IMF資金を守る 中央銀行のセーフガード評価
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- IMF資金を守る 中央銀行のセーフガード評価
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- Published: August 11, 2023
概要
- 国際通貨基金(IMF)は、国家へ融資する際に、当該国の中央銀行が受け取った資金を管理する能力と信頼できる情報を提供する能力があることを保証するため、デューデリジェンスの一環としてセーフガード評価を実施する。
- セーフガード評価は、IMF資金の活用に際し国際通貨基金協定が求める「適当な保障」を確保するための主要な手段である。
- 更新は 2023年3月でした
実施方法
- 評価に関与する主体:
- 中央銀行:財務諸表、内部監査・外部監査の報告書、中央銀行関連法制、内部統制の報告書または要約など、GELRICの各分野について情報を提供。
- 国家政府職員:関連情報の提供と調整。
- IMF職員:資料の確認、評価対象の中央銀行訪問、中央銀行職員やガバナンス機関、外部監査人との会議を実施。
- 報告書の作成と提言:
- 最後に報告書で、特定された脆弱性に対策を講じるための提言を優先順位付けして提示。
- これら提言は、プログラムのベンチマークの一部を構成する場合がある。
評価の6分野(GELRIC)
- 全体目的:中央銀行のガバナンスと統制の枠組みを診断・確認し、IMFが拠出する資金を保護し、誤報告のリスクを最小化する。
- ガバナンスの仕組み(G)
- 理事会、監査委員会、総裁、副総裁といった主要意思決定機関の構成、任命手続き、職務遂行に必要な権限の有無を評価。
- 外部監査メカニズム(E)
- 中央銀行が毎年の財務諸表を公開しているか、国際基準に沿って独立監査を受けているか、外部監査人の選定・入れ替え手続き、監査の質確保の内部手順、監督機関と外部監査人のコミュニケーションを評価。
- 法的構造と独立性(L)
- 中央銀行が適切な独立性を保てる法的枠組みの有無、中央銀行法による自律性・透明性の確保、抑制と均衡の導入状況、政府介入からの保護を評価。
- 財務報告(R)
- 国際基準に沿った会計・財務報告の遵守、遅滞なく公表されているか、公開財務情報とIMFプログラム下の通貨データとの一貫性を評価。
- 内部監査(I)
- 内部監査機能が国際基準を遵守しているか、リスク管理・統制・ガバナンス手順の有効性評価のための能力と組織的独立性、モニタリングと報告の仕組みを評価。
- 内部統制(C)
- 運営・財務のリスク管理、外貨準備管理、融資、通貨・銀行業務、サイバーセキュリティ、業務継続計画の統制、IMFへの通貨プログラムデータ報告のための内部手順の有効性を評価。
セーフガード報告書の公表・共有とモニタリング
- 報告書完成前に政府機関が公式コメントを行う。
- セーフガード報告書は機密で、IMF理事会とは共有されない。代わりに、IMF理事会には各国担当職員による報告書の中で、セーフガード評価結果の主要部分と提言が要約されて報告される。
- 2年ごとに、テーマ別のセーフガード活動の報告書が提出される。
- 中央銀行の同意がある場合、報告書は機密情報として世界銀行と共有し、適切な場合には欧州中央銀行とも共有する。評価対象中央銀行の同意のもとで、ドナー国に対し機密扱いで説明することもできる。
- IMF職員は、加盟国への貸付額がプログラムモニタリング終了条件である基準値を下回るまで、提言の実行状況をモニタリングする。以降のモニタリングは通常、中央銀行の年次外部監査の結果を確認するのみ。
適用除外・例外的取り扱い
- 厳しい適格条件のフレキシブル・クレジットライン(FCL)と短期流動性枠(SLL)については、完全なセーフガード評価は不要で、代わりに中央銀行に対する直近の外部監査結果を確認する。
- 既存取極の拡大、直前の評価から18か月以内に設定される後継の取極についても、セーフガード評価は不要。
- 優れた実績を持ち、過去4年以内に評価を完了させた中央銀行についても、セーフガード評価は求めない。
- 政府予算に対する直接的な支援としてIMF融資が行われる場合は、中央銀行と政府が互いの役割及びIMFに対する返済義務について合意しなければならない。加盟国が融資の例外的な利用を求め、政府予算への直接的な支援としてIMF融資額の25%以上が使用されると見込まれる場合には、国庫を対象にした財政セーフガード評価の実施が必須。
採用の経緯と運用頻度
- IMFは、IMF資金について誤報告や流用が疑われる事態を受けて、セーフガード評価を実施する方針を2000年3月に導入した。
- 現在、セーフガード評価はIMFによる融資の取り組みにとって重要な柱であり、通常は5年ごとに見直される。
References