新興市場国

新興市場国は今も台頭し続けているのか

ジム・オニール



20年が経ってもBRICsの希望は消えていない。

新型コロナウイルスの大流行がなければ、過去10年間のGDP成長率は、2000年から2009年の3.7%をわずかに下回る約3.6%となっていたはずだった。種々の課題を考慮すればまたパンデミック前のムードに反して、悪くない数字だ。実際、2000年以降の各10年間には、成長率がいずれも約3.3%だった1980年代や1990年代よりも力強い経済成長が見られた。その結果何億人もの人々が絶対的貧困を脱した。その一因となったのは、いわゆる新興市場国がけん引した奇跡的な成長であり、中でもその中心となっていたのが私の愛するBRICsだ。

世界で影響力
足元に脆さ

デビッド・ダラー 黄益平 姚洋



中国の長期的成功を主に左右するのは、国内の諸問題への対応だ。

2012年、中国政府は長期目標を設定した。中華人民共和国の建国100周年を迎える2049年までに発展した豊かな国を全面的に実現する、というのがそれだ。197年に経済の改革開放を始めて以降の成功を思えば、そのような変革は間違いなく実現可能だ。ただ道のりは困難であり、成功が保証されているわけではない。



変動期の新興市場国

マムード・プラダン



新興市場国の今後の見通しについてマムード・プラダンがリチャード・ハウスとデビッド・ルービンの両氏と語る。

この1年間に新興市場国資産は驚くべき底堅さを示し、新型コロナウイルスのパンデミック発生当初に見られたより悲観的な予測を裏切ることになった。

経済学者の声

インクルーシブ
イノベーター

イエール大学のロヒニ・パンデの研究テーマは、制度改革を通じた公平の実現だ。 その横顔をピーター・J・ウォーカーが紹介する。