取得する優れた機会を得ます。これ以外にJISPAは常に、知識と専門技術を共有する世界的な拠点となっています。学生はこのすべての機会を活用するべきです。また、ネットワークづくりが非常に重要であることを思い起こしたいと考えます。大学や修士プログラムで確立した絆は、結局は職業生活においても最強であることが多いのです。
経済、銀行業務、債券市場と株式市場の問題に関する知識を広げたいと思いました。さらに、先進国の経済を学び、自国のマクロ経済政策策定プロセスや経済発展プロセスに参加したいと思います。
既に研究したのは、マクロ経済学、ミクロ経済学、国際貿易、国際金融、高度な計量経済学、債券市場と株式市場のリターンの変動性、為替相場の変動、日本の銀行制度と金融システムです。
幸せな気持ちになった体験といえば、異なる文化的環境で育った留学生と会えたことです。また、日本の人たちは礼儀正しく規律があって大好きです。また、日本の発展をうらやましく思います。
JISPA での研究を通じて獲得した知識と技術を効果的、効率的に活用しようと考えています。そして、自国の経済部門や金融部門の発展プロセスとマクロ経済政策分析に参加したいと思います。同僚や他の政府職員と知識を分かち合い、自国の発展を促進したいと考えています。