IMF理事会、5年ごとのSDR評価見直しを完了 SDR価値バスケットの新しい比重を決定

2022年5月18日

  • 特別引出権(SDR)通貨と金利のバスケットについて、現在の構成が維持された上で、新しい比重が承認された。
  • 更新されたバスケットは、米ドルと人民元の比重がやや大きくなり、それに伴い英ポンドとユーロ、日本円の比重がいくぶん小さくなった。
  • バスケットの更新された比重は2022年8月1日に発効する。

ワシントン DC : 国際通貨基金(IMF)理事会は2022年5月11日、特別引出権(SDR)構成通貨バスケットの価値を決める方法に関する5年ごとの見直しを終了した。 [1] 見直しの対象はSDR通貨バスケットの構成と比重である。理事会はまた、SDR金利の決定に用いられる対応する金利商品を見直した。バスケットの更新された比重は2022年8月1日に発効する。

前回のSDR評価見直しは2015年だった。理事会が採用した既存のSDR評価方法の下、SDRバスケットは5年ごとに見直される。 状況の変化により早期の見直しが正当と判断された場合はそれ以前に行われる。理事会が2021年3月に、2021年のSDRの一般配分に関連する業務を含む新型コロナウイルスのパンデミックへの対応を優先するために現在のバスケットを2022年7月31日まで延長することを決めたため、現在の見直しは当初予定よりも約1年遅れて行われた。

理事会の評価

IMF理事はSDRの価値を決める方法に関する5年ごとの見直しを完了した。理事らは、通貨をバスケットに含めるための基準、そしてバスケット内の通貨の比重と金額を決定するための方法を含む、SDRの現在の評価方法を維持することを支持した。また、現在の慣行を形式化し、データギャップに対処するための統計的方法を受け入れた。SDR通貨と金利のバスケットについて、現在の構成を維持することで合意し、バスケット内の新しい比重を承認した。

理事は、輸出基準および自由利用可能基準が引き続き、通貨のバスケット採用決定に関する指針であるべきと同意した。また、2015年の見直しで導入されたSDRバスケット内の通貨の比重と金額を決定するための方法を維持することで合意した。理事は、世界の貿易および金融市場における通貨の役割を引き続き適切に捉えるため、公式で使用されている比重のさらなる分析を含む将来の見直しを奨励した。SDR評価見直しで使用された指標のデータギャップは、過去の慣行と同様、5年以内の利用可能な関連データを使用することによって対処するべきであることに合意し、データギャップを最小限に抑えるための代替変数の利用可能性を引き続き検討した。

理事は、2017年から2021年にかけての貿易および金融市場の動向に基づき、SDRバスケットの更新された比重は、2015年の見直しで設定された当初の比重と同じ順位を維持するとした上で、米ドルと中国人民元の比重がやや大きくなり、それに伴い、英ポンドと ユーロ、日本円の比重が幾分小さくなったと指摘した。理事は、新型コロナのパンデミックもフィンテックの進歩も、今のところSDRバスケットにおける通貨の相対的な役割に大きな影響を及ぼさなかったとの見解で一致した。潜在的な経済・金融の断片化や高インフレなど、フィンテックおよびその他の展開によるSDR評価枠組みへの影響を継続的に監視するように求めた。数名の理事は、経済制裁が評価枠組みに与える影響を監視するよう求めた。

理事は、SDRユーザーの調査を通じて以前のレビューで提起された運用上の問題に関する最新情報と、大半のユーザーがSDRを使用したり、5つのSDRバスケット通貨の市場で取引したりする重大な運用上の課題を経験していないという調査結果を歓迎した。一方、調査ではバスケットの通貨でいくつかの運用上の課題が特定された。これに関連して理事は、中国における金融市場改革の進展を広く認識するとともに、オンショア人民元市場を一段と開放し深化させるためのさらなる努力を求め、一部の理事は、データの透明性をさらに高める必要性を強調した。

理事は、次回のSDR見直しを5年ベースで実施し、2027年7月末までに完了させるという専務理事の提案に同意した。

添付文書 主な決定事項の概要

SDRバスケットの構成とサイズ

SDRの価値は引き続き、米ドル、ユーロ、人民元、日本円、ポンドが構成する通貨バスケットの価値の加重平均に基づく。

SDR(およびSDR金利)バスケットの通貨比重

IMFは、国際貿易および金融における各々の役割をもとに、SDR通貨バスケットの構成通貨としての基準を満たす5通貨の構成比を、以下の通り決定した。 これら構成比は2022年8月1日に発効する。

  • 米ドル 43.38%
  • ユーロ 29.31%
  • 中国人民元 12.28%
  • 日本円 7.59%
  • 英ポンド 7.44%

2022年7月29日に、新規SDR通貨バスケットを構成する5通貨のそれぞれの量が、新たな構成比に沿って算出され、2022年8月1日に発効する。 [2] なお、移行日のSDRの価値が等しくなるよう、移行日以前3か月間のこれら通貨の平均為替レートを基に、改定および現行の構成比で算出される。

SDR利用者へのサービスとして、また、適切な通知を行うためIMFは、2022年5月と6月に1回、そして7月に毎週、改定バスケットで通貨額を算出し、IMFウェブサイトに掲載する (www.imf.org )。通貨金額は為替レートの3か月平均に基づいているため、これらの予測は最終的な有効金額に向かって反復される傾向があり、2022年8月1日に発効する新しいバスケット内の最終通貨金額予測をユーザーに通知する。

SDR金利

SDR金利は引き続き、SDR構成通貨の市場の短期金融商品金利の加重平均に基づく。



[1] SDRは加盟国の準備資産を補完する手段として、国際通貨基金(IMF)が1969年に創設した国際準備資産。

[2] 2022年8月1日に発効となる新たなSDRバスケットの構成通貨の最終的な量を示すIMFのプレスリリースは、2022年7月29日に発表される。新規バスケットを利用した初のSDR為替レートは、2022年8月1日に公表される。また、新規バスケットを利用した初のSDR金利は、2022年8月5日に決まり、2022年8月8日から12日の間で有効である。SDRに関する詳細は、IMFホームページで( https://www.imf.org/en/data/imf-finances )。

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