国際金融安定性報告書


連鎖的なショックが続く中、国際金融安定性リスクが高まっている
第1章では、高インフレに対する中央銀行の政策対応、金融環境の無秩序なタイト化のリスク、新興国市場とフロンティア市場における過剰債務を分析する。市場は極めて不安定であり、流動性の低下により価格変動が増幅しているもようだ。欧州では、エネルギー危機が見通しの悪化の一因となっている。中国では、不動産部門が依然として脆弱性の主な原因である。第2章では、新興市場国と発展途上国における気候ファイナンスの不足を解消する方法を検討する。カーボンプライシングや気候関連情報のディスクロージャー、クライメートトランジションのタクソノミーを含む気候政策は、民間の気候ファイナンスを動員するために極めて重要である。革新的な金融商品は民間の気候ファイナンスの規模拡大に役立つが、国際開発銀行を含む公共部門が主要な支援的役割を果たさなければならない。第3章では、オープンエンド型投資ファンドがどのように資産市場の脆弱性に影響するかを分析する。オープンエンド型投資ファンドは金融市場で重要な役割を果たすが、日次で償還ができ、流動性の低い資産をもつものは、投資家による償還殺到と資産の投げ売りが生じ、負のショックを一段と増幅させる可能性がある。これは資産市場のボラティリティの一因となり、潜在的に金融安定の脅威になりうる。

