IMFの概要

2016年10月3日

国際通貨基金(IMF)は、国際金融の安定性と金融に関する協力の推進に取り組んでいます。また、国際貿易の促進、高い雇用水準と持続的経済成長の促進、そして貧困削減の実現に向け尽力しています。IMFは、189カ国で構成され加盟国政府に対 して責任を負っています。

「IMF」または「ファンド(Fund)」として知られる国際通貨基金は、1944年7月にニューハンプシャー州ブレトンウッズで行われた国際連合の会議にてその設立が提案されました。会議に出席した44カ国は、1930年代の世界恐慌の原因となった通貨切り下げ競争を繰り返さないよう、経済協力の枠組みの構築を目指しました。

IMFの責務: IMFが担う第一の責務は国際通貨制度の安定性の確保です。国際通貨制度とは、世界の国々(そして国民)が相互に取引を行なう上で不可欠な、為替レート制度、及び多国間決済制度を指します。

サーベイランス: 国際通貨制度の安定の維持及び危機の防止に向け、IMFは各国の政策や、国・地域、そして世界的な経済・金融の状況を、サーベイランス(政策監視)と 呼ばれる正規のシステムを活用しレビューしています。IMFは189の加盟国に対し政策助言を行い、経済の安定の促進、 経済・金融危機に対する脆弱性の軽減、さらには生活水準の向上の実現に向けた政策を推奨します。またIMFは、世界的見通しについては世界経済見通し(World Economic Outlookのなかで、金融市場に関しては国際金融安定性報告書(Global Financial Stability Reportのなかで、そして国家財政の動向は 財政モニター(Fiscal Monitorで定期的に分析を行っており、また一連の地域経済見通しも発表しています。

金融支援 :加盟国が国際収支上の問題を是正するための余地を持つことができるよう、IMFは加盟国に対し金融支援を行います。当該国の当局は、IMFとの密接な協力の下、IMFが金融支援する調整プログラムの計画立案を行い、これらプログラムの効果的な実施に基づき金融支援の継続の可否が判断されます。世界危機に対応するために、IMFは融資能力を強化し、2009年4月に金融支援メカニズムの大幅な見直しを承認し、2010年2011年 に更なる改革を採択しました。こうした改革は、危機予防の強化、システミックな危機の際の伝播の緩和、そして各種制度を加盟国のパフォーマンスと環境を基に調整することを焦点としていました。第14次クォータ一般見直しのもとでのクォータ増額の実現の後、IMFの非譲許的融資制度のもとでの利用限度額が2016年のはじめに見直され拡大されました。世界のより貧しい国々への金融支援を拡大するため、貧困削減・成長トラストを通し低所得国が利用できる譲許的融資の財源が、2009年に大幅に拡大されました。一方、IMF譲許的融資制度の平均的な利用限度額が倍増になりました。さらに、2015年にはアクセス基準と利用限度が50%拡大しました。こうした融資は、2018年末まで金利がゼロとなっています。また 緊急融資 の金利は恒久的にゼロに設定されています。最後に、IMFの譲許的融資活動を支えるため、約150億ドル(110億ドルSDR)の追加的な融資財源を確保するための取り組みが進められています。

能力開発 IMFが行う能力開発や研修は、租税政策や租税管理、支出管理、金融・為替政策、銀行・金融システムの監督と規制、法的な枠組みや統計などを含む分野で、加盟国による効果的な政策の立案と政策実施能力の強化を支援します。

SDR IMFは加盟国の準備資産を補完する手段として、特別引出権 (SDR) と呼ばれる国際準備資産を配分します。SDR配分の累積総額は、約2,040億SDR(約2,860億ドル)に達しています。SDRは加盟国間で任意で通貨と交換することも可能です。

財源: IMFの主な財源は加盟国からのクォータ(出資割当額)であり、クォータは各加盟国の世界経済における相対的規模を概ね反映しています。最近の第14次クォータ一般見直しの実現により、クォータ財源は総額約4,770億SDR(約6,680億ドル)となっています。さらに、IMFはクォータ財源を補完するために、一時的に借入することができます。新規借入取極 (NAB)により、1,820億SDR(約2,540億ドル)までの補完的な財源を確保することができ、クォータの主要なバックストップとしての役割を果たします。加盟国はまた、2012年中ごろに、IMF加盟国は、二者間の借入取極により、IMFの財源を増強するとの 誓約を明らかにしました。現在約2,800億SDR(約3,930億ドル)が発効しています。

ガバナンス 及び組織: IMFは各加盟国政府に対して説明責任を担っています。 IMF組織の頂点には総務会があり、一般的に中央銀行や財務省から選ばれた各加盟国を代表する総務1人・総務代理1人により構成されます。 総務会は年に1度開催され、IMF・世界銀行の年次総会の際に開かれます。さらにそのうち24人は、通常年2回開かれる 国際通貨金融委員会(IMFC)に出席します。

IMFの日常業務は、24カ国により構成され全加盟国を代表する理事会の指揮の下で行われます。日常業務はIMFCの指針のもと、IMFのスタッフ がサポートします。IMF専務理事は、IMFスタッフを統括するとともに理事会の議長を兼任します。またこれを4人の副専務理事が補佐します。

IMFに関する基本情報

  • 現在の加盟国数 : 189カ国
  • 本部 : ワシントンD.C.
  • 理事会 : 国もしくは国のグループを代表する理事24人
  • スタッフ : 148カ国より約2,700人
  • 出資割当額(クォータ)総計 : 6,680億米ドル(2016年9月13日現在)
  • 公約・合意済み追加財源 : 6,680億米ドル
  • 現在の融資取極に基づく合意済融資(2016年9月8日現在) : 1,590億米ドル、うち融資未実行残高1,440億米ドル(を参照のこと)
  • 最大借入国(2016年8月31日現在での残高) : ポルトガル、ギリシャ、ウクライナ、パキスタン
  • 最大予防的融資(2016年9月8日現在での合意額を基準) : メキシコ、ポーランド、コロンビア、モロッコ
  • サーベイランス協議 : 2013年-130協議、2014年-132協議、2015年-124協議
  • 技術支援 : 2013年度-274人年、2014年度-285人年、2015年度-288人年
  • 主要責務IMF協定* 第1条に明記されているIMFの主要責務は次の通り:
    • 国際的通貨協力の推進
    • 国際貿易の拡大とバランスの取れた成長の促進
    • 為替安定の促進
    • 多国間決済システム確立の支援
    • 国際収支上の困難に陥っている加盟国への (適切なセーフガードを伴う) 財源提供