2023年4月 世界経済見通し
World Economic Outlook, April 2023
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- 2023年4月 世界経済見通し
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- Published: April 11, 2023
概要
- ベースライン予測の下、成長率は2022年の3.4%から2023年は2.8%へ鈍化した後、2024年には3.0%に落ち着く。
- 先進国の成長率は2022年の2.7%から2023年は1.3%になる見込み。
- 金融部門のストレス悪化を伴う現実的な代替シナリオでは、世界経済の成長率が2023年に約2.5%にまで低下し、先進国の成長率は1%を下回る。
- 一次産品価格の下落を背景に、世界の総合インフレ率は2022年の8.7%から2023年は7.0%に鈍化する見込みだが、基調的(コア)インフレ率はもっと遅いペースで鈍化する。
- 大半の場合、インフレが目標水準に戻るのは2025年以降となる見込み。
総括 / 要旨
- 2023年初頭には、インフレ率の低下と着実な成長による軟着陸の兆しが一時的に見られたが、インフレの高止まりと最近の金融部門の混乱によりその兆候は消えつつある。
- 中央銀行の利上げと食品・エネルギー価格の抑制によりインフレは落ち着きつつある一方、基調的な物価圧力は根強く、労働市場の逼迫が多くの国・地域で続いている。
- 政策金利の急速な引き上げの副作用として銀行部門の脆弱性が明確になり、ノンバンク金融機関を含むより広範な金融部門への波及の懸念が高まっている。
- 見通しへのリスクは下振れ方向に大きく傾いており、ハードランディングとなる確率が大幅に上昇している。
第1章 世界経済の見通しと政策(要点)
- インフレの高止まりと金融部門の混乱が景気回復の不確実性を増大させている。
- 政策当局は物価安定と金融安定のバランスを取る必要がある。
第2章 自然利子率:原動力と政策的含意(要点)
- 自然利子率は経済を刺激も抑制もしない実質利子率であり、金融政策スタンスと公的債務の持続可能性を判断する基準となる。
- 本章は主要な先進国と新興市場国における自然利子率の推移を検討し、自然利子率の推計値の不確実性を軽減するために補完的なアプローチを採用している。
- 分析は、現下のインフレ期が過ぎれば先進国では金利がパンデミック以前の水準に戻る可能性が高いことを示唆しているが、戻る程度は財政赤字と政府債務の拡大や金融の分断を伴う代替シナリオの実現可否に左右される。
第3章 公的債務の急増に対処する方法(要点)
- コロナ禍で公的債務の対GDP比が急上昇し、今後も高水準で推移する見込みであり、実質金利の上昇は政策課題を深刻化させる。
- 計量経済分析と歴史的経験の検討から得られた3つの主な結論:
- 適当なタイミングで適切に設計された財政健全化を行えば、債務比率を持続的に引き下げられる確率が高い。
- 過剰債務に陥っている国では、大幅な債務再編、財政健全化、経済成長を下支えする政策を組み合わせた包括的なアプローチにより、債務比率の引き下げに大きく持続的なインパクトを与えられる。債権者間の調整が非常に重要である。
- 経済成長とインフレは歴史的に債務比率の低下に貢献している。
第4章 地経学的分断と外国直接投資(FDI)(要点)
- サプライチェーンの混乱と地政学的緊張の高まりにより、地経学的分断がFDIの地理的分布を変化させつつある。
- FDIのフローは戦略的部門を中心に、地政学的立場を同じくする国の間にますます集中している。
- いくつかの新興市場国と発展途上国は、地政学的に遠い国からのFDIに依存しているため、FDIの移転に対して非常に脆弱である。
- 長期的には、FDIの分断化により特に新興市場国と発展途上国でGDPの大幅な損失が発生する可能性がある。
- グローバルな統合を維持するための多国間の取り組みが、FDIの分断化による多大で広範な経済的コストを軽減する最善の方法である。
出典: 2023年4月 世界経済見通し(IMF)
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