アジア太平洋地域経済見通し 2021年
Regional Economic Outlook, October 2021
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- アジア太平洋地域経済見通し 2021年
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- Published: October 19, 2021
概要と主要見通し
- 2021年のアジア経済の成長率見通しは、今年4月の「世界経済見通し(WEO)」から1%ポイント超下方改定されて6.5%となっている。
- 世界経済の成長率予測:
- 2021年:5.8%(今年7月の「世界経済見通し(WEO)改訂見通し」から0.2%ポイント下方改定)
- 2022年:4.9%
- 中期的には[3.5%]付近にまで減速する見込み
- アジア太平洋地域は依然として世界で最も高い成長を遂げている地域であるが、ワクチン普及や政策支援の差により、先進国と新興市場国・発展途上国の回復状況が一段と乖離している。
- リスクは下方に傾いている主な理由:
- 不透明なパンデミックの動向
- 変異株に対するワクチンの有効性
- サプライチェーンの混乱
- 国内の金融脆弱性と米国の金融正常化に伴うスピルオーバー
新たな変異株の波への対応(「パンデミック復活が回復を遅らせる」)
- 政策対応の要点(箇条書きで原文の語を保持):
- ワクチン接種加速のための取り組みを強化することが最優先
- (政策余地がある場合には)政策ターゲットを改善しつつマクロ経済支援を継続する
- 成長の新たな原動力を育成するための改革を加速する
- 緩和政策の長期化が必要となる場合、金融安定性を維持するための警戒感を持った金融規制が必要
- 財政政策は回復を下支えしつつ、中期的な財政枠組みの範囲内で実施する必要がある
- 中央銀行は、回復が予想よりも早く勢いを増したりインフレ期待が上昇したりする場合に迅速に行動する準備を整えるべきである
- 社会政策や構造改革、及びデジタル部門とグリーン部門への投資を後押しして生産性を高め、パンデミックで打撃を受けた労働者や学齢期の子どもに公平な機会を提供する
研究ハイライトと章別要旨
- 第3章(ワクチン関連の分析)からの主要指摘:
- ワクチンの展開は主に以下の要因で左右される:2020年のパンデミックの深刻さ、調達戦略、現地生産の規模、ワクチンの受容性、医療インフラの質
- 迅速かつ広範囲にワクチン接種を行うことで経済活動を大きく後押しでき、その効果は時間の経過とともに、及びワクチン接種完了者の割合が増えるにつれて増大する
- ワクチン接種による健康上の利益は、深刻な流行下で感染拡大防止措置がとられている国でより顕著になる
- ワクチンの波及効果の定量化は、あらゆる国でワクチンへの広範なアクセスが可能になるまでいずれの国も完全に回復することはできないことを示唆している
- 第4章(貿易自由化の役割)からの主要指摘:
- 貿易自由化は生産性と潜在産出量を押し上げ、パンデミックによる域内の後遺症を抑えることが可能
- 歴史的に貿易(GVCを含む)はアジアの成長と貧困削減の強力な原動力であったが、GVC貿易の勢いは停滞している
- 1990年代半ば以降、自由化の動きが失速し、依然として厳しい貿易制限が残っていることが一因
- 包摂的な繁栄を加速するための政策措置の例:
- 非関税障壁(アジアでは他地域よりも著しく高い)を削減すること
- 環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)や地域的な包括的経済連携(RCEP)などの地域協定を通じた進展を推し進める余地があること
主な政策提言(要約)
- ワクチンを広く行き渡らせることを最優先とする(ワクチン接種遅延やアクセス不平等は回復をさらに遅らせる)
- マクロ経済支援を継続しつつ、政策余地がある場合はターゲットを改善する
- 緩和政策の長期化に備えつつ、金融安定性を維持するための規制監督を強化する
- 財政政策は回復支援を続けるが、中期的な財政枠組みの下で信頼性を維持する
- 中央銀行はインフレ期待の上昇や回復の加速に迅速に対応する準備を整える
- 社会政策、構造改革、及びデジタル・グリーン部門への投資を通じて生産性向上と包摂的回復を目指す
- 貿易自由化(非関税障壁の削減、地域協定の活用)で成長の原動力を再生する
出典: アジア太平洋局「2021年地域経済見通し」
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