過去最高の226兆ドルに達した世界債務
IMF Blog, December 15, 2021
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- 過去最高の226兆ドルに達した世界債務
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- Authors: Vitor Gaspar, Paulo Medas, Roberto Perrelli
- Published: December 15, 2021
主要な発見
- 2020年、世界の債務は過去最高の226兆ドルに達した。
- IMFの世界債務データベースの最新情報によれば、2020年の世界債務は対GDP比で28%ポイント増の256%であった。
- 世界の公的債務は対GDP比で過去最高の99%に達した。
- 政府の借入額が債務増加額に占める比率は全体の半分を僅かに超える水準である。
- 非金融企業と家計の民間債務もまた最高の水準に達した。
資金調達の大いなる乖離(格差)
- 2020年に急増した債務28兆ドルのうち90%以上を先進国と中国が占めた。
- 中国は単独で世界の債務増加額の26%を占める。
- 中国以外の新興市場国と低所得途上国は、それぞれの増加額が1兆ドルから1.2兆ドル程度にとどまり、世界の債務増加額に占める割合は僅かである。
- 先進国と中国は、低金利、中央銀行の国債大量購入などの施策、高度に発展した金融市場により、パンデミック期に公的債務・民間債務を拡大することができた。
- 多くの発展途上国は資金調達へのアクセスが限られ、融資の金利も高水準である場合が多い。
先進国と民間部門の動向
- 先進国の公的債務は2007年の約70%から2020年には124%へ上昇した。
- 先進国の民間債務の対GDP比は2007年の164%から2020年に178%へと推移した。
- 先進国では、景気後退による歳入の落ち込みと新型コロナウイルス拡大に伴う広範な財政措置により財政赤字が急拡大した。公的債務は2020年に対GDP比19%ポイント拡大した。
- 民間債務は2020年に対GDP比14%ポイント拡大し、世界金融危機時のほぼ2倍の増加率を示した。
- パンデミック期は政府と中央銀行が民間部門の借入拡大を支援した一方、世界金融危機では民間部門の過剰レバレッジの損害を抑制することが焦点だった。
新興市場国・低所得途上国の状況
- 新興市場国の公的債務は過去最高の水準に達している。
- 低所得途上国では、債務救済イニシアティブが多くの国に活用された2000年代前半と同じ水準となっている。
- 2020年の名目GDP急減により、多くの新興市場国と低所得途上国で債務比率の水準が高まった。
リスク、脆弱性、政策含意
- 債務の急拡大は短期的に人命や雇用を守り、破産の波を回避する上で正当化される一方、債務の急拡大は脆弱性を増幅する。
- 金利が上昇すると、政府の回復支援能力や民間部門の中期的投資能力が抑制される。
- インフレ率上昇の下では、財政政策と金融政策の適切なバランスを取ることが極めて重要となる。
- 恒常的な高インフレを防止するために中央銀行が利上げを行えば、借入コストは上昇する。政策金利は既に多くの新興市場国で引き上げられており、今後もさらなる利上げが予想されている。
- 先進国の中央銀行は国債その他の資産の大量購入にもブレーキをかける予定であり、その縮小の方法が経済回復と財政政策に影響を与えると考えられる。
- 世界の金利が予想以上に急上昇し、成長が低迷すれば、リスクは増幅する。金融環境の本格的な引き締めが実施されれば、債務水準の最も高い政府、家計、企業はさらに圧迫される。
- 公的部門と民間部門が同時にレバレッジ解消へと追い込まれれば、成長見通しにも影響が及ぶ。
推奨される政策対応と行動指針
- 政策の柔軟性、状況の変化に応じた迅速な調整、そして信頼性と持続性のある中期的な財政計画の適切なバランスを取ることが重要である。
- こうした中期的戦略は、債務の脆弱性を軽減し、中央銀行のインフレ抑制への取り組みを円滑化する。
- 脆弱な人々を保護するためには、対象を絞った財政支援が重要な役割を果たす(2021年10月の財政モニターを参照)。
- 総資金需要(ロールオーバーリスク)が高い国や為替レートのボラティリティに晒されている国などでは、市場の信頼をつなぎとめて財政難の深刻化を防ぐために迅速な適応が必要になる可能性がある。
- 資金調達をめぐる世界の分断とパンデミックに対処するためには、強力で効果的な国際協調と発展途上国への支援が不可欠である。
出典: 過去最高の226兆ドルに達した世界債務