IMF に つ い て



IMFとマネーロンダリング及びテロリズムへの資金供与に対する戦い
(ファクトシート)

2004年9月

マネーロンダリングとは、犯罪行為によって取得または生じさせた資産を、犯罪との関連を不明瞭にするために移動または隠匿する行為のことです。テロリストの活動は、時に不法行為によって得た収益が資金源となることがあり、犯罪者は関係当局の監視の目を逃れて資金を利用するため、資金洗浄の方法を見つけようとします。IMFは長年にわたりマネーロンダリングと戦う国際的な取り組みにかかわってきましたが、特に2001年9月11日以降はその活動を一段と強化し、その範囲をテロリズムへの資金供与との戦いにまで拡げました。

懸念要因

金融の中枢が確立している国々では、一般に包括的な対マネーロンダリングの制度が整っているため、犯罪者は、金融中枢が成長過程または発展途上でコントロールが不十分な経済を狙うことがしばしばです。また、資金洗浄を行う犯罪者は各国の対マネーロンダリングシステムの相違につけ込み、無力で実効性に欠ける法制度を持つ司法管轄区域へ資金を移動させています。各国がマネーロンダリング問題に敏速に対処できなければ、組織化された犯罪が更に定着する可能性があります。

マネーロンダリングは各国のマクロ経済に重大な影響を及ぼしかねません。マネーロンダリングは、予測不可能な貨幣需要の変動、金融機関や金融制度の健全性に対するリスク、合法的な金融取引の汚染、予期し得ない資金の越境移動による国際間の資本移動と為替相場の不安定性の増幅などをもたらします。更には、一国の商業部門や金融部門が組織犯罪の支配・影響下にあると見られるようになれば、外国からの直接投資を妨げることにもなりかねません。

マネーロンダリングとの戦い

対マネーロンダリング金融活動作業部会(FATF)は、世界規模の対マネーロンダリングの枠組み展開に主たる責任を担う組織であり、関連する国際機関と密接に協力しあっています。この作業部会は、マネーロンダリングへの懸念が高まるのに対応して、国際協調による対応策の整備を目的として1989年にパリでG7のサミットにより設立されました。

FATFの当初の課題の1つは、各国政府が効果的な対マネーロンダリング・プログラムを実施するためにとるべき手順を明らかにすることでした。「FATF40の勧告」は、基本的な枠組みで各国が普遍的に適用可能な対マネーロンダリング対策を設定しています。この国際基準はマネーロンダリングの傾向と手口、また経験を反映して修正されてきています。

2001年9月11日以降、FATFは任務を拡張しマネーロンダリングの領域を超えてテロリズムに対する資金供与と戦うための全世界的な取り組みを中心にその専門的な力を注いでいくことに同意しました。2001年10月にワシントンD.C.で開催されたテロリズム資金供与に関する臨時総会で、FATFは「FATF40の勧告」を補強する新たな国際基準として 「テロリズムへの資金供与に関するFATF8つの特別勧告」を発布し、これらの新たな勧告の受け入れを奨励する包括的計画に同意しました。この計画によりFATFは各国政府やマネーロンダリングとテロリズムへの資金供与に対する国際的な取り組みをサポート、貢献するその他の団体との協力関係を更に強化することとなります。協力団体にはFATF型の地方機関、IMF、世界銀行、その他の国際金融機関ならびに国連や金融情報部門のエグモントグループが含まれます。

戦いにおけるIMFの役割

IMFは、その専門分野から、FATFの取り組みに重要な方法で貢献しています。ほぼ全世界の国が加盟する協働機関であるIMFは、情報共有、課題に対する共通対策の策定、理想的な政策や基準の推進などに適した場です。これらはすべて、マネーロンダリングおよびテロリズムへの資金供与に対する戦いにとって極めて重要です。 更に、IMFは金融部門の評価実施、また同部門における技術支援の提供、および加盟国の為替システムに対する政策監視に豊かな経験に基づいた専門知識を有しています。

2001年9月11日以降、IMFはマネーロンダリングとテロリズムへの資金供与の根絶を目的とした国際的取り組みへの貢献を加速する新たな方法を見出し、世界銀行の協力の下、重要な手段を講じました。

· 「FATF40の勧告」と「テロリズムへの資金供与に関するFATF8つの特別勧告」を条件付きでIMFの領域や運営に有用な分野とそれに関する基準・規則のリストに追加したことにより、「基準と規約の遵守に関する報告書」(ROSC)が作成されます。

· 世界銀行、FATFやFSRBと組んで、IMFは41ヵ国の対マネーロンダリングとテロリズムへの資金供給との戦い(AML/CFT)の評価を実施する12ヶ月の試験的プログラムに参加し、2003年10月に完了しました。その後、更に12の評価が完了しています。

· IMFは、世界銀行と協力して、AML/CFTに対する財務、規制、監督の枠組みを強化しながらも、加盟国向け技術支援を飛躍的に増強しました。2002−2003年、63ヵ国を受益国とする85件の技術プロジェクトがそれぞれの国で実施され、130ヵ国以上を網羅する32件の地域プロジェクトが実施されました。2004年には、技術支援のペースは一段と加速しています。

2004年3月の試験的プログラムの検討後、IMFの理事会はAML/CFTの評価をIMFの定例業務の1つとすることに同意しました。IMFは更に「FATF40の勧告」修正版を、AML/CFT関連の基準と規約の遵守に関する報告書の作成基準とすることと、この基準の遵守状況評価の修正方法論を承認しました。12ヵ月の試験的プログラムの下での有意義な経験を活かして、理事会はIMFのAML/CFT評価と技術援助の業務を、FATF拡大勧告の全般をカバーするよう拡大することを決めました。

AML/CFT評価は通常、IMFと世界銀行のもう1つのイニシアチブである金融部門評価プログラム(FSAP)の枠組み内で準備されますが、これは特に金融部門の長所や弱点を評価するために策定されたものです。この評価はまたIMFにより、オフショア金融センターの任意評価の一環としても実施されています。