
IMFの資金調達源
IMFの加盟国に対する最善の条件での融資(非譲許的融資)―その財源は、加盟国のクォータ(出資割当額)を中心に、加盟国から調達します。多国間、もしくは二国間の取極めは、クォータの資金を補完することができ、危機の際に加盟国を支援する重要な役割を果たします。
IMFの総財源は現在、約9,770億SDRであり、約7,130億SDR(約1兆米ドル)の融資能力に相当します。

IMFの財源
IMFの財源は3つあります。加盟国のクォータと多国間借入取極、国別借入取極です。
加盟国のクォータ
IMFの主な財源は加盟国のクォータです。各加盟国のクォータは世界における経済規模と地位を反映しています。IMFが定期的にクォータを見直す方法について、こちらをお読みください。
新規借入取極
IMFと複数の加盟国や機関の間で結ばれる新規借入取極(NAB)はクォータを補う主な財源です。IMF理事会は2020年1月に、NABの規模を3,610億SDR(4,820億米ドル)へ倍増することで合意しました。
国別借入取極
加盟国はまた、国別借入取極(BBA)の下、取極めに基づいた資金にアクセスできます。IMF理事会は2020年に、総額1,390億SDR(1,850億米ドル)の新たなBBAを承認しました。

加盟国クォータとは

IMFが行う融資にとって主たる財源となるのがクォータです。世界経済における相対的な地位を大体の基準として、各加盟国にクォータが割り当てられます。
IMFはクォータが総じて十分かどうか、また、加盟国間での配分について、定期的にクォータを見直します。
概要
IMFは現在の第16次見直しを2023年12月中旬までに完了する見込み。
2020年2月に完了した前回の見直しでは、クォータが増えなかった。
前回クォータが増えたのは2010年12月に完了した第14次見直しで、2016年1月に発効。4,770億SDR(6,370億米ドル)へ増えた。
クォータが足りない場合

新規借入取極(NAB)は、クォータに次ぐ第2の資金調達源としての機能を果たします。NABを通じて、複数の加盟国と政府機関が国際金融システムに補完的な財源を融資する態勢を整えています。2021年1月にNABの改革が発効し、NABの規模が2021年から2025年の取極期間に3,610億SDR(4,820億米ドル)へ、倍近くに増えました。
概要
参加国は40(現在38か国、参加見込み2か国)
2021年1月よりNABの規模が倍増し3,610億SDR(4,820億米ドル)となった。
5年間の現在のNAB取極期間は2021年1月から2025年12月まで。
NAB発動のためには、投票資格を有する参加国の85%の支持が必要。
2011年4月から2016年2月までに10回発動されている。6
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融資の最終手段

各国と個別に締結される国別借入取極(BBA)は、クォータや新規借入取極に次ぐ第3の防衛線としての役割を果たします。世界金融危機が始まった当初から現在まで、IMFは加盟国の融資ニーズに対応できるように、一連の国別借入取極を諸加盟国と締結してきました。
概要
2020年のBBAには42の債権国が参加。
発効済みの42の取極めのコミットメント総額:1390億SDR(1850億米ドル)。
当初の期間は2023年末まで。債権者の同意を得て2024年末まで延長可能。
取極めの発動には、投票資格を有する債権国の85%の支持が必要。
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