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日本-IMFアジア奨学金プログラム・ニューズレター
一橋大学とIMFアジア太平洋地域事務所共催セミナー「地域統合の前進と課題」
東京、2016年3月3-4日
vol 12. 2016年 5月
当ニューズレターは年4回にわたり、JISPAの最新イベント、同窓生や現在の奨学生に関する特集記事をお届けします。JISPAは日本の大学院で経済学や公共政策関連分野の研究を望む、アジア太平洋地域諸国の経済関連省庁の幹部候補生に奨学金を供与しています。
ニュースレター12号は3月と6月の合併号です。本号では、2016年2月に開催された日本-IMFアジアマクロ経済セミナー(JIMS)に参加されたバンバン・プラモノ氏(インドネシア中央銀行)のインタビューを特集しています。現役奨学生としてアセル スルタナリーバ氏(キルギス共和国中央銀行)もインタビューを受けています。「JISPAニュース」では2015年12月〜2016年5月のJISPAの活動をご紹介します。
同窓生ニュース
JISPAは、経済政策の策定と実施に対する理解と知見を広げるまたとない機会を私に与えてくれました。これはインドネシア銀行での私のキャリアにとって非常に貴重です。
バンバン・プラモノ氏は、シニアエコノミスト兼上級審議役としてインドネシア銀行(インドネシア中央銀行)に務めています。同氏は、2002-03年度から2003-04年度までJISPA奨学生として日本の国際大学(IUJ)で研究を行いました。
続く
現在、留学中のJISPA奨学生
IMFが管理し、日本の優秀な提携大学が運営しているJISPAは素晴らしい選択でした。また、本プログラムの成功が最もよく示されているのは、同窓会の発展であることは確かです。私がこのプログラムに申し込もうと思ったのは、主に、JISPAを卒業した職場の先輩の経験があったからです。
アセル スルタナリーバ氏は、政策研究大学院大学の1年間のマクロ経済政策プログラムで研究を行っています(2015年度-2016年度)。同氏はキルギス共和国国立銀行から派遣されています。同氏は、家族が日本に到着してからというもの、空いた時間はすべて家族と過ごすよう努めています。同氏とその家族は、東京とその近郊を探索したり、地元の文化、人々、日々の生活について一緒に学んだりすることが好きです。
続く
バックナンバー
リンク
JISPAフォト
バンディッド・ニジャサウォーン博士によるJISPAセミナー
2015年12月7日
イベント
<Jun 23
JISPA修士論文発表会と卒業レセプション
Jul 7
IMFインドチームとのJISPA非公式討議セッション
Jul 11
オリエンテーション・プログラム開始
Aug 11
JISPAセミナ-: "Playing by the Rules: Reforming Fiscal Governance in Europe"
Aug 31
OAPスタッフ訪問:オリエンテーション・プログラム
Sep 15
オリエンテーション・プログラム終了
Sep-Oct
JISPA同窓会 (TBD)
Oct 28
JISPAセミナー(TBD)・新入生歓迎レセプション


JISPAセミナー: OAPは、JISPA奨学生のみを対象として以下のセミナーを主催しました。
バンディッド博士は政策立案者にとって重要な倫理的リーダーシップに関する講演を行い、中村氏は財政状況が長期金利に与える影響を分析した自身のワーキングペーパーに基づくプレゼンテーションを行いました。両プレゼンテーションの主題は奨学生らのキャリアパスと研究分野と関連性が高いことから、奨学生らに好評でした。
5月末には同委員会が東京で再び開催され、会合の結果と推奨事項について検討し、その取りまとめを行いました。JISPAのレビュープロセスの最終的な成果物であるレビュー報告書は6月にOAP所長に提出される予定です。
OAP主催セミナー: JISPA奨学生は、東京で開催された以下のOAPセミナーにも招待されました。中でも、奨学生らは2016年3月3日〜4日に開催された「地域統合の前進と課題」に関する一橋大学-OAP共催セミナーにオブザーバーとして招待され、金融統合分野における最新の進展について、また著名な教授や政策立案者の見解について伺う貴重な機会を得ました。
JISPAのサポートを受けて国際大学で研究したことは非常に貴重な経験となりました。本プログラムは、経済政策の策定と実施に対する理解と知見を広げるまたとない機会を私に与えてくれました。これはインドネシア銀行での私のキャリアにとって非常に大事なものです。さらに、国際大学の国際色豊かな環境は私の人格形成の糧となり、驚くような文化的体験をし、世界中に広がる友人のネットワークを得ることができました。こうした知見、経験、財政上の援助を私に与えてくれた国際大学の教授とIMFの職員の皆さん全員に感謝します。
日本-IMFアジアマクロ経済セミナー(JIMS)は、参加者全員にとって非常に印象的、生産的かつ興味深い学習週間イベントでした。取り扱うテーマは、IMFが発表した世界経済見通しの概観に始まり、私たちにとって関連性が非常に高く、有益でした。JIMSではさまざまなマクロ経済上の枠組みの選択肢、構造的な変化とそのインフラへの適用性および関連性、中小企業の動向、地域統合の推進、従来型および非従来型の金融・為替レート政策の実施、財政政策、債務管理に関する基調講演(とりわけ債券市場の動向、長期的な投資家戦略、グローバルバリューチェーン、FDIおよびPPP)に関するコースがありました。JIMSでは特に、日本の経済モデルから得られた教訓を学びました。これにより私たちは、私たちの特定の文化的相異、国家的価値、構造的キャパシティ、リスク回避を可能にする政治力を考慮しつつ、こうしたアプローチに関連するリスクに対処できるようになるでしょう。
日本政府が外国人、特にインドネシア人に対して研究だけでなく働くための機会をより多く与えてくれるよう望みます。また、日本政府が観光客やイスラム教徒に対して適切な施設を提供し、一段と親しみやすくなってくれたらありがたく思います。そのための取り組みは現在行われていると理解しています。
政策研究大学院大学(GRIPS)は、JISPA奨学生向けにマクロ経済政策プログラムを提供しています。私は秋学期にマクロ経済、ミクロ経済、計量経済学といった必須科目を履修しました。この他に、特に興味のある授業を選択しています。金融経済、会計、財務管理、統計です。現在、私の専攻は国際金融、政府、市場コースです。また、東アジア諸国の問題の動向を扱った非常に興味深いコースを専攻しています。
日本で過ごした最後の8カ月の間に、多くの素晴らしい経験がありました。さまざまな文化を背景とする多くの人々に出会い、彼らとの交流で得た経験から学んだことは貴重です。数カ月前に、六本木駅の近くで会った若い日本人女性を覚えています。激しい雨が降っていました。彼女はコートを着ておらず、私はウィンドブレーカーを着ていたにもかかわらず、親切にかさを私に差し出してくれたのです。その優しさに本当に感激しました。
私は、オリエンテーション・プログラムがJISPAの最も素晴らしい部分だと思います。同プログラムへ参加したことは、修士研究への準備に大いに役立ちました。数学、数量経済学、経済学の知識を高めるチャンスがあり、英語と日本語の語学クラスは本当に楽しかったです。アーメッド・モハメッド教授が講義を行ったオーラル・コミュニケーションスキルのクラスに特に触れておきたいと思います。このクラスで行った個人プレゼンテーションは最も刺激的な経験でした。